オレ様&ドSな神楽様は、地味目な彼がお好きでした。

夕時 蒼衣

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雨とタオルと

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 今は何時だろうか。もうすっかり辺りは暗くなっていた。雨もだいぶ強まってきて、屋根をはねる雨音はうるさいくらいだった。
 俺はベッドから起き上がり、机におきっぱになっていたスマホを手にとり、時間を確認した。もう、こんな時間か。今日はなんだか、長い一日だ。そう思うのも、友人とその友達、いや、それ以上の関係かもしれないが、そいつらの関係性についていくのがやっとだったからだ。いつからだろうか。そんなこと、俺は相談されたことなんて一ミリもなかった。そういうやつだよな。昔からあいつは。頼ればいいのに、肝心な時には何も言わない。そうだ。昔からそういうやつだ。それにしても、まさかあの神楽が、島田をね。すこしだけ、あの子に似ている気もしなくはない。クラスに馴染めてないというか、ほっとけないって言えば、ほっとけないっていうか。それでも決定的な違いは、島田はそれをあえて望んでやっているということで、あの子のは周りが離れて、そういう状況になっていったということだ。誰をあいつが好きであろうと、俺の知っちゃこっちゃないだがな。
 玄関のチャイムが鳴ったのは、そんなどうでもいいことを考えていた時だ。そういえば、今日は両親ともに遅くなるとって言って言ったっけ。ふとその事実を思い出し、チャイムが鳴った玄関へ俺は向かった。もう、荷物が来るような時間ではないはず。母さんが、鍵でもわすれたか。
 戸を開けた先に立っていたのは、俺の良く知る可愛らしい子だった。ただし、その子は髪も服もびしょぬれで、おまけにひどい顔をしていた。そんな顔するなよ。かわいい顔が台無しだ。俺はその子を何も言わず、家の中へと通した。
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