8 / 10
8.真実が暴かれた時
しおりを挟む
カサンドラ王女は、バイアットの王宮に入った時から、ここが気に入っていた。
お父様が言っていた通り、王宮の豪華さ、使用人の数、お仕着せの布地に至るまでバイアット王国の方が豪華だわ。
明らかにこちらの国の方が富んでいると、カサンドラ王女は確信した。
きっとここの王妃になった方が、沢山贅沢ができる。
この王国は、私の物よ。
そう思ってセオドロス陛下との面会を待っていた。
「カサンドラ王女待たせたな。
何の用だ。」
カサンドラ王女は威勢よく、王宮まで乗り込んで来たのに、セオドロスの眼を見て、たじろいでいる。
ああ、そうだった。
レオナも最初はこのように怯えた顔をしていたな。
イワノフ王国では、よっぽど私のことは、恐れられているらしい。
カサンドラ王女を目の前にしても、考えるのは、レオナのことだった。
「セオドロス陛下、私お伝えしたいことがありまして、参りましたの。
レオナの出生に関することですわ。
この話を聞いたら、セオドロス陛下の妃には、私がふさわしいと、ご理解いただけると思いますわ。」
「どんな理由でカサンドラ王女の方が相応しいと?
とりあえず聞こうか。」
「レオナから聞いていないと思いますが、実は彼女は、イワノフ王の血を分けた娘ではないのですわ。
本当はただの男爵令嬢なのです。」
「何だって。
どうして、そんなことが?」
「お恥ずかしい話ですが、当初私がセオドロス陛下のことを誤解しておりまして、レオナにイワノフ王の娘のふりを命じましたの。」
「レオナは、どうしてそれに従ったんだ?」
「レオナには、弟がおりまして、その者を処刑すると脅すと、あっさり言うことを聞きまして。」
「なるほど。
だから、レオナは王女じゃないから、私に相応しくないと。」
「はい、その通りです。
セオドロス陛下には、私のような洗練された本物の王女こそがふさわしいのです。」
「なるほど。
では、どうして今更、そのことを私に伝える気になったのだ?」
「それは、バイアット王国の方が豊かだと知ったからですわ。
豊かな王国には、私のような高貴な者がふさわしいでしょう。
私は、レオナよりも美女ですから、豪華なドレスが似合いますし、この身体で、セオドロス陛下を満足させることもできますわ。
民達も美しい私を見て、喜びますの。」
「わかった。
では、カサンドラ王女を彼女にふさわしい地下牢へご案内してやって。」
「御意。」
セオドロスがそう言うと、近衛騎士達は両脇からカサンドラ王女を捕まえて、そのまま引きずるように、喚く王女を連れ去った。
カサンドラ王女が去った王の間では、セオドロスとモーガンが話している。
「レオナが弟思いなのを利用して、無理矢理王女のフリをさせるとは、カサンドラ王女は噂通りの酷い女だったな。
それが悪いとも思っていない。
一緒の空気を吸うだけで、ぞっとする。」
「そうですね。
あれだけ毒を撒き散らすような王女が妃になったら、大変なことになります。
セオドロス様、女ならば誰でもいいは、絶対にダメです。」
「ああ、わかっている。
今となっては、レオナしか考えられない。
だから、もう大丈夫だ。
それにしても、予想外のカサンドラ王女の訪問で、レオナの今までの不可解な行動の謎が解けた。
レオナは、この王国から何とかして逃げようと、策を練っていたんだな。」
セオドロスとモーガンの前に、早馬で駆けつけた泥まみれのネイサンが、ふらつく足取りでひざまづく。
「セオドロス陛下、ご報告がございます。
レオナ王女の乗った馬車が、土砂崩れに遭いまして、ただ今行方不明です。
土砂ごと崖に落ちて行ったと思われます。
私は、その前の土砂を片付けていて、巻き込まれずに済みましたが、レオナ王女とミゲルの行方が掴めず、捜索しておりました。
ですが、夜になり松明で照らしても崖の下まで光が届かず、明日の朝まで、捜索は打ち切りになり、私は報告に参りました。
レオナ王女を守れず、申し訳ありません。」
ネイサンは泥だらけで、一人で立ち上がれないほどに憔悴しており、悔し涙を流している。
「お前の役目はここまでだ。
後は任せてよい。」
そう言うと、近衛騎士達は、ネイサンを連れて辞した。
「モーガン行くぞ。」
「はい。」
セオドロスは、カサンドラ王女の話に衝撃を受けたが、それよりも行方不明になってしまったレオナを案じていた。
セオドロスを乗せた軍馬は、月明かりを頼りに道を駆け続け、土砂崩れ現場にたどり着いた。
だが、土砂が流れた崖は急勾配で、下を覗いても、ネイサンが言っていたように暗くてほとんど見えない。
口には出さないがこの下で、とても命が助かっているとは思えなかった。
けれども、セオドロスは諦めきれず、崖を下ろうと足を踏み出す。
「セオドロス様、お気持ちはわかりますけれど、おやめください。
ここを進めば、セオドロス様も土砂に巻き込まれてしまいます。
日の出と共に再び参りましょう。
今は堪えてください。」
モーガンの説得に、セオドロスは諦めるしかなかった。
自分の身には、王国全体の未来がかかっている。
この国の王として、ここで自分も遭難し、命を失うわけにはいかない。
「わかったよ。
でも、こんなに王であることが嫌だと思ったことはない。
ただの自分だったら、レオナをすぐにでも救出に向かうのに。」
セオドロスは、崖下を見つめた。
この判断が、レオナの命に関わるとしても、動くことができない。
セオドロス達は近くの宿で、日の出まで、時間を潰すことにした。
そして、日の出前に腹ごしらえして、出発しようとしていると、宿に早馬が到着する。
「セオドロス陛下、レオナ王女様が近くの治療院にいると、報告がありました。」
「何だって?」
「まだ、詳しい状況はわからないそうです。
昼間訪問した治療院です。」
「わかった。
すぐに向かう。」
セオドロスは、風を切るように軍馬を走らせ、治療院にたどり着いた。
「セオドロス陛下こちらです。」
医師が案内した先には、汚れて傷だらけな上、青白い顔をしてベッドに横たわるレオナ王女がいる。
「レオナ。」
声をかけるが、レオナは眼を覚まさない。
頬を触るとひんやりとしている。
「レオナは、大丈夫なのか?」
「まだはっきりわかりませんが、大きな傷はなく、極度の疲労のため意識を失ったと思われます。
レオナ王女様は、足に傷のある少年を背負われて、土砂崩れ現場から、ここまで歩いて来たと思われます。」
「あの距離を?」
「はい、普通に歩くだけでも、か弱い御身では大変な距離です。
なのに、少年を、背負われて。
一人でここまでなんて。
さぞかし大変だったと思われます。」
「そうだな。
レオナは頑張ったんだな。」
セオドロスは、横たわるレオナの頭を撫でる。
少年を助けようと必死に歩くレオナの姿が、目に浮かぶ。
レオナなら、そのような子供を見つけたら、無理をしてでも、助けようとするだろう。
レオナは、私と同じように民のことを案じている。
そう言う女性だ。
セオドロスは、眼を覚まさないレオナを見つめる。
レオナが生きていて、本当に良かった。
そして、一連のことから、レオナがこの王国に来てから、何をしようとして、何に悩みながら過ごして来たか、セオドロスは理解した。
そうか、レオナは弟を守るために、一人でこの国に来たんだな。
そして、押しつけられた結婚から逃げるために、王宮を探索したり、王都の施設をまわったりしていた。
それでも、王宮の警備は強固だし、王宮の外で逃げれば、護衛していた者達に迷惑をかけてしまう。
だから、この国の者達を知れば知るほど、悩みは深くなっていたんだな。
今回やっと逃げ出す機会があったのに、子供を放っておくことができなかった。
その判断は、どこまでもレオナらしい。
でも、君は間違っている。
お父様が言っていた通り、王宮の豪華さ、使用人の数、お仕着せの布地に至るまでバイアット王国の方が豪華だわ。
明らかにこちらの国の方が富んでいると、カサンドラ王女は確信した。
きっとここの王妃になった方が、沢山贅沢ができる。
この王国は、私の物よ。
そう思ってセオドロス陛下との面会を待っていた。
「カサンドラ王女待たせたな。
何の用だ。」
カサンドラ王女は威勢よく、王宮まで乗り込んで来たのに、セオドロスの眼を見て、たじろいでいる。
ああ、そうだった。
レオナも最初はこのように怯えた顔をしていたな。
イワノフ王国では、よっぽど私のことは、恐れられているらしい。
カサンドラ王女を目の前にしても、考えるのは、レオナのことだった。
「セオドロス陛下、私お伝えしたいことがありまして、参りましたの。
レオナの出生に関することですわ。
この話を聞いたら、セオドロス陛下の妃には、私がふさわしいと、ご理解いただけると思いますわ。」
「どんな理由でカサンドラ王女の方が相応しいと?
とりあえず聞こうか。」
「レオナから聞いていないと思いますが、実は彼女は、イワノフ王の血を分けた娘ではないのですわ。
本当はただの男爵令嬢なのです。」
「何だって。
どうして、そんなことが?」
「お恥ずかしい話ですが、当初私がセオドロス陛下のことを誤解しておりまして、レオナにイワノフ王の娘のふりを命じましたの。」
「レオナは、どうしてそれに従ったんだ?」
「レオナには、弟がおりまして、その者を処刑すると脅すと、あっさり言うことを聞きまして。」
「なるほど。
だから、レオナは王女じゃないから、私に相応しくないと。」
「はい、その通りです。
セオドロス陛下には、私のような洗練された本物の王女こそがふさわしいのです。」
「なるほど。
では、どうして今更、そのことを私に伝える気になったのだ?」
「それは、バイアット王国の方が豊かだと知ったからですわ。
豊かな王国には、私のような高貴な者がふさわしいでしょう。
私は、レオナよりも美女ですから、豪華なドレスが似合いますし、この身体で、セオドロス陛下を満足させることもできますわ。
民達も美しい私を見て、喜びますの。」
「わかった。
では、カサンドラ王女を彼女にふさわしい地下牢へご案内してやって。」
「御意。」
セオドロスがそう言うと、近衛騎士達は両脇からカサンドラ王女を捕まえて、そのまま引きずるように、喚く王女を連れ去った。
カサンドラ王女が去った王の間では、セオドロスとモーガンが話している。
「レオナが弟思いなのを利用して、無理矢理王女のフリをさせるとは、カサンドラ王女は噂通りの酷い女だったな。
それが悪いとも思っていない。
一緒の空気を吸うだけで、ぞっとする。」
「そうですね。
あれだけ毒を撒き散らすような王女が妃になったら、大変なことになります。
セオドロス様、女ならば誰でもいいは、絶対にダメです。」
「ああ、わかっている。
今となっては、レオナしか考えられない。
だから、もう大丈夫だ。
それにしても、予想外のカサンドラ王女の訪問で、レオナの今までの不可解な行動の謎が解けた。
レオナは、この王国から何とかして逃げようと、策を練っていたんだな。」
セオドロスとモーガンの前に、早馬で駆けつけた泥まみれのネイサンが、ふらつく足取りでひざまづく。
「セオドロス陛下、ご報告がございます。
レオナ王女の乗った馬車が、土砂崩れに遭いまして、ただ今行方不明です。
土砂ごと崖に落ちて行ったと思われます。
私は、その前の土砂を片付けていて、巻き込まれずに済みましたが、レオナ王女とミゲルの行方が掴めず、捜索しておりました。
ですが、夜になり松明で照らしても崖の下まで光が届かず、明日の朝まで、捜索は打ち切りになり、私は報告に参りました。
レオナ王女を守れず、申し訳ありません。」
ネイサンは泥だらけで、一人で立ち上がれないほどに憔悴しており、悔し涙を流している。
「お前の役目はここまでだ。
後は任せてよい。」
そう言うと、近衛騎士達は、ネイサンを連れて辞した。
「モーガン行くぞ。」
「はい。」
セオドロスは、カサンドラ王女の話に衝撃を受けたが、それよりも行方不明になってしまったレオナを案じていた。
セオドロスを乗せた軍馬は、月明かりを頼りに道を駆け続け、土砂崩れ現場にたどり着いた。
だが、土砂が流れた崖は急勾配で、下を覗いても、ネイサンが言っていたように暗くてほとんど見えない。
口には出さないがこの下で、とても命が助かっているとは思えなかった。
けれども、セオドロスは諦めきれず、崖を下ろうと足を踏み出す。
「セオドロス様、お気持ちはわかりますけれど、おやめください。
ここを進めば、セオドロス様も土砂に巻き込まれてしまいます。
日の出と共に再び参りましょう。
今は堪えてください。」
モーガンの説得に、セオドロスは諦めるしかなかった。
自分の身には、王国全体の未来がかかっている。
この国の王として、ここで自分も遭難し、命を失うわけにはいかない。
「わかったよ。
でも、こんなに王であることが嫌だと思ったことはない。
ただの自分だったら、レオナをすぐにでも救出に向かうのに。」
セオドロスは、崖下を見つめた。
この判断が、レオナの命に関わるとしても、動くことができない。
セオドロス達は近くの宿で、日の出まで、時間を潰すことにした。
そして、日の出前に腹ごしらえして、出発しようとしていると、宿に早馬が到着する。
「セオドロス陛下、レオナ王女様が近くの治療院にいると、報告がありました。」
「何だって?」
「まだ、詳しい状況はわからないそうです。
昼間訪問した治療院です。」
「わかった。
すぐに向かう。」
セオドロスは、風を切るように軍馬を走らせ、治療院にたどり着いた。
「セオドロス陛下こちらです。」
医師が案内した先には、汚れて傷だらけな上、青白い顔をしてベッドに横たわるレオナ王女がいる。
「レオナ。」
声をかけるが、レオナは眼を覚まさない。
頬を触るとひんやりとしている。
「レオナは、大丈夫なのか?」
「まだはっきりわかりませんが、大きな傷はなく、極度の疲労のため意識を失ったと思われます。
レオナ王女様は、足に傷のある少年を背負われて、土砂崩れ現場から、ここまで歩いて来たと思われます。」
「あの距離を?」
「はい、普通に歩くだけでも、か弱い御身では大変な距離です。
なのに、少年を、背負われて。
一人でここまでなんて。
さぞかし大変だったと思われます。」
「そうだな。
レオナは頑張ったんだな。」
セオドロスは、横たわるレオナの頭を撫でる。
少年を助けようと必死に歩くレオナの姿が、目に浮かぶ。
レオナなら、そのような子供を見つけたら、無理をしてでも、助けようとするだろう。
レオナは、私と同じように民のことを案じている。
そう言う女性だ。
セオドロスは、眼を覚まさないレオナを見つめる。
レオナが生きていて、本当に良かった。
そして、一連のことから、レオナがこの王国に来てから、何をしようとして、何に悩みながら過ごして来たか、セオドロスは理解した。
そうか、レオナは弟を守るために、一人でこの国に来たんだな。
そして、押しつけられた結婚から逃げるために、王宮を探索したり、王都の施設をまわったりしていた。
それでも、王宮の警備は強固だし、王宮の外で逃げれば、護衛していた者達に迷惑をかけてしまう。
だから、この国の者達を知れば知るほど、悩みは深くなっていたんだな。
今回やっと逃げ出す機会があったのに、子供を放っておくことができなかった。
その判断は、どこまでもレオナらしい。
でも、君は間違っている。
13
お気に入りに追加
62
あなたにおすすめの小説
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。

【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
21時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?

逃げた先の廃墟の教会で、せめてもの恩返しにお掃除やお祈りをしました。ある日、御祭神であるミニ龍様がご降臨し加護をいただいてしまいました。
下菊みこと
恋愛
主人公がある事情から逃げた先の廃墟の教会で、ある日、降臨した神から加護を貰うお話。
そして、その加護を使い助けた相手に求婚されるお話…?
基本はほのぼのしたハッピーエンドです。ざまぁは描写していません。ただ、主人公の境遇もヒーローの境遇もドアマット系です。
小説家になろう様でも投稿しています。

顔に痣のある私を迎え入れてくれたのは、成金で視力がものすごく悪い夫でした。
下菊みこと
恋愛
顔に痣のある女性が、視力の悪い夫と結婚して幸せになるだけ。
ルーヴルナは生まれつき顔に痣がある。しかし家族に恵まれて幸せに生きてきた。結婚は諦めて事務仕事を手伝ってお小遣いを貯めていたが、そんなルーヴルナにも縁談が持ち込まれた。
小説家になろう様でも投稿しています。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
あなたのそばにいられるなら、卒業試験に落ちても構いません! そう思っていたのに、いきなり永久就職決定からの溺愛って、そんなのありですか?
石河 翠
恋愛
騎士を養成する騎士訓練校の卒業試験で、不合格になり続けている少女カレン。彼女が卒業試験でわざと失敗するのには、理由があった。 彼女は、教官である美貌の騎士フィリップに恋をしているのだ。
本当は料理が得意な彼女だが、「料理音痴」と笑われてもフィリップのそばにいたいと願っている。
ところがカレンはフィリップから、次の卒業試験で不合格になったら、騎士になる資格を永久に失うと告げられる。このままでは見知らぬ男に嫁がされてしまうと慌てる彼女。
本来の実力を発揮したカレンはだが、卒業試験当日、思いもよらない事実を知らされることになる。毛嫌いしていた見知らぬ婚約者の正体は実は……。
大好きなひとのために突き進むちょっと思い込みの激しい主人公と、なぜか主人公に思いが伝わらないまま外堀を必死で埋め続けるヒーロー。両片想いですれ違うふたりの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

愛され女は、秘されたギフトを惜しまない
月山 歩
恋愛
アリスは適職がわかるギフトがある。それを秘密にしつつ、孤児院の子供達に使っている。幼馴染のレイモンドはそんな彼女の世話をやく。しかし、いつしかそのギフトは悪事を企む人々に知られることになり、彼女に危機が迫る。
幽閉された王子と愛する侍女
月山 歩
恋愛
私の愛する王子様が、王の暗殺の容疑をかけられて離宮に幽閉された。私は彼が心配で、王国の方針に逆らい、侍女の立場を捨て、彼の世話をしに駆けつける。嫌疑が晴れたら、私はもう王宮には、戻れない。それを知った王子は。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる