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9.たっくんと付き合った話

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 幼馴染同士きちんとお付き合いしたのは、中学2年生の時だった。

 イチカとたっくんは毎日二人で帰る仲だったけど、ある日同じクラスの高島君に一緒に帰ろうと誘われた。

「イチカちゃん、今日は僕と一緒に帰ろう。」

 高島君はサッカー部の色黒ながっしり体型の男の子。

 たまたま、隣の席になって、イチカの好きなアニメが高島君も実は好きで、推しキャラの話で盛り上がる。

「それって、たっくんと三人ってこと?」

「違うよ。
 僕達二人だよ。」

「じゃ、たっくんに言っておくね。」

 たっくんと一緒に帰らない日は小中通してほとんどないけど、どちらからが用事がある時は別々に帰ることもあるから、休み時間に伝えた。

 そしたら、たっくんは悲しそうな顔をする。

 今まで別々に帰ることもあったのに、嫌だったかなぁ?

「高島君のこと好きなの?」

「えっ、別に。」

「じゃあ、やめて。」

 たっくんにはっきり拒否されたのは初めてだった。

「え、一緒に帰るだけだよ。」

「それがダメ。
 イチカちゃんは僕のだから。」

「たっくん、私ってたっくんのなの?」

「そうだよ。イチカちゃんは僕の。
 だから、誰にもあげない。」

「それって、付き合ってる?」

「そうだね。
 ちゃんと付き合おう。」

「付き合うって、好きだからってことだよね。」

「うん、僕イチカちゃんのことずっとすき。」

 たっくんすごく普通に言ってる。
 私は照れちゃうけど、たっくん当たり前の顔してる。

「じゃあ、高島君に一緒に帰れないって断るね。」

 こうして二人はあっさりと付き合った。
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