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7.たっくんと仲直り

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 次の日の帰りたっくんの教室の前で待ってると、たっくんが私に気づいて、やって来る。

「イチカちゃん、昨日はごめん。

 ありがとう、待っててくれたんだ。
 嬉しいな、あんなに怒ってたのに。」

「こっちこそ、ごめん。
 公園に寄って、お話ししよう。」

「うん。」

 そう言うとたっくんは目をウルウルさせている。

 たっくん、悪いのは私だよ。
 本当にごめん。

 公園に着くと二人で並んでブランコに乗って、しばらくゆらゆらして考えをまとめる。

「たっくん、バイトやめてって言ってごめんね。

 昨日ママから聞いたんだ。
 たっくんが団地の人達に弁当届けていること。
 たっくんはみんなのために頑張ってたんだね。 

 私全然知らなくて、たっくんは女の子に会えるからバイト辞めたくないんだって勝手に思ってしまって。

 たっくんが誰かに取られるかもって心配だったの。」

「僕はいつだってイチカちゃんのことしか好きにならないよ。

 イチカちゃんは小さな頃から家ででぼんやりしていた僕を誘って遊びに行ってくれた特別な女の子だよ。 

 僕はイチカちゃんがいなかったら、きっともっとひとりぼっちだったと思う。
 イチカちゃんと会えると思うといつも寂しくなかったし。 

 だから、イチカちゃん、僕を信じて。
 バイト続けさせて。
 僕もみんなの役に立っていると思うと嬉しいんだ。」

「うん、たっくん、私信じるよ。
 だから、バイトも続けていいよ。
 私、応援する。

 その代わり、もし、たっくんが他の女の子とデートしてるの見つけたら、たっくんとは永遠にさよならだからね。」

「うー、イチカちゃんが怖い。」

「何言ってるの。
 約束守ればいいだけだよ。」

「うん、僕頑張る。
 でも、良かった。

 イチカちゃんがバイト許してくれなかったら、女の子に嫌われるように、バイトの時、髪を7.3わけって言うやつにしてみようかなって思ってたんだ。
 真面目なサラリーマン風。

 そしたら、女の子達僕に興味持たなくなるんじゃないかって。
 僕昨日必死に考えて、思いついたんだ。」

「ダサ」

「ね、いい考えでしょ。」

 そう言ってたっくんは、にかっと笑う。

 たっくん相変わらず発想が斜め上だよ。
 女子高生にモテないけど、私も好きじゃないぞ。

 でも、私のためにたっくんが解決策を一日中考えてくれたと思うと、ちょっとニヤける。

 たっくん、好き。
 言ってあげないけどね。
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