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29.討伐に戻る計画
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翌日の朝から、レオナルドとキャロライナは再び食堂で一心不乱に食事を食べていた。
トラバスは二人が骨折を治癒しに行くといって、出かけたまま、三日間戻らず心配していた。
すると、キャロライナが一人戻って来て、レオナルドの命が危ないと告げ、すぐに王に手紙を出すと、王宮に行くと言い馬車で向かい、今度はそのまま夜も戻らず、次の日を迎えた。
そして、二人はやっと戻って来たと思って、邸から庭先にたどり着くと、何やら喧嘩しており、声がかけられないまま見守っていたら、次は二人で抱き合って結婚を誓い合う。
キャロライナが来てからの二人は、トラバスにとっても衝撃な出来事の連発だった。
そして、食堂での再びの爆食い。
今や二人は婚約中となるのだろう。
だか、会話はなく、黙々と食べている。
魔力の減少時は補給するために、食べるか睡眠なのだそうな。
魔力のないトラバスにはよくわからない感覚だが、二人はそんな気持ちも共有できる。
レオナルドにとって、キャロライナはどれほど大切な存在なのかは、一見するとわからない。
でも、レオナルドはいつもキャロライナを意識しているらしく、キャロライナがどんな気持ちでいるか、常に把握している。
そして、キャロライナが悲しんでいる時は素早く行動を起こす。
キャロライナは明るく、優しいが、時々、婚約者や家族に捨てられたせいで、不安定になる時があり、レオナルドはそんな時を見逃さない。
レオナルド自身も、幼い頃から妹を一人で養育し、やっと一息ついた時に出会った、同じ思いを共有できる女性だから、彼女を理解し、力まずに自然体でそばにいられるようだ。
少し前であったら、どんな女性と知り合ったとしても、妹優先のため、はねのけていた。
こうして、気を使わずに女性と無言で爆食することは、レオナルドの心がキャロライナを受け入れている証なのだ。
トラバスはいつかレオナルドにこんな日が来れば、どれほどいいかとずっと願っていた。
だから、今日もトラバスは優しい目で、一心不乱に食事している二人を見つめる。
「今日はこのまま休んで、明日戻ろう、キャロ」
「ええ、大丈夫よ。
でも、何でこんなに叩いても、叩いても湧いてくるかな、魔獣達。」
「最奥に何かあるな。
淀んだ湖なんてもんじゃない何かが。」
「お食事中失礼します。
ダニエル様がいらっしゃいました。」
トラバスに案内され、ダニエルがやって来る。
「昨日は世話になった。
まぁ座ってくれ。」
「急に参りまして、すみません。
こちらを、王より託されて参りました。」
そう言って、椅子の一つに座ると、ダニエルはレオナルドに手紙を手渡した。
それを一読してレオナルドは、
「まぁ、仕方ないか。
最奥に行った時、魔獣騎士達はもう魔力を残してないだろうし。」
「では、僕も同行すること、お許しいただけるんですね。」
「ああ、やむを得ないだろう。
ただし、俺達は昨日婚約した。
それを忘れないように。」
一瞬ダニエルは驚いた顔をしたが、
「それはおめでとうございます。
そのことも、王に報告しても?」
「ああ、いい。」
「では、明日参ります。」
そう言って、ダニエルは王宮に戻って行った。
トラバスは二人が骨折を治癒しに行くといって、出かけたまま、三日間戻らず心配していた。
すると、キャロライナが一人戻って来て、レオナルドの命が危ないと告げ、すぐに王に手紙を出すと、王宮に行くと言い馬車で向かい、今度はそのまま夜も戻らず、次の日を迎えた。
そして、二人はやっと戻って来たと思って、邸から庭先にたどり着くと、何やら喧嘩しており、声がかけられないまま見守っていたら、次は二人で抱き合って結婚を誓い合う。
キャロライナが来てからの二人は、トラバスにとっても衝撃な出来事の連発だった。
そして、食堂での再びの爆食い。
今や二人は婚約中となるのだろう。
だか、会話はなく、黙々と食べている。
魔力の減少時は補給するために、食べるか睡眠なのだそうな。
魔力のないトラバスにはよくわからない感覚だが、二人はそんな気持ちも共有できる。
レオナルドにとって、キャロライナはどれほど大切な存在なのかは、一見するとわからない。
でも、レオナルドはいつもキャロライナを意識しているらしく、キャロライナがどんな気持ちでいるか、常に把握している。
そして、キャロライナが悲しんでいる時は素早く行動を起こす。
キャロライナは明るく、優しいが、時々、婚約者や家族に捨てられたせいで、不安定になる時があり、レオナルドはそんな時を見逃さない。
レオナルド自身も、幼い頃から妹を一人で養育し、やっと一息ついた時に出会った、同じ思いを共有できる女性だから、彼女を理解し、力まずに自然体でそばにいられるようだ。
少し前であったら、どんな女性と知り合ったとしても、妹優先のため、はねのけていた。
こうして、気を使わずに女性と無言で爆食することは、レオナルドの心がキャロライナを受け入れている証なのだ。
トラバスはいつかレオナルドにこんな日が来れば、どれほどいいかとずっと願っていた。
だから、今日もトラバスは優しい目で、一心不乱に食事している二人を見つめる。
「今日はこのまま休んで、明日戻ろう、キャロ」
「ええ、大丈夫よ。
でも、何でこんなに叩いても、叩いても湧いてくるかな、魔獣達。」
「最奥に何かあるな。
淀んだ湖なんてもんじゃない何かが。」
「お食事中失礼します。
ダニエル様がいらっしゃいました。」
トラバスに案内され、ダニエルがやって来る。
「昨日は世話になった。
まぁ座ってくれ。」
「急に参りまして、すみません。
こちらを、王より託されて参りました。」
そう言って、椅子の一つに座ると、ダニエルはレオナルドに手紙を手渡した。
それを一読してレオナルドは、
「まぁ、仕方ないか。
最奥に行った時、魔獣騎士達はもう魔力を残してないだろうし。」
「では、僕も同行すること、お許しいただけるんですね。」
「ああ、やむを得ないだろう。
ただし、俺達は昨日婚約した。
それを忘れないように。」
一瞬ダニエルは驚いた顔をしたが、
「それはおめでとうございます。
そのことも、王に報告しても?」
「ああ、いい。」
「では、明日参ります。」
そう言って、ダニエルは王宮に戻って行った。
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