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1.身代わり
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「カサンドラ王女様、このたび、婚約されるバイアット王国の王は、残虐で、非道な方です。
カサンドラ王女様が嫁がれたら、いつ何時、酷い目にあうかわかりません。
なので、婚約してはなりません。」
「本当なの?
バイアットの王とは、それほどまでに酷い方なの。」
「はい、まだ国としても、それほど歴史がなく、成熟していない野蛮な国です。」
「怖いわぁ。」
「そして、国土は広いけれど、とても貧しいので、今のように煌びやかなドレスなども、揃えられないでしょう。」
「まぁ、そんなの耐えられないわ。
今でも、少ないと思っているのに、これ以下だと言うの?」
「はい、その通りです。」
王宮のカサンドラ王女の居室では、彼女の取り巻きと言われるニクラス公爵子息を筆頭とした独身貴族が数人彼女を取り囲んでいる。
そして、カサンドラ王女がバイオット王国に嫁いでしまわないように説得している。
カサンドラ王女は、イワノフ王国の美女ともてはやされている王女で、豊満な胸元を強調するドレスを好んで着ている。
そして、それを武器に子息達を侍らせている。
王妃亡き後は、イワノフ王に甘やかされて育ち、いつも周りに美丈夫な貴族男性達を侍らせるのが、お気に入りだ。
どんな我儘だって、困り顔と胸元を男性に押し付ければ、皆うなづいてくれるのだ。
「でも、お父様はバイアット王国の鉱物資源欲しさに友好の証として、私に婚姻しろと言うのよ。」
「でしたら、カサンドラ様でなくてもいいではありませんか?
代役を立てれば。
例えば、妾に産ませた王女がもう一人いたと言うことにすれば、誰だっていいでしょう。」
ニクラス公爵子息は、カサンドラ王女が簡単に操り易いことを知っていて、あえて自分の思い通りにするために、この王国にいさせておこうと考えている。
「そうね。
王女ならば、それでいいのかもしれないわ。
例えば、レオナとか、どうかしら?」
カサンドラ王女は、付き添いをしている私を指刺した。
「なるほど、レオナ嬢はちょうどいいかもしれないですね。
程よく、美人でもありますから。
カサンドラ王女ほどでは、ありませんが。」
そう言って、ニクラス公爵子息は、私をしげしげと見る。
「あら、ニクラスは、レオナを美人だと言うの?
気に入らないわ。
レオナ、私の代わりにバイアット王国に嫁ぎなさい。
これは、命令よ。
もし、本当は、王家の血を引いていないとバラしたら、レオナの弟の命はないと思いなさい。」
「そんな、私には、無理です。
王女と偽るなんて。」
「弟がどうなってもいいの?
レオナだって、貴族の端くれなんだから、政略結婚は当たり前でしょ?
そうと決まれば、お父様を説得に行って参りますわ。」
そう言って、カサンドラ王女はイワノフ王に会いに向かい、部屋を後にする。
その姿を見て、ニクラス公爵子息は、またもや自分の思い通りにカサンドラ王女が動いたことが嬉しく、ニヤつく。
レオナは、部屋を出て行ってしまったカサンドラ王女に、なすすべなく立ちすくんだ。
信じられない。
大変なことに巻き込まれてしまった。
私が他国に嫁ぐ王女の代わりをするだなんて。
私は、男爵令嬢だけど、両親を事故で亡くし、領地収入もないため、自分の力で弟サイラスを養育する必要があった。
そのために、男爵令嬢と言う立場を利用して、カサンドラ王女に支え、お給金をいただいていた。
王女に支える高位の付き添いは、貴族令嬢であることが、求められる。
普通は、花嫁修行の一環として、行っている令嬢がほとんどだが、私の場合は、給金目的だった。
なので、仕方なく我儘なカサンドラ王女に耐え、支えている。
ほとんどの令嬢は、横暴なカサンドラ王女を嫌がり、すぐに去って行くのだが、皆に嫌がられているだけあって、カサンドラ王女を支える仕事は、お給金が高いため、我慢していた。
彼女が嫁いだら、給金は下がるが、王宮内の別の仕事をする予定になっていた。
弟のサイラスは賢く、医師を目指している。
なので私は、その学院の学費を稼ぐために、せめてサイラスが学院を修了する半年後までは、王宮で頑張るつもりだった。
それが、こんなことになるとは。
カサンドラ王女もそうだが、いらないことを言うニクラス公爵子息にも、腹が立つ。
でも、こうなってしまえば、私には逃げ道はなかった。
サイラスはいわば人質で、カサンドラ王女は、私がサイラスのためであれば、言うことを聞くことを熟知している。
カサンドラ王女は、イワノフ王を説得して、私を代役に仕立て上げることに成功した。
なのでその日から、私は王宮の一室をあてがわれて、軟禁状態にされている。
そして、レオナが元からいた王女で、カサンドラ王女が妾の産んだ秘された王女と言うことになった。
王にとっても、鉱山の権利が欲しいからと、たった一人の大切な王女をバイアット王国に嫁がせるよりも、どうでもいい娘を代役に仕立て上げるのはいい方法だった。
こうして私は、デタラメな理由で、イワノフ王国のレオナ王女として、正式にバイアット王国に嫁ぐことが、決定した。
「サイラス、王宮まで、わざわざ来てもらってごめんなさい。
手紙に書いた通りよ。」
「姉さん。
こんなことって…。」
王宮に軟禁された私は、すぐに手紙を書いて、サイラスを呼び出した。
私にあてがわれた居室で、サイラスとしばしの別れをするつもりだ。
「私が、カサンドラ王女の身代わりにバイアット王国へ行くわ。
サイラスは心配しないで、このまま勉学を最後まで続けて。
そして、半年して学院を修了したら、どこかに逃げて欲しいの。
そしてそこで、ひっそりと医師になって、私を待って。
サイラスが逃げた先に、私も逃げるから、そこで合流しましょう。」
「でも、その前に王に身代わりだと知られたら、姉さんはどうなるの?」
「わからないわ。
バイアットの王は、残虐非道な人だと、ニクラス公爵子息達が、カサンドラ王女に言っていたから、多分私は、逆鱗に触れて、処刑されてしまうわ。
でも、半年は何とかバイアットで頑張るから、大丈夫よ。
それに、婚約期間は一年あるから、それまでは、結婚もないから。」
「半年も姉さんが、王のそばで危険な思いをして生きるなんて、心配で僕は耐えられないよ。
姉さん、このまま二人で逃げよう。
医師はもう諦めるよ。」
「ダメよ。
私は大丈夫だから、医師の勉学を最後までして。
それに今は、王宮に軟禁されているから、ここから逃げられない。
捕まったら、サイラスもこの国で、処刑されてしまう。
半年経って、それぞれ一人ずつ逃げる方が、今よりは目立たないし、またいつか会える日が来るわ。
私はその可能性に賭けたいの。
サイラス、わかって。」
「姉さん、わかったよ。
それまで、なるべく王を刺激しないようにするんだよ。
姉さんは、真面目でつい助言してしまうだろ?
絶対ダメだからね。」
「わかったわ。
半年後、無事にサイラスが逃げたら、手紙をちょうだい。
いる場所だけ書いて。
そしたら、私もバイアット王国の王宮から脱走するから。
そしてサイラスがいる所へ向かうわ。
そこにたどり着くまでに、時間がかかるかもしれないけど、いつか会いましょう。」
「姉さん。
信じてるよ。
気をつけてね。」
そう言い残してサイラスは、学院の宿舎に戻って行った。
とりあえず、サイラスの説得はできた。
何があったとしても、サイラスを逃すのが、先だ。
もし、私が命を落としても、サイラスを守ったと言う自負が残る。
とは言え、サイラスのためにも、私は生きることを諦めない。
私達は今まで二人きりで、どんなことでも乗り越えて来たんだもの。
今回だって、乗り越えてみせる。
バイアットの王がどんな人でも、サイラスのことを思えば、私は頑張れる。
翌日、決意を新たに王家の馬車に乗り、私はバイアット王国へ旅立った。
カサンドラ王女様が嫁がれたら、いつ何時、酷い目にあうかわかりません。
なので、婚約してはなりません。」
「本当なの?
バイアットの王とは、それほどまでに酷い方なの。」
「はい、まだ国としても、それほど歴史がなく、成熟していない野蛮な国です。」
「怖いわぁ。」
「そして、国土は広いけれど、とても貧しいので、今のように煌びやかなドレスなども、揃えられないでしょう。」
「まぁ、そんなの耐えられないわ。
今でも、少ないと思っているのに、これ以下だと言うの?」
「はい、その通りです。」
王宮のカサンドラ王女の居室では、彼女の取り巻きと言われるニクラス公爵子息を筆頭とした独身貴族が数人彼女を取り囲んでいる。
そして、カサンドラ王女がバイオット王国に嫁いでしまわないように説得している。
カサンドラ王女は、イワノフ王国の美女ともてはやされている王女で、豊満な胸元を強調するドレスを好んで着ている。
そして、それを武器に子息達を侍らせている。
王妃亡き後は、イワノフ王に甘やかされて育ち、いつも周りに美丈夫な貴族男性達を侍らせるのが、お気に入りだ。
どんな我儘だって、困り顔と胸元を男性に押し付ければ、皆うなづいてくれるのだ。
「でも、お父様はバイアット王国の鉱物資源欲しさに友好の証として、私に婚姻しろと言うのよ。」
「でしたら、カサンドラ様でなくてもいいではありませんか?
代役を立てれば。
例えば、妾に産ませた王女がもう一人いたと言うことにすれば、誰だっていいでしょう。」
ニクラス公爵子息は、カサンドラ王女が簡単に操り易いことを知っていて、あえて自分の思い通りにするために、この王国にいさせておこうと考えている。
「そうね。
王女ならば、それでいいのかもしれないわ。
例えば、レオナとか、どうかしら?」
カサンドラ王女は、付き添いをしている私を指刺した。
「なるほど、レオナ嬢はちょうどいいかもしれないですね。
程よく、美人でもありますから。
カサンドラ王女ほどでは、ありませんが。」
そう言って、ニクラス公爵子息は、私をしげしげと見る。
「あら、ニクラスは、レオナを美人だと言うの?
気に入らないわ。
レオナ、私の代わりにバイアット王国に嫁ぎなさい。
これは、命令よ。
もし、本当は、王家の血を引いていないとバラしたら、レオナの弟の命はないと思いなさい。」
「そんな、私には、無理です。
王女と偽るなんて。」
「弟がどうなってもいいの?
レオナだって、貴族の端くれなんだから、政略結婚は当たり前でしょ?
そうと決まれば、お父様を説得に行って参りますわ。」
そう言って、カサンドラ王女はイワノフ王に会いに向かい、部屋を後にする。
その姿を見て、ニクラス公爵子息は、またもや自分の思い通りにカサンドラ王女が動いたことが嬉しく、ニヤつく。
レオナは、部屋を出て行ってしまったカサンドラ王女に、なすすべなく立ちすくんだ。
信じられない。
大変なことに巻き込まれてしまった。
私が他国に嫁ぐ王女の代わりをするだなんて。
私は、男爵令嬢だけど、両親を事故で亡くし、領地収入もないため、自分の力で弟サイラスを養育する必要があった。
そのために、男爵令嬢と言う立場を利用して、カサンドラ王女に支え、お給金をいただいていた。
王女に支える高位の付き添いは、貴族令嬢であることが、求められる。
普通は、花嫁修行の一環として、行っている令嬢がほとんどだが、私の場合は、給金目的だった。
なので、仕方なく我儘なカサンドラ王女に耐え、支えている。
ほとんどの令嬢は、横暴なカサンドラ王女を嫌がり、すぐに去って行くのだが、皆に嫌がられているだけあって、カサンドラ王女を支える仕事は、お給金が高いため、我慢していた。
彼女が嫁いだら、給金は下がるが、王宮内の別の仕事をする予定になっていた。
弟のサイラスは賢く、医師を目指している。
なので私は、その学院の学費を稼ぐために、せめてサイラスが学院を修了する半年後までは、王宮で頑張るつもりだった。
それが、こんなことになるとは。
カサンドラ王女もそうだが、いらないことを言うニクラス公爵子息にも、腹が立つ。
でも、こうなってしまえば、私には逃げ道はなかった。
サイラスはいわば人質で、カサンドラ王女は、私がサイラスのためであれば、言うことを聞くことを熟知している。
カサンドラ王女は、イワノフ王を説得して、私を代役に仕立て上げることに成功した。
なのでその日から、私は王宮の一室をあてがわれて、軟禁状態にされている。
そして、レオナが元からいた王女で、カサンドラ王女が妾の産んだ秘された王女と言うことになった。
王にとっても、鉱山の権利が欲しいからと、たった一人の大切な王女をバイアット王国に嫁がせるよりも、どうでもいい娘を代役に仕立て上げるのはいい方法だった。
こうして私は、デタラメな理由で、イワノフ王国のレオナ王女として、正式にバイアット王国に嫁ぐことが、決定した。
「サイラス、王宮まで、わざわざ来てもらってごめんなさい。
手紙に書いた通りよ。」
「姉さん。
こんなことって…。」
王宮に軟禁された私は、すぐに手紙を書いて、サイラスを呼び出した。
私にあてがわれた居室で、サイラスとしばしの別れをするつもりだ。
「私が、カサンドラ王女の身代わりにバイアット王国へ行くわ。
サイラスは心配しないで、このまま勉学を最後まで続けて。
そして、半年して学院を修了したら、どこかに逃げて欲しいの。
そしてそこで、ひっそりと医師になって、私を待って。
サイラスが逃げた先に、私も逃げるから、そこで合流しましょう。」
「でも、その前に王に身代わりだと知られたら、姉さんはどうなるの?」
「わからないわ。
バイアットの王は、残虐非道な人だと、ニクラス公爵子息達が、カサンドラ王女に言っていたから、多分私は、逆鱗に触れて、処刑されてしまうわ。
でも、半年は何とかバイアットで頑張るから、大丈夫よ。
それに、婚約期間は一年あるから、それまでは、結婚もないから。」
「半年も姉さんが、王のそばで危険な思いをして生きるなんて、心配で僕は耐えられないよ。
姉さん、このまま二人で逃げよう。
医師はもう諦めるよ。」
「ダメよ。
私は大丈夫だから、医師の勉学を最後までして。
それに今は、王宮に軟禁されているから、ここから逃げられない。
捕まったら、サイラスもこの国で、処刑されてしまう。
半年経って、それぞれ一人ずつ逃げる方が、今よりは目立たないし、またいつか会える日が来るわ。
私はその可能性に賭けたいの。
サイラス、わかって。」
「姉さん、わかったよ。
それまで、なるべく王を刺激しないようにするんだよ。
姉さんは、真面目でつい助言してしまうだろ?
絶対ダメだからね。」
「わかったわ。
半年後、無事にサイラスが逃げたら、手紙をちょうだい。
いる場所だけ書いて。
そしたら、私もバイアット王国の王宮から脱走するから。
そしてサイラスがいる所へ向かうわ。
そこにたどり着くまでに、時間がかかるかもしれないけど、いつか会いましょう。」
「姉さん。
信じてるよ。
気をつけてね。」
そう言い残してサイラスは、学院の宿舎に戻って行った。
とりあえず、サイラスの説得はできた。
何があったとしても、サイラスを逃すのが、先だ。
もし、私が命を落としても、サイラスを守ったと言う自負が残る。
とは言え、サイラスのためにも、私は生きることを諦めない。
私達は今まで二人きりで、どんなことでも乗り越えて来たんだもの。
今回だって、乗り越えてみせる。
バイアットの王がどんな人でも、サイラスのことを思えば、私は頑張れる。
翌日、決意を新たに王家の馬車に乗り、私はバイアット王国へ旅立った。
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