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22.帰国

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 ローレンス邸に転移すると、トラバスやサマーさんなどが、ジョンを待っていて、すぐに客室に連れて行った。

 サマーさんはジョンが転移したことにより、魔力酔いはしているものの、命は無事であることをとても喜んだ。

 一方のキャロライナはまだ、シーラの言ったことが受け止められず、ぼんやりとしたままである。

 そんな、キャロライナをレオナルドはただ静かに抱きしめて、頭を撫でて、慰める。

「私、妹にそんなに嫌われていたのね。
 どうしてだろう?」

「考えても、わからないことがある。
 もう、昔のことは気にするな。
 あの妹とは、もう関わる必要はない。

 キャロには俺達がいる。
 俺がキャロを絶対に一人にさせないから、大丈夫だ。」

「ありがとう。
 レオは優しいね。
 レオに出会えたことだけは、本当に良かった。」

「俺も同じさ。
 それに、俺はみんなに優しいわけじゃない。
 そろそろわかろうな。
 まぁ、今のキャロにつけこみたくないから、今はこれ以上言わない。」

「うん、今、思考力が低下しているのはわかる。
 それに、レオに抱きしめてもらったのは初めてだね。
 とっても安心する。

 不思議だね。
 長くいた家族より、レオの方が一緒にいたいなんて。」

 キャロライナは、レオナルドに抱きついたまま、胸に顔をすりすりする。

「俺の方が信頼できるだろ?」

「そうだね、ふふ。

 そう言えば、最初の事件の時、周りにいた人の中で、私の無実を証言してくれた人がいたんだって。

 だったら、私は無実の証言を得て、もう、お尋ね者ではないのかしら。
 その人にお礼を言いたいな。

 あの頃は無実の証明なんて、できないって思っていたから。
 その人がシーラの関係者に嫌な思いをさせられていないか心配だし。

 お願い、もう一回オーブリー王国に転移してもらってもいい?」

「ああ、キャロの動揺が落ち着いたら。
 まぁ、でも、その人が心配だから、明日にするか?」

「うん、ありがとう。」

 二人はそのまま、抱き合って、キャロライナが落ち着くのを待ち続けた。

「ところで、妹はどうする?
 そのまま放置でもいいし。
 キャロ次第だ。」

「ずっと考えていたけど、結局どうすれば良いのか、まだわからない。

 私を含め、他の人も巻き込んで、犯罪を犯したのは事実だし、せめて、反省していれば、助け出すためにすぐに動くのだけれど。

 そのままにしたとしたら、牢の中で、一生終わるのかもしれないと思うから、姉としては、助けたいって思う自分もいるわ。」

「じゃあ、気持ちが固まるまで、一旦保留にしようか。
 そして、明日、無実の証言してくれた人を訪ねよう。」

「うん、どんな人なのか、気になるね。」



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