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第1章
マリッジブルーのちにバッタリしました1
しおりを挟む完全にマリッジブルーに突入してしまったテリアは、部屋に篭って布団を被っていた。
幸せな結婚生活が思い浮かばないどころか、大体知ってるから。この結婚不幸に終わるから。
何も無くてもマリッジブルーなのに未来から帰ってきてわざわざ不幸な結婚とわかってるのに、にこにこして皆んなに〝ありがとう、幸せになります〟って態度とらなきゃいけないの?
色々キツイ。
布団から出てこないテリアに、ユラは王宮で集めたカルロの情報を今後の為にと懸命に教えてくれているがブルーが深すぎて大半聞き流す。
ユサユサと揺さぶられながら、「ここからは絶対聞いてください!」と布団を剥がされた。
「どうやら、王宮はアリスティナ姫が獣人である事に嫌悪感を持っている者が多いようです。」
「ん?猫耳が似合うことへの嫉妬か。深い闇ね…」
「其れもない訳じゃないでしょうが…
とにかく、お立場の弱いアリスティナ姫は生まれてからずっと、体も弱く危険な容態だったにも関わらず、皆気にとめるどころかずさんな医療体制だったとか。
今生きているのが不思議な程までの状態に一時なったそうです。
その時の後遺症で歩けなくなったのだとか。」
「嫉妬の闇深すぎないかしら?…酷いわね。何それ。」
「(テリア様に獣人は王都で奴隷とか差別の対象とか説明してもなかなか理解追いつかなくて話進まないからいっかそれで。)
ともかく、そんなアリスティナ様のお立場を皇太子であるカルロ様が気にかける事で、
使用人達はきちんと対応せざるを得なったようなのです。
ですが、カルロ皇太子自身も元は妾腹で弟君が生まれてからは特にお立場が危ういとか。
そうなるとアリスティナ様が再び不遇な扱いになってしまいます。
だから、自分の地位を盤石にするためにちゃんとした後ろ盾となる三代公爵家の中から伴侶が欲しかった。
しかし、やってきたのは何の後ろ盾にもならない田舎子爵令嬢。と言うのが、今のお城の現状ですね。」
「…キレるわね。私なら泣くわ。」
(実際キレられてたし。)
この情報で自分の置かれた立場は理解できた。
今後の振る舞いを考えて差し障り無く終われるようにするのか。
結構詰んでるように思うけど。
やっぱりどっかで逃げる必要あるわね。
抜穴一つ見つけただけじゃ甘かったかしら。
「ユラ、今から出掛けるわよ!」
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