24 / 121
第1章
マリッジブルーのちにバッタリしました2
しおりを挟む
そんな訳で抜道探し始めて見たのだが、マリッジブルーで疲れている事もあり早々に切り上げる事にした。
「だめね、さっきの話聞いたら尚更酷いマリッジブルーになってしまったわ。」
「申し訳ありません。」
疲れた私は、庭園に設置されている椅子に腰掛けて休憩する事にした。
(フェリミアはこんな中でどうやって過ごしていたんだろう。アリスティナさまとは話した事あるのかな?
あ、そうだ。今から瑠璃宮行って癒されてこようかな。)
「お兄様、あちらに行きたいです。」
鈴を転がしたような声がした方を向くと、車椅子に乗っているアリスティナと、それを押しているカルロがいた。
カルロはあからさまに〝げっ〟と言う顔をした。
「アリス、この先はダメだ。人がいる。」
「お兄様も知ってるでしょ、私鼻はきくほうなの。大丈夫。」
(やばい、この間瑠璃宮行ったのがバレる。)
気付かないフリで反対の景色を見ている体勢をとっているテリアに、追い討ちをかけるようにアリスティナが普段小さいはずの声のボリュームを上げてきた。
「テリア様ー!
私です!アリスティナです!お嫁入り前にご挨拶に来ました!」
(元気そうで何より。)
そろりと振り返ると、目をまん丸くしてアリスティナを見ているカルロと、猫耳をピコピコさせながら笑顔がはち切れんばかりで手を振っているアリスティナがいた。
流石に気付かないフリは無理そうだ。
「ま…ぁ、アリスティナ姫、ご機嫌様。」
失礼な無いようにご挨拶をする。
カルロはこちらに車椅子を押してきつつも、まだ驚いた顔をしている。
私の前で車椅子を止めると、ソワソワしはじめた。
「アリス、体調は平気か?」
「はい!今日はとても調子が良いです!」
アリスティナはちらりと、ユラを見て「流石テリア様の侍女さんね。」とまた猫耳をピコピコさせながら嬉しそうだ。
何もしてないのに褒められたユラも満更でなさそう。
「どうしましたか?
私からまた会いにいきましたのに…」
「今日はご結婚祝いを持ってきたんです。
お手を出してください。」
言われるままに、そろりと手を出すと、花びらの模様が入ったペンダントを手渡された。
瑠璃宮と同じくとても良い香りがした。
「だめね、さっきの話聞いたら尚更酷いマリッジブルーになってしまったわ。」
「申し訳ありません。」
疲れた私は、庭園に設置されている椅子に腰掛けて休憩する事にした。
(フェリミアはこんな中でどうやって過ごしていたんだろう。アリスティナさまとは話した事あるのかな?
あ、そうだ。今から瑠璃宮行って癒されてこようかな。)
「お兄様、あちらに行きたいです。」
鈴を転がしたような声がした方を向くと、車椅子に乗っているアリスティナと、それを押しているカルロがいた。
カルロはあからさまに〝げっ〟と言う顔をした。
「アリス、この先はダメだ。人がいる。」
「お兄様も知ってるでしょ、私鼻はきくほうなの。大丈夫。」
(やばい、この間瑠璃宮行ったのがバレる。)
気付かないフリで反対の景色を見ている体勢をとっているテリアに、追い討ちをかけるようにアリスティナが普段小さいはずの声のボリュームを上げてきた。
「テリア様ー!
私です!アリスティナです!お嫁入り前にご挨拶に来ました!」
(元気そうで何より。)
そろりと振り返ると、目をまん丸くしてアリスティナを見ているカルロと、猫耳をピコピコさせながら笑顔がはち切れんばかりで手を振っているアリスティナがいた。
流石に気付かないフリは無理そうだ。
「ま…ぁ、アリスティナ姫、ご機嫌様。」
失礼な無いようにご挨拶をする。
カルロはこちらに車椅子を押してきつつも、まだ驚いた顔をしている。
私の前で車椅子を止めると、ソワソワしはじめた。
「アリス、体調は平気か?」
「はい!今日はとても調子が良いです!」
アリスティナはちらりと、ユラを見て「流石テリア様の侍女さんね。」とまた猫耳をピコピコさせながら嬉しそうだ。
何もしてないのに褒められたユラも満更でなさそう。
「どうしましたか?
私からまた会いにいきましたのに…」
「今日はご結婚祝いを持ってきたんです。
お手を出してください。」
言われるままに、そろりと手を出すと、花びらの模様が入ったペンダントを手渡された。
瑠璃宮と同じくとても良い香りがした。
0
お気に入りに追加
2,115
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?

彼女が望むなら
mios
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の婚約は円満に解消された。揉めるかと思っていた男爵令嬢リリスは、拍子抜けした。男爵令嬢という身分でも、王妃になれるなんて、予定とは違うが高位貴族は皆好意的だし、王太子殿下の元婚約者も応援してくれている。
リリスは王太子妃教育を受ける為、王妃と会い、そこで常に身につけるようにと、ある首飾りを渡される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる