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5.犯人のあぶり出し
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最初にエルベルト様への秘密のお手紙を受け取ってからは、ハーシェル王子も同じ結論に達したようで、彼の側近が、隠すことなくエルベルト様宛てに、手紙を渡すようになった。
今度はそれに、異を唱える者を、炙り出す作戦らしい。
それに伴って、ハーシェル王子は、自分では、手余しする案件の執務を、エルベルト様に回して来るようになった。
なので、エルベルト様は、幽閉されていながら、この王国の執務をするという不思議な状況が出来上がっているのにも関わらず、誰も異を唱えない。
だからこそ、エルベルト様は、今日も離宮で忙しく、執務をしている。
「エルベルト様、そろそろ一旦、お茶を飲んで、休憩しませんか?」
「ああ、そうだな。
ミレイアにも、手伝わせて、悪いな。」
「いいえ、私などが、エルベルト様の執務を手伝わせていただけるなんて、幸せです。」
「いや、ミレイアは、執務がよくできている。
文官になれるよ。」
「それは、嬉しいです。
ありがとうございます。」
私達は、ハーシェル王子からの甘くない差し入れのスコーンをつまみながら、お茶を飲んで一息ついている。
「これだけ、僕が執務に関わっていると示しているのに、全然、異を唱える者がいないとは、どうなっているんだろうな?」
「エルベルト様が、執務をしないと、仕事が捗らず、困っていた家臣達がたくさんいたと言うことですよ。
でなければ、誰かしらが、言ってくるでしょう。」
「今回動いてみて、この策では、犯人を炙り出すことができないとわかったよ。
ならば、違う案を試したいが、僕、個人が嫌いで、嵌めた犯人なら、もう王宮の者全体を疑わないといけなくなる。
それだと絞りきれない。
なので、僕の近くにいたけれど、この者は仕事ができないと、僕個人が思っている者を、十人ほど出してみた。
僕が、仕事ができないと思っていると言うことは、その者に対する態度にも現れて、結果、嫌われている可能性があると思ったんだ。」
「いいですね。
新たな切り口です。」
「後、他に考えるとしたら、本人にとっては大事だが、僕としては、些細なことをして、探られたくない者とかかな?」
「その場合もありますね。
記憶にありますか?
些細なことは、思い出しにくいですよね。」
「ああ、でも、何とか思い出すから、その者達の名簿をハーシェルの側近に、渡してほしい。」
「わかりました。」
ハーシェル王子と表立って関わり出したことで、エルベルト様に美味しい食事や服などが、王宮から届き出した。
なので、エルベルト様にとって離宮は、どんどん暮らし易くなって来ている。
離宮での生活は、建物の古さはあるが、困ることはない。
私は、エルベルト様に預かっていた犯人の可能性がある者達の名簿を、ハーシェル王子の側近に渡した。
すると、数日後に、ハーシェル王子が、家臣達を引き連れて、離宮にやって来た。
「やあ、兄さん、遅くなって悪かった。」
「いや、僕こそ、ハーシェルには、迷惑をかけたね。」
「ついに、犯人を捕まえたよ。
その者は、王宮の資金を横領していて、それを、兄さんに指摘されそうになって、偽の書状、多数の証言者、協力者を金を積んで、集めたそうだ。
もう少しで王宮での仕事を、辞める予定だったので、王政を混乱させて、その間に、退職できればそれで良かったそうだ。
今、偽の証言者、協力者が20人以上もいたことから、執務棟の周りは大混乱さ。」
「くだらない。
そんな者の為に、僕は、ここに幽閉されたと言うのか。」
「うん、本人もこんなにうまくいくとは、思って無かったみたいだよ。
なので、明日、王宮に戻って。
その者は、地下牢にいるけど。
会う?」
「いや、いい。
その者の沙汰は、第三者のハーシェルに、任せるよ。
それにしても、二度とこのようなことがないように、この国の体制を変えないと、ダメだな。」
「そうですね。」
二人は今後、その件を早急に解決することにして、ハーシェル王子は、王宮へ戻って行った。
「エルベルト様、おめでとうございます。
最後に、夕食で、乾杯しましょう。」
「そうだな。」
私とエルベルト様は、久しぶりのワインで、乾杯し、夕食を楽しんでいる。
「今日で、こちらの生活は終わりですね。」
「ああ、ミレイアには、感謝している。
ミレイアがいなかったら、心は荒み、一人惨めな暮らしをしていただろう。
君といると癒されて、夜もよく眠れるようになっていたよ。
夜に寝ないと、いくら思考していても、結局、解答に辿り着けない。
だから、ミレイアがいなかったら、一生ここで、犯人について、考え続けるか、途中で人生を諦めていたかもしれない。
一人だったらきっと、ここから出るのは、不可能だっただろう。
戻ったら、僕の側近の一人にならないか?
君と一緒なら、思考も捗る。」
「ありがとうございます。
これほどに、私を評価していただけたなんて。
考えておきます。」
「ああ、よく考えて。
まあ、令嬢として、側近より、侍女の方がいいと言うならば、無理にとは言わないけれど。」
「ありがとうございます。
今日は、エルベルト様と知り合ってから、最高の夜です。」
「そうだね。
僕もそう思うよ。
僕は、側近とならば、こうして、酒を酌み交わすこともあるから、王宮に戻っても、ミレイアと、食事をしたり、酒を飲みたい。」
「ありがとうございます。」
翌朝、エルベルト様の元に家臣達が、彼を迎えに来た。
「ミレイア、一緒に行こう。」
「エルベルト様、私は先にここを片付けてからにします。」
「わかった。
では、先に行っているよ。
では、後で。」
そう言っていなくなるエルベルト様の背中を、見えなくなるまで見送った。
こうして、私の恋は、終わった。
さようなら、エルベルト様。
私は、離宮の門番をしてくれていた近衛兵のアーサーに、彼への手紙を託した。
アーサーとは、こちらに来てから、離宮に入るたびに挨拶をする仲だ。
私とエルベルト様の接している雰囲気から、二人が男女の関係にないと感じている多分たった一人の者だろう。
だから、アーサーは、私に最後まで、好意的だった。
エルベルト様へ
離宮を出ることが、できておめでとうございます。
最後にこうしてお支えできて、嬉しかったです。
私は実はもう、王宮で、働くことが出来ない身なのです。
そして、離宮で、エルベルト様といたことで、エルベルト様と深い仲になっているなどと、口さがないことを言う人もいるでしょう。
あなたの周りに私がいれば、エルベルト様の評判に傷がついてしまう。
私は、それだけは、避けたいのです。
エルベルト様には、何の後ろ暗いところのない光溢れる中で、輝いてほしいから。
今まで、ありがとうございました。
あなたの活躍を祈っております。
そうして、私は、市井に下った。
今度はそれに、異を唱える者を、炙り出す作戦らしい。
それに伴って、ハーシェル王子は、自分では、手余しする案件の執務を、エルベルト様に回して来るようになった。
なので、エルベルト様は、幽閉されていながら、この王国の執務をするという不思議な状況が出来上がっているのにも関わらず、誰も異を唱えない。
だからこそ、エルベルト様は、今日も離宮で忙しく、執務をしている。
「エルベルト様、そろそろ一旦、お茶を飲んで、休憩しませんか?」
「ああ、そうだな。
ミレイアにも、手伝わせて、悪いな。」
「いいえ、私などが、エルベルト様の執務を手伝わせていただけるなんて、幸せです。」
「いや、ミレイアは、執務がよくできている。
文官になれるよ。」
「それは、嬉しいです。
ありがとうございます。」
私達は、ハーシェル王子からの甘くない差し入れのスコーンをつまみながら、お茶を飲んで一息ついている。
「これだけ、僕が執務に関わっていると示しているのに、全然、異を唱える者がいないとは、どうなっているんだろうな?」
「エルベルト様が、執務をしないと、仕事が捗らず、困っていた家臣達がたくさんいたと言うことですよ。
でなければ、誰かしらが、言ってくるでしょう。」
「今回動いてみて、この策では、犯人を炙り出すことができないとわかったよ。
ならば、違う案を試したいが、僕、個人が嫌いで、嵌めた犯人なら、もう王宮の者全体を疑わないといけなくなる。
それだと絞りきれない。
なので、僕の近くにいたけれど、この者は仕事ができないと、僕個人が思っている者を、十人ほど出してみた。
僕が、仕事ができないと思っていると言うことは、その者に対する態度にも現れて、結果、嫌われている可能性があると思ったんだ。」
「いいですね。
新たな切り口です。」
「後、他に考えるとしたら、本人にとっては大事だが、僕としては、些細なことをして、探られたくない者とかかな?」
「その場合もありますね。
記憶にありますか?
些細なことは、思い出しにくいですよね。」
「ああ、でも、何とか思い出すから、その者達の名簿をハーシェルの側近に、渡してほしい。」
「わかりました。」
ハーシェル王子と表立って関わり出したことで、エルベルト様に美味しい食事や服などが、王宮から届き出した。
なので、エルベルト様にとって離宮は、どんどん暮らし易くなって来ている。
離宮での生活は、建物の古さはあるが、困ることはない。
私は、エルベルト様に預かっていた犯人の可能性がある者達の名簿を、ハーシェル王子の側近に渡した。
すると、数日後に、ハーシェル王子が、家臣達を引き連れて、離宮にやって来た。
「やあ、兄さん、遅くなって悪かった。」
「いや、僕こそ、ハーシェルには、迷惑をかけたね。」
「ついに、犯人を捕まえたよ。
その者は、王宮の資金を横領していて、それを、兄さんに指摘されそうになって、偽の書状、多数の証言者、協力者を金を積んで、集めたそうだ。
もう少しで王宮での仕事を、辞める予定だったので、王政を混乱させて、その間に、退職できればそれで良かったそうだ。
今、偽の証言者、協力者が20人以上もいたことから、執務棟の周りは大混乱さ。」
「くだらない。
そんな者の為に、僕は、ここに幽閉されたと言うのか。」
「うん、本人もこんなにうまくいくとは、思って無かったみたいだよ。
なので、明日、王宮に戻って。
その者は、地下牢にいるけど。
会う?」
「いや、いい。
その者の沙汰は、第三者のハーシェルに、任せるよ。
それにしても、二度とこのようなことがないように、この国の体制を変えないと、ダメだな。」
「そうですね。」
二人は今後、その件を早急に解決することにして、ハーシェル王子は、王宮へ戻って行った。
「エルベルト様、おめでとうございます。
最後に、夕食で、乾杯しましょう。」
「そうだな。」
私とエルベルト様は、久しぶりのワインで、乾杯し、夕食を楽しんでいる。
「今日で、こちらの生活は終わりですね。」
「ああ、ミレイアには、感謝している。
ミレイアがいなかったら、心は荒み、一人惨めな暮らしをしていただろう。
君といると癒されて、夜もよく眠れるようになっていたよ。
夜に寝ないと、いくら思考していても、結局、解答に辿り着けない。
だから、ミレイアがいなかったら、一生ここで、犯人について、考え続けるか、途中で人生を諦めていたかもしれない。
一人だったらきっと、ここから出るのは、不可能だっただろう。
戻ったら、僕の側近の一人にならないか?
君と一緒なら、思考も捗る。」
「ありがとうございます。
これほどに、私を評価していただけたなんて。
考えておきます。」
「ああ、よく考えて。
まあ、令嬢として、側近より、侍女の方がいいと言うならば、無理にとは言わないけれど。」
「ありがとうございます。
今日は、エルベルト様と知り合ってから、最高の夜です。」
「そうだね。
僕もそう思うよ。
僕は、側近とならば、こうして、酒を酌み交わすこともあるから、王宮に戻っても、ミレイアと、食事をしたり、酒を飲みたい。」
「ありがとうございます。」
翌朝、エルベルト様の元に家臣達が、彼を迎えに来た。
「ミレイア、一緒に行こう。」
「エルベルト様、私は先にここを片付けてからにします。」
「わかった。
では、先に行っているよ。
では、後で。」
そう言っていなくなるエルベルト様の背中を、見えなくなるまで見送った。
こうして、私の恋は、終わった。
さようなら、エルベルト様。
私は、離宮の門番をしてくれていた近衛兵のアーサーに、彼への手紙を託した。
アーサーとは、こちらに来てから、離宮に入るたびに挨拶をする仲だ。
私とエルベルト様の接している雰囲気から、二人が男女の関係にないと感じている多分たった一人の者だろう。
だから、アーサーは、私に最後まで、好意的だった。
エルベルト様へ
離宮を出ることが、できておめでとうございます。
最後にこうしてお支えできて、嬉しかったです。
私は実はもう、王宮で、働くことが出来ない身なのです。
そして、離宮で、エルベルト様といたことで、エルベルト様と深い仲になっているなどと、口さがないことを言う人もいるでしょう。
あなたの周りに私がいれば、エルベルト様の評判に傷がついてしまう。
私は、それだけは、避けたいのです。
エルベルト様には、何の後ろ暗いところのない光溢れる中で、輝いてほしいから。
今まで、ありがとうございました。
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