9 / 22
9.レイモンドの守り
しおりを挟む
邸に戻り、かすり傷の手当てを受けているとレイモンドが慌ててやって来る。
「大丈夫かい?
攫われそうになったって聞いたけど。」
「情報が早いわね。
大丈夫よ、親切な人達が助けてくれたの。」
「良かったね。」
「うん、あの人達誰だったんだろう?
お礼言ったんだけど、目も合わせずに行ってしまって。
犯人を捕える方が大事だし、一緒にいた子が心配だったから、ちゃんとお礼できてなくて、悪いけど、その方々を探すことはできないかしら。」
きちんと改めてお礼がしたい。
レイモンドなら、つてとかで、犯人を捕まえてくれた人を探し出してくれるだろう。
レイモンドは一瞬言い淀んだが、話し出す。
「実は彼らは僕の私兵なんだ。
この前騎士になりたいロイいただろう?
騎士学校の試験はまだ先だから、彼に指導していたんだ。
僕には影がいて、秘密裏に警護しているんだよ。
それで、稽古の一環としてロイに、アリスの影の訓練をさせていたんだよ。
アリスには内緒で。
僕の影が一緒について、警護指導してる。
本来なら警護対象者に知られることは許されていない。
けど、アリスなら知られたとしてもロイのためなら許すだろうと思ってね。」
「ロイはそんなことをしていたの?
もちろん、ロイが私の影として稽古していても全然問題ないわ。」
「そう言うと思ったよ。
護衛としての騎士も大切だけど、実際には、周りをいつも取り囲んでいると対象者のストレスになるから、実は影の方が多いんだ。
だから、ロイには騎士だけじゃなく、影の訓練もしてもらおうと思って。
このまま稽古を積んでほしいと思っている。
いいかい?」
「もちろんよ。
レイのおかげでロイの夢の実現がもう始まっているのね。
ありがとう。」
「ところで、アリスは攫われそうになったこと、精神的に大丈夫?」
「うん、確かに怖かったわ。
でも、一緒にいた子の方でなくて、本当に良かったと思っているの。
その子を守りたいって思ったら、力が溢れて来て。
ほら、サーシャには私よりいっぱい未来があるから。」
「うん、大丈夫なら安心したよ。
この後も、ロイの指導があるからアリスの護衛続けるよ。
だから、アリスは心配しないで。
そのかわり、本来なら見ることのない影のロイが周りをウロチョロしていても、見ないふりをしてやってくれ。
まだ、見習いだから。」
「ふふ、ありがとう。」
そう話すと二人は見つめ合って笑った。
「大丈夫かい?
攫われそうになったって聞いたけど。」
「情報が早いわね。
大丈夫よ、親切な人達が助けてくれたの。」
「良かったね。」
「うん、あの人達誰だったんだろう?
お礼言ったんだけど、目も合わせずに行ってしまって。
犯人を捕える方が大事だし、一緒にいた子が心配だったから、ちゃんとお礼できてなくて、悪いけど、その方々を探すことはできないかしら。」
きちんと改めてお礼がしたい。
レイモンドなら、つてとかで、犯人を捕まえてくれた人を探し出してくれるだろう。
レイモンドは一瞬言い淀んだが、話し出す。
「実は彼らは僕の私兵なんだ。
この前騎士になりたいロイいただろう?
騎士学校の試験はまだ先だから、彼に指導していたんだ。
僕には影がいて、秘密裏に警護しているんだよ。
それで、稽古の一環としてロイに、アリスの影の訓練をさせていたんだよ。
アリスには内緒で。
僕の影が一緒について、警護指導してる。
本来なら警護対象者に知られることは許されていない。
けど、アリスなら知られたとしてもロイのためなら許すだろうと思ってね。」
「ロイはそんなことをしていたの?
もちろん、ロイが私の影として稽古していても全然問題ないわ。」
「そう言うと思ったよ。
護衛としての騎士も大切だけど、実際には、周りをいつも取り囲んでいると対象者のストレスになるから、実は影の方が多いんだ。
だから、ロイには騎士だけじゃなく、影の訓練もしてもらおうと思って。
このまま稽古を積んでほしいと思っている。
いいかい?」
「もちろんよ。
レイのおかげでロイの夢の実現がもう始まっているのね。
ありがとう。」
「ところで、アリスは攫われそうになったこと、精神的に大丈夫?」
「うん、確かに怖かったわ。
でも、一緒にいた子の方でなくて、本当に良かったと思っているの。
その子を守りたいって思ったら、力が溢れて来て。
ほら、サーシャには私よりいっぱい未来があるから。」
「うん、大丈夫なら安心したよ。
この後も、ロイの指導があるからアリスの護衛続けるよ。
だから、アリスは心配しないで。
そのかわり、本来なら見ることのない影のロイが周りをウロチョロしていても、見ないふりをしてやってくれ。
まだ、見習いだから。」
「ふふ、ありがとう。」
そう話すと二人は見つめ合って笑った。
14
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
お兄様の指輪が壊れたら、溺愛が始まりまして
みこと。
恋愛
お兄様は女王陛下からいただいた指輪を、ずっと大切にしている。
きっと苦しい片恋をなさっているお兄様。
私はただ、お兄様の家に引き取られただけの存在。血の繋がってない妹。
だから、早々に屋敷を出なくては。私がお兄様の恋路を邪魔するわけにはいかないの。私の想いは、ずっと秘めて生きていく──。
なのに、ある日、お兄様の指輪が壊れて?
全7話、ご都合主義のハピエンです! 楽しんでいただけると嬉しいです!
※「小説家になろう」様にも掲載しています。
1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。
尾道小町
恋愛
登場人物紹介
ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢
17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。
ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。
シェーン・ロングベルク公爵 25歳
結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。
ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳
優秀でシェーンに、こき使われている。
コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳
ヴィヴィアンの幼馴染み。
アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳
シェーンの元婚約者。
ルーク・ダルシュール侯爵25歳
嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。
ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。
ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。
この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。
ジュリアン・スチール公爵令嬢18歳デビット王太子殿下の婚約者。
ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳
私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。
一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。
正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?
俺の妖精すぎるおっとり妻から離縁を求められ、戦場でも止まらなかった心臓が止まるかと思った。何を言われても別れたくはないんだが?
イセヤ レキ
恋愛
「離縁致しましょう」
私の幸せな世界は、妻の言い放ったたった一言で、凍りついたのを感じた──。
最愛の妻から離縁を突きつけられ、最終的に無事に回避することが出来た、英雄の独白。
全6話、完結済。
リクエストにお応えした作品です。
単体でも読めると思いますが、
①【私の愛しい娘が、自分は悪役令嬢だと言っております。私の呪詛を恋敵に使って断罪されるらしいのですが、同じ失敗を犯すつもりはございませんよ?】
母主人公
※ノベルアンソロジー掲載の為、アルファポリス様からは引き下げております。
②【私は、お母様の能力を使って人の恋路を邪魔する悪役令嬢のようです。けれども断罪回避を目指すので、ヒーローに近付くつもりは微塵もございませんよ?】
娘主人公
を先にお読み頂くと世界観に理解が深まるかと思います。
王太子殿下が、「国中の未婚女性を集めて舞踏会を開きたい」などと寝言をおっしゃるものですから。
石河 翠
恋愛
主人公のアレクは、ある日乳兄弟である王太子に頼みごとをされる。なんと、国中の未婚女性を集めて舞踏会を開きたいというのだ。
婚約者がいない王太子による、身分の垣根を越えた婚活パーティー。あまりにも無駄の多い夜会であること、何より「可愛い女の子のドレス姿が見たい」という下心満載の王太子にドン引きしつつも、王太子の本音に気がつき密かに心を痛める。
とはいえ王太子の望みを叶えるべく奔走することに。しかし舞踏会当日、令嬢の相手をしていたアレクは、怒れる王太子に突然からまれて……。
転生後の人生を気ままに楽しむヒロインと、ヒロインにちっとも好意が伝わらないポンコツ王子の恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
表紙絵は、チョコラテさまの作品(写真のID:4099122)をお借りしております。
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
姉の身代わりで冷酷な若公爵様に嫁ぐことになりましたが、初夜にも来ない彼なのに「このままでは妻に嫌われる……」と私に語りかけてきます。
夏
恋愛
姉の身代わりとして冷酷な獣と蔑称される公爵に嫁いだラシェル。
初夜には顔を出さず、干渉は必要ないと公爵に言われてしまうが、ある晩の日「姿を変えた」ラシェルはばったり酔った彼に遭遇する。
「このままでは、妻に嫌われる……」
本人、目の前にいますけど!?
旦那様、愛人を作ってもいいですか?
ひろか
恋愛
私には前世の記憶があります。ニホンでの四六年という。
「君の役目は魔力を多く持つ子供を産むこと。その後で君も自由にすればいい」
これ、旦那様から、初夜での言葉です。
んん?美筋肉イケオジな愛人を持っても良いと?
’18/10/21…おまけ小話追加
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる