無実の令嬢と魔法使いは、今日も地味に骨折を治す

月山 歩

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34.王都の治療院で

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 魔獣討伐が終わり、二人は王都の治療院で、再び日課の骨折を治す治癒魔法を展開していた。

「これだけの怪我人がいたら、何日かかるのかしら?」

「ああ、でも、治癒魔法師を手配しているだろうから、そんなにかからないで、終わるんじゃないか?」

「それなら、安心だわ。」

「あのう、ギフトのことを聞いたのですが?」

 一人の男性が、キャロライナに話しかける。

 すると、さっとレオナルドが警戒し、キャロライナとその男性の間に立つ。

「それが、何?。」

 レオナルドに威嚇された男性は縮こまりながらも、キャロライナに話そうとする。

「僕も少しだけ、治癒魔法使えるんです。
 キャロライナさんの力を借りれたら、僕もみんなの役に立てるのではないかと思って。」

「えっ、そうなの?
 だったら、ぜひ試してみましょう。」

 キャロライナは嬉しそうに笑った。

「ちょっと待って。
 話をして、承諾してからだよ。
 応接室へ行こう。」

 三人は治療院の応接室で話をすることにした。
「君はここで、何をしてるの?」

「僕はここで、医師をしています。
 怪我の手当てや、病気に効く薬草を調合しています。
 マシューと申します。」

「よろしくお願いします。
 マシューさん。」

 キャロライナはすでにやる気である。

「僕は魔力もちょっとだけあって、怪我を治したり、薬草に魔力を込めたり、ほんの少しですが、やっています。

 いつももっと魔力があれば、もっと治療できるのにって思っていて、噂では、キャロライナさんは魔力を増やせると。」

「そうよ。
 私のギフトはその人の能力の半分くらいを増やせるの。

 そうやって、骨折を治したり、魔獣討伐のお手伝いをしているわ。」

「でしたら、僕にもその力を使わせてもらえませんか?」

「早まらない。
 俺の話を聞いてからだよ。
 キャロは触ることで、どんな魔力も増やすことができるのは確か。

 でも、魔力を使い過ぎて、本人が魔力切れを起こした場合、キャロも同時に魔力切れを起こす。

 俺も最初は知らなくて、目の前の患者のために、魔力を限界まで使って、キャロを危険に晒したことがある。

 最悪一緒に亡くなることだってある。
 人は助けたいと思うと無理をするものだから。

 力を使うのはいいが、絶対にまずくなったら、キャロから手を離し、道連れにしないと約束して。
 それが、絶対条件だよ。

 キャロがいいって言ってもダメ。
 それができる?」

「はい、わかりました。
 絶対にキャロライナさんを巻き込まないと誓います。」

「じゃあ、許す。」

 そう言って、レオナルドは指輪にかけている魔力の使っていい人リストにマシューを入れた。


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