無実の令嬢と魔法使いは、今日も地味に骨折を治す

月山 歩

文字の大きさ
上 下
39 / 39

39.結婚式

しおりを挟む
 キャロライナとレオナルドはついにその日を迎え、結婚した。

 王都の教会には、リーフェン王を始め、キャロライナがこの国に来てから出会ったたくさんの人が集まり、教会から溢れ、教会の周りの公園に行くのが、せいいっぱいの者までいた。

「キャロがいてくれることで、ずっと渋っていたこの男が、爵位を受け取ってくれたことを感謝するよ。」

 今まで、この国に多大に貢献しているレオナルドは、今までリーフェン王がどんなに言っても、公爵となることを拒否していた。

 しかし、キャロライナと結婚することで、やっと、それを承諾したのだった。

「私のためなら、いいって言ったんだけれど。」

「キャロは、元々侯爵令嬢だし、公爵でいた方が、身分をかたに、キャロを奪おうなどと考えるやつが現れた時に対応できるからいいだろうと思ったんだ。

 そのために、貴族籍を持っておくことにした。」

「どんな理由であれ、私にとっては、レオが地位が高い方が何かと、都合が良い。」

 リーフェン王は満足気に頷くのだった。

 二人はコツコツとたくさんの人の骨折や怪我を治すし、魔獣討伐では、中心となり、活躍している。

 二人に救われたり、守られた人は日に日に増える一方なのだ。

 キャロライナは、ここで知り合った人々に出会えたのは、レオナルドのおかげだとわかっているし、レオナルドがいるから、どこへ行っても、楽しくて仕方がないと感じている。

 レオナルドとそれによって知り合った全ての人に感謝して、この日を楽しんだ。

「レオ、あなたがいる限り、私の幸せは広がっていく一方よ。
 あなたに出会えたことが、すべての始まりだわ。

 そして、これからも、ずっとこんな幸せが続いていくのね。」

「ああ、俺達は二人ていることで、まだまだやれることがたくさんある。

 これからも、よろしく、俺の愛するキャロ。

 落ち着いたら、しばらく二人で、骨折を治す旅に出かけないか?
 自由にさ。」

「素敵。
 レオとなら、どんなことだって、楽しめるし、新しい発見もあるかもね。」

「じゃあ、いつから行く?」

「それはもちろん明日からよ。
 ワクワクするわ。」

「待て、待て、それは、早いな。
 せめて、三日間ぐらいは二人きりでいたい。」

「ふふ、レオは素直ね。
 愛しているわ。」

 そう言って、すぐに二人は見つめ合うのだった。
 しかも、二人は結婚式の前からすでに甘々なのだ。

 だか、今日は二人の結婚式だ。

 思う存分に楽しんでくれと、周りの者達は諦め半分、羨望半分で、見守るのだった。



             完
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

蒼月丸
2024.09.19 蒼月丸

見ましたが、いい作品でした!お気に入り登録しましたので。
お互い頑張りましょう!

月山 歩
2024.09.19 月山 歩

ありがとうございます。
嬉しいです。
ただ、連載中に設定して投稿しているつもりですが、完結で出てしまうこと4作目でして、モチベ下がってしまって、アルファポリスに相談していますが、返事もなく、解決策もないため、書いたものを出したら、今のところやめようと思っております。
書くことの大変さと、楽しみはわかりましたので、応援しています。

解除

あなたにおすすめの小説

悪女の秘密は彼だけに囁く

月山 歩
恋愛
夜会で声をかけて来たのは、かつての恋人だった。私は彼に告げずに違う人と結婚してしまったのに。私のことはもう嫌いなはず。結局夫に捨てられた私は悪女と呼ばれて、あなたは遊び人となり、再びあなたは私を諦めずに誘うのね。

幽閉された王子と愛する侍女

月山 歩
恋愛
私の愛する王子様が、王の暗殺の容疑をかけられて離宮に幽閉された。私は彼が心配で、王国の方針に逆らい、侍女の立場を捨て、彼の世話をしに駆けつける。嫌疑が晴れたら、私はもう王宮には、戻れない。それを知った王子は。

呪いを受けて醜くなっても、婚約者は変わらず愛してくれました

しろねこ。
恋愛
婚約者が倒れた。 そんな連絡を受け、ティタンは急いで彼女の元へと向かう。 そこで見たのはあれほどまでに美しかった彼女の変わり果てた姿だ。 全身包帯で覆われ、顔も見えない。 所々見える皮膚は赤や黒といった色をしている。 「なぜこのようなことに…」 愛する人のこのような姿にティタンはただただ悲しむばかりだ。 同名キャラで複数の話を書いています。 作品により立場や地位、性格が多少変わっていますので、アナザーワールド的に読んで頂ければありがたいです。 この作品は少し古く、設定がまだ凝り固まって無い頃のものです。 皆ちょっと性格違いますが、これもこれでいいかなと載せてみます。 短めの話なのですが、重めな愛です。 お楽しみいただければと思います。 小説家になろうさん、カクヨムさんでもアップしてます!

【完結】子爵令嬢の秘密

りまり
恋愛
私は記憶があるまま転生しました。 転生先は子爵令嬢です。 魔力もそこそこありますので記憶をもとに頑張りたいです。

迎えに行ったら、すでに君は行方知れずになっていた

月山 歩
恋愛
孤児院で育った二人は彼が貴族の息子であることから、引き取られ離れ離れになる。好きだから、一緒に住むために準備を整え、迎えに行くと、少女はもういなくなっていた。事故に合い、行方知れずに。そして、時をかけて二人は再び巡り会う。

とまどいの花嫁は、夫から逃げられない

椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ 初夜、夫は愛人の家へと行った。 戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。 「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」 と言い置いて。 やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に 彼女は強い違和感を感じる。 夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り 突然彼女を溺愛し始めたからだ ______________________ ✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定) ✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです ✴︎なろうさんにも投稿しています 私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ

【9話・完結】魔塔の魔女の実態は、お見合いババアですよ。私だって素敵な旦那様を捕まえたい!

BBやっこ
恋愛
3人姉妹の次女、エイリンは魔塔で働く優秀な人材だ。(自称なだけでなく優秀な事務員の筈) 姉の結婚も間近で、恋人が途切れない妹とは別な道を進んでいる。彼女の結婚計画は白紙である。 それに文句はないが。不満はある。結婚願望はちゃんとあるのだ。けど、今の仕事も楽しい。 魔塔での面倒な事務処理もあるが、予算の獲得や成果の運用方法など任される事も多くなった。 そう言ったのが苦手な魔道士、男どもの中で気負うことなくやっていたら、妙な仕事を任された?!結婚願望から始まって、婚約した魔術士という実績が出たせいで続くお見合い。 行き遅れになりそうな男どもを、令嬢に紹介する仕事をさせられるようになったのだ! 私、まだ未婚でお見合いババアとか噂されてる!、 なお、別途給金はおいしく頂戴している。

旦那様は、転生後は王子様でした

編端みどり
恋愛
近所でも有名なおしどり夫婦だった私達は、死ぬ時まで一緒でした。生まれ変わっても一緒になろうなんて言ったけど、今世は貴族ですって。しかも、タチの悪い両親に王子の婚約者になれと言われました。なれなかったら替え玉と交換して捨てるって言われましたわ。 まだ12歳ですから、捨てられると生きていけません。泣く泣くお茶会に行ったら、王子様は元夫でした。 時折チートな行動をして暴走する元夫を嗜めながら、自身もチートな事に気が付かない公爵令嬢のドタバタした日常は、周りを巻き込んで大事になっていき……。 え?! わたくし破滅するの?! しばらく不定期更新です。時間できたら毎日更新しますのでよろしくお願いします。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。