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37.妹の行方
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結婚式を間近に控え、キャロライナはシーラがどうしているか、心配になって来た。
時々、俯く様子があり、レオナルドはキャロライナが妹のことを心配していることをなんとなく感じていた。
「そろそろオーブリー国に行くかい?
気になってるんだろ?」
「実は、うん、そう。」
「そう言う時は、悩んでないで、俺に言って。」
「そうだね。
でも、シーラは私に会いたくないかもしれないし。」
「会わなくても、どうしているかを知ったら、キャロは気が楽になるんじゃないか?」
「うん、ありがとう。」
「クヨクヨしてるなんて、らしくないよ。」
キャロライナとレオナルドはオーブリー国の地下牢に行ったが、シーラはもういなくなっていた。
最初に地下牢に捕らえられた時、貴族は塔に幽閉すると、言われた覚えがある。
そっちに移っているならと、塔の中に転移し、探し出した。
塔の小さな一室に、シイラは閉じ込められていたが、ここでは風呂が使えるのか、牢よりも快適そうである。
「久しぶり。」
「ああ、あの時の女ね。
前回一緒に消えた男も一緒ね。
急に消えるなんて、魔法使いなのね、あんた。」
「まぁ、そんなところ。
その指はどうしたの?」
シーラの指先はひび割れて、血が滲んでいる。
「ああ、これ?
ふふ、これはね、夜中に壁をつたって、ルイスに会いに行ってるの。」
「ルイスもここにいるの?」
「ルイスを知っているの?
ルイスは私のものよ。」
「知り合いなだけ。
興味はないわ。」
「ならいいけど、ルイスはね、調子に乗って、同時に何人もの女性と付き合ったんだって。
そしたら、その中の一人が王族で、玉の輿に乗る気満々だったけど、結局、色んな女と同時に付き合っていたことが、舞踏会の会場でバレて、一時騒然となったらしいわ。
王族の女は恥をかかされたって、大騒ぎで、でも、みんな女達は真剣に付き合っていたから、その場で殴り合いの喧嘩も勃発して、収拾がつかなくなったみたい。
でも、結局は全てルイスのせいだから、ルイスが責任とるなら、殴り合った女達も怒りをおさめるってことで、ルイスは牢に入り、この件は終わりになったらしいわ。
それで、同じ塔に幽閉されている私の出番がやって来たと言うわけ。」
「でも、ルイスは女性を幸せにできない男よ。」
「私はね、そんなこと最初から知ってるの。
わかってて、好きなの。
それに今は私しかいないから。
さすがに、ルイスを諦められないからって、ここまでやって来る女はいなかったわ。
だから、今は私だけなの。」
「でも、壁をつたってって、外の?」
「当たり前じゃない。」
「落ちたら、命がないじゃない?
しかも夜?
危険よ。」
「わかっているわ。
でも、私はそれでもいいのよ。」
キャロライナは初めて知った。
シーラがそれほどまでに、ルイスを好きだと。
私のルイスへの思いは、シーラと比べたら、全然なかったも同然だ。
今私にとって、ルイスはどうでもいい。
でも、シーラの気持ちは私がレオナルドにむける思いと多分それほど変わらない。
私達は結局、似たもの姉妹なのだ。
私だって、最後に見るのは、レオナルドがいいって、思っている。
それが、魔獣討伐のさなかであっても。
この塔から、罪人であるシーラを救い出すのはやはり罪を償うという意味で、許されないと思う。
でも、姉として、シーラの危険な行動はやめさせたい。
悩んだ私は、レオナルドを見つめた。
時々、俯く様子があり、レオナルドはキャロライナが妹のことを心配していることをなんとなく感じていた。
「そろそろオーブリー国に行くかい?
気になってるんだろ?」
「実は、うん、そう。」
「そう言う時は、悩んでないで、俺に言って。」
「そうだね。
でも、シーラは私に会いたくないかもしれないし。」
「会わなくても、どうしているかを知ったら、キャロは気が楽になるんじゃないか?」
「うん、ありがとう。」
「クヨクヨしてるなんて、らしくないよ。」
キャロライナとレオナルドはオーブリー国の地下牢に行ったが、シーラはもういなくなっていた。
最初に地下牢に捕らえられた時、貴族は塔に幽閉すると、言われた覚えがある。
そっちに移っているならと、塔の中に転移し、探し出した。
塔の小さな一室に、シイラは閉じ込められていたが、ここでは風呂が使えるのか、牢よりも快適そうである。
「久しぶり。」
「ああ、あの時の女ね。
前回一緒に消えた男も一緒ね。
急に消えるなんて、魔法使いなのね、あんた。」
「まぁ、そんなところ。
その指はどうしたの?」
シーラの指先はひび割れて、血が滲んでいる。
「ああ、これ?
ふふ、これはね、夜中に壁をつたって、ルイスに会いに行ってるの。」
「ルイスもここにいるの?」
「ルイスを知っているの?
ルイスは私のものよ。」
「知り合いなだけ。
興味はないわ。」
「ならいいけど、ルイスはね、調子に乗って、同時に何人もの女性と付き合ったんだって。
そしたら、その中の一人が王族で、玉の輿に乗る気満々だったけど、結局、色んな女と同時に付き合っていたことが、舞踏会の会場でバレて、一時騒然となったらしいわ。
王族の女は恥をかかされたって、大騒ぎで、でも、みんな女達は真剣に付き合っていたから、その場で殴り合いの喧嘩も勃発して、収拾がつかなくなったみたい。
でも、結局は全てルイスのせいだから、ルイスが責任とるなら、殴り合った女達も怒りをおさめるってことで、ルイスは牢に入り、この件は終わりになったらしいわ。
それで、同じ塔に幽閉されている私の出番がやって来たと言うわけ。」
「でも、ルイスは女性を幸せにできない男よ。」
「私はね、そんなこと最初から知ってるの。
わかってて、好きなの。
それに今は私しかいないから。
さすがに、ルイスを諦められないからって、ここまでやって来る女はいなかったわ。
だから、今は私だけなの。」
「でも、壁をつたってって、外の?」
「当たり前じゃない。」
「落ちたら、命がないじゃない?
しかも夜?
危険よ。」
「わかっているわ。
でも、私はそれでもいいのよ。」
キャロライナは初めて知った。
シーラがそれほどまでに、ルイスを好きだと。
私のルイスへの思いは、シーラと比べたら、全然なかったも同然だ。
今私にとって、ルイスはどうでもいい。
でも、シーラの気持ちは私がレオナルドにむける思いと多分それほど変わらない。
私達は結局、似たもの姉妹なのだ。
私だって、最後に見るのは、レオナルドがいいって、思っている。
それが、魔獣討伐のさなかであっても。
この塔から、罪人であるシーラを救い出すのはやはり罪を償うという意味で、許されないと思う。
でも、姉として、シーラの危険な行動はやめさせたい。
悩んだ私は、レオナルドを見つめた。
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