オレ様&ドSな神楽様は、地味目な彼がお好きでした。

夕時 蒼衣

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観察日記~休み時間編~②

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 休み時間、僕はシャーペンを見ていた。回るシャーペン。彼女も見ていた。その回るシャーペンを。
 と言っても、見ていた距離感が授業中とは全く違う。彼女は神楽様のすぐ隣まで行き、あの華麗な舞を見ていた。僕はというと、相変わらずさっきの授業を受けていた机と椅子を使って読書をしている。まあ、話を聞いていて分かる通り、ただの読んでいる振りだ。ほとんどさっきから、読んでいるページは変わっていない。
 そんな一方で楽しそうに神楽様と話しながら彼女達は笑っている。何を話して笑っているのか僕にはわからない。というのも、あいにく、今日は4時間目あたりから、雨が降ったり止んだりを繰り返していた。今日の放課後は、大事な用があるのに。そんな具合に、僕は放課後に起きるビッグイベントを結構楽しみにしていた。
 しばらくすると、ツートップのもう一人である、三浦君が神楽様を二人で囲むようにして集まった。なんだか、3人集まると物凄く華やかだ。ツートップは元から知っている通りのイケメンなのだが、その二人と並んでも負けないくらいだった。いったい、彼女は何者なのだろう。
 僕は今まで、神楽様のことばかり見ていたから、クラスメートに対してそこまで関心がなかったのだと思う。それぐらい、神楽様は輝いているのだ。神楽様ひとりで充分だと思えるくらいに、眩しかったのだ。だがいま、そんなにも無関心だった僕を恥じたい。そして知りたい。彼女がどんな人なのか。神楽様と話しているところをあまり見なかったが、神楽様とはどういう関係なのか。今になって、急に知りたくなってきた。神楽様と仲が良いことを知っていたら、僕はもっと関心を寄せていたはずなのだ。それにしても、他のクラスメートは少なくとも、名前は覚えているはずなのに、なぜ彼女の名前を思い出せないのだろうか。もしかしたら、他にもまだ、僕が忘れている人がいるのだろうか。そう思うとやっぱり、自分が怖くなってきた。無関心な僕が、怖い。
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