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11.幼馴染
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「これ、どう言う状況?」
ある日の昼下がり、ナイジェルはソニアと言う幼馴染とお茶屋さんで、お茶を楽しんでいた。
彼女はピンク色の瞳の可愛らしい女性だ。
すると、窓の外からこちらをチラチラ覗くコーデリアとユリウス王子がみえる。
あれは、隠れながら、中を覗いているつもりか?
二人は一体何しているんだか。
その後、馬車でソニアを送り、邸の前までエスコートをするとコーデリアとユリウス王子とその影まで、団体が門の陰から僕らをのぞいている。
僕はいたたまれず小声で、
「ソニアすまない。
何故かこう言うことになっている。」
「面白いわね。
もしかしたら、みんなは私達が不貞をしているのかと思っているんじゃない?」
「そうだとして、隠れているつもりなのか?
アレは。」
「そうじゃない?」
「楽しい人と結婚したとは、聞いていたけど。
うふふ。」
「まぁ、いい。
そっちは少しでもよくなればいいね。」
「そうね。
今日は、ありがとう。」
彼女は邸に入り、僕は待たせていた馬車に一人乗り、とりあえず、邸に戻った。
そして、エントランスホールで、隠れようと焦った顔をする二人を捕まえた。
「ねぇ、どう言うつもり?
恥ずかしいんだけども。」
二人はいざナイジェルと向き合うとしゅんとしながら、顔を見合わせて、何も言わない。
「じゃ、ユリウス王子は悪いが自室に、コーデリアはこっちにおいで。」
ナイジェルは、二人を引き離して、まずは夫婦二人きりでゆっくり話そうと、コーデリアを寝室に手を繋いで連れて行く。
ベッドに俯くコーデリアを座らせて、再度下から顔を覗くように尋ねる。
「僕の後つけてたよね。」
「ごめんなさい。
見なかったことにするから、この話はもうやめて。」
コーデリアは顔を背けたまま俯き、目に涙を浮かべている。
らしくない。
コーデリアは王妃様にだって、言いたいことをはっきり意見するのに。
「ねぇ、僕が不貞をしているとか思っているんでしょ?」
「やめて、もういい。」
コーデリアは完全に顔を伏せて、僕との会話を拒んでいる。
僕はコーデリアが会話をこんなに嫌がっているのは、初めて見るが、僕だって、妻に不貞をしていると誤解されたままでいいはずはない。
「僕は話したい。
僕達は君が考えているのとは、違うんだ。」
すると、コーデリアは少しだけ、会話に応じる気になったのか、顔を上げた。
「私、知ってるの。
あの人、サネルマ叔母さんの娘さんでしょ。
ナイジェルと幼馴染で、結婚しようと思っていた人でしょ。」
「そうだ。」
「でも、あの人は、好きな人ができて、ナイジェルとは結婚しなかった。
でも、好きなんでしょ。
ずっと。」
そう言うと、コーデリアは眼に涙を浮かべ、再び俯く。
そして、涙を堪えているように、肩が震えている。
でも僕は、コーデリアを追い詰めるような悪いことは断じてしていない。
「ちょっと待って。
最後だけ、違うよ。
僕は彼女のこと、友人として、好きだけど、
それだけだよ。」
「本当?
ならどうして、二人だけで会ってるの?
誤解だと言うなら、旦那さんも一緒に紹介してよ。」
「それは、無理なんだ。
君を紹介しなかったのも、彼女を思いやってのことなんだ。」
「私より、彼女が大切ってこと?」
コーデリアはつらそうな表情をする。
「そうじゃない。
彼女の夫は事故で寝たきりなんだ。
だから、彼女はずっとその夫を看病しているんだ。
今回会っていたのは、旦那さんにも効く可能性のあるお茶があるかもしれないから、彼女にこの前のお茶屋さんを紹介していたんだ。
君が見たのは、その帰りだよ。
彼女は、同じ年頃の女性とは会いたがらないんだ。
夫の世話が大変だからと、女同士だと気の毒そうにされ、どんなに大丈夫だと言っても、結局は次回からお茶会に呼ばれなくなる。
その繰り返しだから、人と知り合うのが、逆にしんどいんだそうだ。
その時は、わかっている顔をするくせに、夫の世話をしていたって、気分転換したいと思う気持ちをどうやっても、理解してもらえないということだからね。
僕はその点では、幼馴染だから、全然気を使わなくて済むしね。
だから、決して君が思っているような男女の関係ではない。」
「本当?
信じていいの?」
「ああ、君に先に伝えていなくて、悪かった。
勝手に、君はそう言うのを気にしない人だと思っていたんだ。
君はいつも明るいし、誰ともすぐに打ち解けれる人だから。
君は男性とだって、気にしないで話すだろう?
じゃあ、逆に僕だって、女性と話していても、君は気にしないと思っていたよ。
それにしても、ソニアのことよく知っていたね。」
「サネルマ叔母さんに、以前から聞いていたの。
甥っ子が結婚しないのは、ソニアさんのことをずっと好きで、引きずっているからじゃないかって。」
「そうか、そう見えるか。
僕は他に付き合っていた人もいないしね。
ただ単に、ありきたりな令嬢には、興味がなかっただけだよ。
それにしても、君は何でも僕と話し合う人なのに、彼女のことを話したくないって言われたのは、不思議だったよ。」
「もし、ナイジェルに付き合っている他の女性がいたとしても、知らないふりしたら、このままナイジェルと別れずに済むのにって思ったの。
私にとっては、ナイジェルは私がどんなに失敗しても、一緒に笑ってくれる唯一の人なの。
だから、笑顔で笑い会う二人を陰から見ていても、二人の間に入って行かないで、知らなかったことにするつもりだったの。
あなたを失いたくなくて。
今までは失敗すると、できないやつだと怒る人もいたわ。
なのにナイジェルは、失敗した話すら、興味深く聞いてくれる。
私の話を一緒に笑ってくれるあなたと二人の時は、とても居心地が良くて、安心していられる。
だから、いつの間にか、ナイジェルのことがすごく好きで、ナイジェルと絶対に別れたくないって思っているの。
そのためなら、別れに繋がる嫌なことは何も知りたくないと思うほどに好きになったの。」
そう言って、コーデリアはナイジェルを見つめ、涙ぐむ。
ナイジェルは自分と別れたくないと涙ぐむコーデリアの可愛らしさが堪らなくなって、彼女を抱きしめ、キスをした。
「大丈夫だよ。
僕は君だけをずっと愛してるし、一生離さないから。
安心して。」
抱きしめて耳元でそう告げると、コーデリアは顔を赤らめ、やっといつもの笑顔を取り戻した。
僕は親切で温かい君と出会えて、本当に幸せだと思っているし、気づいたら、彼女をとても愛してる。
もう、彼女なしのつまらない人生には、二度と戻りたくないと思っているんだよ。
そして、君と出会ってから、らしくなく、人にお茶を紹介したりして、僕自身も人に親切にするのが、当たり前と言うか、抵抗なくしちゃってる自分に驚いたし、そんな自分も実は気に入っているんだ。
「僕達はこうして仲直りできたから、もう一人、悲壮な表情をしていた子を救済しに行こうか。
ユリウス王子も、君と同じ顔してたから。」
親に問題が起こると、子供は一緒に悲しくなる。
勘違いして落ち込むコーデリアと共にしていたのなら、彼だって、つらい思いをしているはずだ。
だから、彼も今頃自室で、一人落ち込んでるはずだから。
二人は手を繋ぎ、笑い合って、ユリウス王子の誤解を解くべく、彼の部屋に向かった。
ある日の昼下がり、ナイジェルはソニアと言う幼馴染とお茶屋さんで、お茶を楽しんでいた。
彼女はピンク色の瞳の可愛らしい女性だ。
すると、窓の外からこちらをチラチラ覗くコーデリアとユリウス王子がみえる。
あれは、隠れながら、中を覗いているつもりか?
二人は一体何しているんだか。
その後、馬車でソニアを送り、邸の前までエスコートをするとコーデリアとユリウス王子とその影まで、団体が門の陰から僕らをのぞいている。
僕はいたたまれず小声で、
「ソニアすまない。
何故かこう言うことになっている。」
「面白いわね。
もしかしたら、みんなは私達が不貞をしているのかと思っているんじゃない?」
「そうだとして、隠れているつもりなのか?
アレは。」
「そうじゃない?」
「楽しい人と結婚したとは、聞いていたけど。
うふふ。」
「まぁ、いい。
そっちは少しでもよくなればいいね。」
「そうね。
今日は、ありがとう。」
彼女は邸に入り、僕は待たせていた馬車に一人乗り、とりあえず、邸に戻った。
そして、エントランスホールで、隠れようと焦った顔をする二人を捕まえた。
「ねぇ、どう言うつもり?
恥ずかしいんだけども。」
二人はいざナイジェルと向き合うとしゅんとしながら、顔を見合わせて、何も言わない。
「じゃ、ユリウス王子は悪いが自室に、コーデリアはこっちにおいで。」
ナイジェルは、二人を引き離して、まずは夫婦二人きりでゆっくり話そうと、コーデリアを寝室に手を繋いで連れて行く。
ベッドに俯くコーデリアを座らせて、再度下から顔を覗くように尋ねる。
「僕の後つけてたよね。」
「ごめんなさい。
見なかったことにするから、この話はもうやめて。」
コーデリアは顔を背けたまま俯き、目に涙を浮かべている。
らしくない。
コーデリアは王妃様にだって、言いたいことをはっきり意見するのに。
「ねぇ、僕が不貞をしているとか思っているんでしょ?」
「やめて、もういい。」
コーデリアは完全に顔を伏せて、僕との会話を拒んでいる。
僕はコーデリアが会話をこんなに嫌がっているのは、初めて見るが、僕だって、妻に不貞をしていると誤解されたままでいいはずはない。
「僕は話したい。
僕達は君が考えているのとは、違うんだ。」
すると、コーデリアは少しだけ、会話に応じる気になったのか、顔を上げた。
「私、知ってるの。
あの人、サネルマ叔母さんの娘さんでしょ。
ナイジェルと幼馴染で、結婚しようと思っていた人でしょ。」
「そうだ。」
「でも、あの人は、好きな人ができて、ナイジェルとは結婚しなかった。
でも、好きなんでしょ。
ずっと。」
そう言うと、コーデリアは眼に涙を浮かべ、再び俯く。
そして、涙を堪えているように、肩が震えている。
でも僕は、コーデリアを追い詰めるような悪いことは断じてしていない。
「ちょっと待って。
最後だけ、違うよ。
僕は彼女のこと、友人として、好きだけど、
それだけだよ。」
「本当?
ならどうして、二人だけで会ってるの?
誤解だと言うなら、旦那さんも一緒に紹介してよ。」
「それは、無理なんだ。
君を紹介しなかったのも、彼女を思いやってのことなんだ。」
「私より、彼女が大切ってこと?」
コーデリアはつらそうな表情をする。
「そうじゃない。
彼女の夫は事故で寝たきりなんだ。
だから、彼女はずっとその夫を看病しているんだ。
今回会っていたのは、旦那さんにも効く可能性のあるお茶があるかもしれないから、彼女にこの前のお茶屋さんを紹介していたんだ。
君が見たのは、その帰りだよ。
彼女は、同じ年頃の女性とは会いたがらないんだ。
夫の世話が大変だからと、女同士だと気の毒そうにされ、どんなに大丈夫だと言っても、結局は次回からお茶会に呼ばれなくなる。
その繰り返しだから、人と知り合うのが、逆にしんどいんだそうだ。
その時は、わかっている顔をするくせに、夫の世話をしていたって、気分転換したいと思う気持ちをどうやっても、理解してもらえないということだからね。
僕はその点では、幼馴染だから、全然気を使わなくて済むしね。
だから、決して君が思っているような男女の関係ではない。」
「本当?
信じていいの?」
「ああ、君に先に伝えていなくて、悪かった。
勝手に、君はそう言うのを気にしない人だと思っていたんだ。
君はいつも明るいし、誰ともすぐに打ち解けれる人だから。
君は男性とだって、気にしないで話すだろう?
じゃあ、逆に僕だって、女性と話していても、君は気にしないと思っていたよ。
それにしても、ソニアのことよく知っていたね。」
「サネルマ叔母さんに、以前から聞いていたの。
甥っ子が結婚しないのは、ソニアさんのことをずっと好きで、引きずっているからじゃないかって。」
「そうか、そう見えるか。
僕は他に付き合っていた人もいないしね。
ただ単に、ありきたりな令嬢には、興味がなかっただけだよ。
それにしても、君は何でも僕と話し合う人なのに、彼女のことを話したくないって言われたのは、不思議だったよ。」
「もし、ナイジェルに付き合っている他の女性がいたとしても、知らないふりしたら、このままナイジェルと別れずに済むのにって思ったの。
私にとっては、ナイジェルは私がどんなに失敗しても、一緒に笑ってくれる唯一の人なの。
だから、笑顔で笑い会う二人を陰から見ていても、二人の間に入って行かないで、知らなかったことにするつもりだったの。
あなたを失いたくなくて。
今までは失敗すると、できないやつだと怒る人もいたわ。
なのにナイジェルは、失敗した話すら、興味深く聞いてくれる。
私の話を一緒に笑ってくれるあなたと二人の時は、とても居心地が良くて、安心していられる。
だから、いつの間にか、ナイジェルのことがすごく好きで、ナイジェルと絶対に別れたくないって思っているの。
そのためなら、別れに繋がる嫌なことは何も知りたくないと思うほどに好きになったの。」
そう言って、コーデリアはナイジェルを見つめ、涙ぐむ。
ナイジェルは自分と別れたくないと涙ぐむコーデリアの可愛らしさが堪らなくなって、彼女を抱きしめ、キスをした。
「大丈夫だよ。
僕は君だけをずっと愛してるし、一生離さないから。
安心して。」
抱きしめて耳元でそう告げると、コーデリアは顔を赤らめ、やっといつもの笑顔を取り戻した。
僕は親切で温かい君と出会えて、本当に幸せだと思っているし、気づいたら、彼女をとても愛してる。
もう、彼女なしのつまらない人生には、二度と戻りたくないと思っているんだよ。
そして、君と出会ってから、らしくなく、人にお茶を紹介したりして、僕自身も人に親切にするのが、当たり前と言うか、抵抗なくしちゃってる自分に驚いたし、そんな自分も実は気に入っているんだ。
「僕達はこうして仲直りできたから、もう一人、悲壮な表情をしていた子を救済しに行こうか。
ユリウス王子も、君と同じ顔してたから。」
親に問題が起こると、子供は一緒に悲しくなる。
勘違いして落ち込むコーデリアと共にしていたのなら、彼だって、つらい思いをしているはずだ。
だから、彼も今頃自室で、一人落ち込んでるはずだから。
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