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36.マシューと言う男
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レオナルドとキャロライナが治療院に行くと、待ち構えていたようにマシューがやって来た。
「こんにちは、レオナルド様、キャロライナさん。
僕魔力切れを起こして、ちゃんと体験して来ました。」
マシューは誇らしげに、話す。
「大変だったでしょ。
でも、頑張ったわね。」
「ありがとうございます。
キャロライナさんにそう言ってもらったら、力がぐんぐん湧きます。
さぁ、早速治癒魔法やらせてください。」
「ふふ、わかったわ。」
キャロライナがそう答えると、マシューはキャロライナの手を握って、骨折している人を治す。
「やっぱり、まだ、大丈夫です。
もう一人いいですか?」
「よし、いいよ。」
レオナルドが頷くと、マシューは嬉しそうにキャロライナの手を握り、瞳を見つめると笑った。
するとバチンとなり、マシューは跳ね飛ばされる。
「いてて。
すいません。
思わず。」
「君、気をつけなよ。」
「はい、すみません。
もう一度いいですか?」
「ああ、やってみて。」
「はい、無心、無心。」
マシューは唱えながら、キャロライナと手を繋ぐ。
そして、二人目も治癒させる。
「あー、幸せだ。
キャロライナさん、もっといいですか?」
「私はマシューが大丈夫ならいいわよ。」
それから、数人の骨折を治す。
「ありがとうございました。
明日は骨折だけじゃなく、病気もいいですか?」
「まぁ、大丈夫ならいいよ。」
「ありがとうございます。」
笑顔のマシューの治癒魔法ハイは止まらない。
その後、数人の骨折した人は、すっかり治って、治療院を後にした。
「あいつ、どんどん酷くなるな。」
「そうね。
でも、私もわかるの。
レオと一緒に骨折を治して、魔獣倒して、自分だけの力じゃないのに、嬉しくて仕方ないのよ。
だから、私はレオと一緒にいたいって願うの。」
「じゃあ、あいつも、キャロと離れられないってこと?」
「そうかもね。
だとしても、指輪があるから、大丈夫よ。」
「そうか?
弾き飛ばされた時、あいつ、ニヤって笑ったよ。
それでも、楽しいんだよ、あれは。
なんか、怖いやつと知り合ったね。」
「きっとマシューはどんどん病気を治していくわ。
それは、この国のためだもの、私は受け入れるわ。」
「キャロ、じゃあ、俺はもういらない?」
「レオ、私とあなたはどんな時も一緒よ。
私を本当にわかってくれる人はレオしかいないって、思っているの。
それは、治癒魔法の喜びとは別の私の心の奥深くにあるの。
そこに触れるのは、レオだけよ。」
「久しぶりに丘に行かないか?
二人でゆっくりしよう。」
「いいわね。」
二人はギフトとは関係なく、手を繋いで、邸に戻った。
「こんにちは、レオナルド様、キャロライナさん。
僕魔力切れを起こして、ちゃんと体験して来ました。」
マシューは誇らしげに、話す。
「大変だったでしょ。
でも、頑張ったわね。」
「ありがとうございます。
キャロライナさんにそう言ってもらったら、力がぐんぐん湧きます。
さぁ、早速治癒魔法やらせてください。」
「ふふ、わかったわ。」
キャロライナがそう答えると、マシューはキャロライナの手を握って、骨折している人を治す。
「やっぱり、まだ、大丈夫です。
もう一人いいですか?」
「よし、いいよ。」
レオナルドが頷くと、マシューは嬉しそうにキャロライナの手を握り、瞳を見つめると笑った。
するとバチンとなり、マシューは跳ね飛ばされる。
「いてて。
すいません。
思わず。」
「君、気をつけなよ。」
「はい、すみません。
もう一度いいですか?」
「ああ、やってみて。」
「はい、無心、無心。」
マシューは唱えながら、キャロライナと手を繋ぐ。
そして、二人目も治癒させる。
「あー、幸せだ。
キャロライナさん、もっといいですか?」
「私はマシューが大丈夫ならいいわよ。」
それから、数人の骨折を治す。
「ありがとうございました。
明日は骨折だけじゃなく、病気もいいですか?」
「まぁ、大丈夫ならいいよ。」
「ありがとうございます。」
笑顔のマシューの治癒魔法ハイは止まらない。
その後、数人の骨折した人は、すっかり治って、治療院を後にした。
「あいつ、どんどん酷くなるな。」
「そうね。
でも、私もわかるの。
レオと一緒に骨折を治して、魔獣倒して、自分だけの力じゃないのに、嬉しくて仕方ないのよ。
だから、私はレオと一緒にいたいって願うの。」
「じゃあ、あいつも、キャロと離れられないってこと?」
「そうかもね。
だとしても、指輪があるから、大丈夫よ。」
「そうか?
弾き飛ばされた時、あいつ、ニヤって笑ったよ。
それでも、楽しいんだよ、あれは。
なんか、怖いやつと知り合ったね。」
「きっとマシューはどんどん病気を治していくわ。
それは、この国のためだもの、私は受け入れるわ。」
「キャロ、じゃあ、俺はもういらない?」
「レオ、私とあなたはどんな時も一緒よ。
私を本当にわかってくれる人はレオしかいないって、思っているの。
それは、治癒魔法の喜びとは別の私の心の奥深くにあるの。
そこに触れるのは、レオだけよ。」
「久しぶりに丘に行かないか?
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「いいわね。」
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