3 / 121
第1章
目が覚めたら1
しおりを挟む
さっきまで妹の公開処刑を止めようとして若くして死んだ…
という展開だった筈なのに、目を開けたらそこにはキラキラした天井が見える。この目には眩しいと、いつも思っていた天井に、ふいに涙ぐみそうになった。
此処に吊らされているシャンデリアと瓜二つの物を、私は知っている。
思わず手を伸ばした。いや、私の手はもう無いのか、意識途絶える前に斬りおとされたりした気がー…ぁあ、気のせいか。
ちゃんと両手が視界にはいる。かわらず真っ白で血色悪そうな手。
でも何だろう…少し縮んだ?
いや、結構縮んで、ついでに細くなったかもしれない。
いやいや、それより驚くべきは私もしかして、まさか。
「生きてる?」
「うわ しゃべった!」
びっくりした、私喋った。絶対首というか顔面斬られたと思ったのに。
そうか、処刑場とか何とか、あれは悪い夢だったんだ。
1人で収集つかない程に驚いていると、後ろから声をかけられた。
「お嬢様…。」
後ろを振り返ると、そこにいたのは私の護送中、逃げるのに加担した世話係で、今私に呼びかけたユラと言う侍女。そして執事のアレンがいた。
逃亡劇が成功出来たのは他でも無く侍女のユラと、執事のアレンが助けてくれたからだ。
考えてみて欲しい。私のようなただの子爵令嬢が、護送されている中1人で逃げられるだろうか?
答えは絶対あり得ない。何故なら私は強くも無く、頭もそんなに良く無いからだ。
妹が…皇妃が大罪を犯したと聞いて、大半の使用人が慌てていとまをもらい、田舎の実家へ逃げて行く中、見事に忠義を果たしてくれた2人だ。
そんな忠臣とも言える侍女と執事を前に涙ぐむ。
わかってる、あれは夢なんだろうけど、貴方達はきっと同じ事が起こったら夢と同じ行動をとってくれるのだろう。
感極まって、涙がまた目頭にあつまってきた。そんな私に、執事のアレンが眉を潜めて言った。
「テリアお嬢様、とうとう…頭が…?」
「え?」
「元々おばか……いえ、今度は何を思い付いたんですか?(後片付けがすぐ出来るよう備えておこう。)」
という展開だった筈なのに、目を開けたらそこにはキラキラした天井が見える。この目には眩しいと、いつも思っていた天井に、ふいに涙ぐみそうになった。
此処に吊らされているシャンデリアと瓜二つの物を、私は知っている。
思わず手を伸ばした。いや、私の手はもう無いのか、意識途絶える前に斬りおとされたりした気がー…ぁあ、気のせいか。
ちゃんと両手が視界にはいる。かわらず真っ白で血色悪そうな手。
でも何だろう…少し縮んだ?
いや、結構縮んで、ついでに細くなったかもしれない。
いやいや、それより驚くべきは私もしかして、まさか。
「生きてる?」
「うわ しゃべった!」
びっくりした、私喋った。絶対首というか顔面斬られたと思ったのに。
そうか、処刑場とか何とか、あれは悪い夢だったんだ。
1人で収集つかない程に驚いていると、後ろから声をかけられた。
「お嬢様…。」
後ろを振り返ると、そこにいたのは私の護送中、逃げるのに加担した世話係で、今私に呼びかけたユラと言う侍女。そして執事のアレンがいた。
逃亡劇が成功出来たのは他でも無く侍女のユラと、執事のアレンが助けてくれたからだ。
考えてみて欲しい。私のようなただの子爵令嬢が、護送されている中1人で逃げられるだろうか?
答えは絶対あり得ない。何故なら私は強くも無く、頭もそんなに良く無いからだ。
妹が…皇妃が大罪を犯したと聞いて、大半の使用人が慌てていとまをもらい、田舎の実家へ逃げて行く中、見事に忠義を果たしてくれた2人だ。
そんな忠臣とも言える侍女と執事を前に涙ぐむ。
わかってる、あれは夢なんだろうけど、貴方達はきっと同じ事が起こったら夢と同じ行動をとってくれるのだろう。
感極まって、涙がまた目頭にあつまってきた。そんな私に、執事のアレンが眉を潜めて言った。
「テリアお嬢様、とうとう…頭が…?」
「え?」
「元々おばか……いえ、今度は何を思い付いたんですか?(後片付けがすぐ出来るよう備えておこう。)」
1
お気に入りに追加
2,115
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

皆様ごきげんよう。悪役令嬢はこれにて退場させていただきます。
しあ
恋愛
「クラリス=ミクランジェ、君を国宝窃盗容疑でこの国から追放する」
卒業パーティで、私の婚約者のヒルデガルト=クライス、この国の皇太子殿下に追放を言い渡される。
その婚約者の隣には可愛い女の子がーー。
損得重視の両親は私を庇う様子はないーーー。
オマケに私専属の執事まで私と一緒に国外追放に。
どうしてこんなことに……。
なんて言うつもりはなくて、国外追放?
計画通りです!国外で楽しく暮らしちゃいますね!
では、皆様ごきげんよう!

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
高慢令嬢の魂は何処に消えた〜異世界転生者に存在を奪われた愛しのキミをただ想う〜
星里有乃
恋愛
美人でハイスペックだが、高慢で意地が悪いと評判の公爵令嬢アマリア。落馬をして頭を打ち、目が覚めたアマリアは、すっかり人が変わったようにデレデレな性格に変貌。実は異世界転生前の記憶が甦り、人格が豹変したのだという。だとしたら、これまでのアマリアの魂は何処へ消えてしまったのだろう。
※ 乙女ゲーム異世界転生ものの疑問点に少しだけ触れています。
※ 現在アルファポリスさんのみに投稿です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる