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第1章

目が覚めたら1

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 さっきまで妹の公開処刑を止めようとして若くして死んだ…
 という展開だった筈なのに、目を開けたらそこにはキラキラした天井が見える。この目には眩しいと、いつも思っていた天井に、ふいに涙ぐみそうになった。

 此処に吊らされているシャンデリアと瓜二つの物を、私は知っている。
 
 思わず手を伸ばした。いや、私の手はもう無いのか、意識途絶える前に斬りおとされたりした気がー…ぁあ、気のせいか。
 ちゃんと両手が視界にはいる。かわらず真っ白で血色悪そうな手。

 でも何だろう…少し縮んだ?

 いや、結構縮んで、ついでに細くなったかもしれない。
 いやいや、それより驚くべきは私もしかして、まさか。

「生きてる?」
 
 
「うわ しゃべった!」


 びっくりした、私喋った。絶対首というか顔面斬られたと思ったのに。
 
 そうか、処刑場とか何とか、あれは悪い夢だったんだ。

 1人で収集つかない程に驚いていると、後ろから声をかけられた。
 

「お嬢様…。」

 後ろを振り返ると、そこにいたのは私の護送中、逃げるのに加担した世話係で、今私に呼びかけたユラと言う侍女。そして執事のアレンがいた。

 逃亡劇が成功出来たのは他でも無く侍女のユラと、執事のアレンが助けてくれたからだ。

 考えてみて欲しい。私のようなただの子爵令嬢が、護送されている中1人で逃げられるだろうか?
 答えは絶対あり得ない。何故なら私は強くも無く、頭もそんなに良く無いからだ。

 妹が…皇妃が大罪を犯したと聞いて、大半の使用人が慌てていとまをもらい、田舎の実家へ逃げて行く中、見事に忠義を果たしてくれた2人だ。
 そんな忠臣とも言える侍女と執事を前に涙ぐむ。

 わかってる、あれは夢なんだろうけど、貴方達はきっと同じ事が起こったら夢と同じ行動をとってくれるのだろう。
 感極まって、涙がまた目頭にあつまってきた。そんな私に、執事のアレンが眉を潜めて言った。


「テリアお嬢様、とうとう…頭が…?」

「え?」

「元々おばか……いえ、今度は何を思い付いたんですか?(後片付けがすぐ出来るよう備えておこう。)」




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