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5.かつてのライバル
しおりを挟む「スペンサーと夜会に出るなんて、久しぶりね。」
「ああ、君に捨てられて以来かな。」
「まぁ、言いにくいことをはっきり言うのね。」
「濁してもしょうがないからな。
ドレスよく似合っているよ。」
今日はスペンサーの友人のヤンセンの夜会に誘われて来ている。
ヤンセンのお庭は豪華な庭園で、夜会でのみ開放しているとのこと。
今日のためにスペンサーがドレスをプレゼントしてくれた。
ブルーのドレスはスペンサーのタキシードと揃いになっているからどうかと思うが、侯爵であるスペンサーにエスコートされるには、豪華なドレスが必要になる。
でも、私にはそれだけの高価なドレスは用意できない。
だから、スペンサーが用意しないと恥をかいてしまうのだ。
ボレック公爵の時もそうだけど、すべて相手がプレゼントしてくれているものを着ている。
もちろん元夫であるドブソン子爵の時もそうだった。
ドブソン子爵は下品なドレスをあえてオーダーしていた。
私は、自分でドレスを選んだことがないのだ。
いつも相手の方が私に着て欲しいものを、渡される。
だから、いつか自分で好きなドレスを選んでみたい。
ピアノのお仕事だけでは、夜会用の豪華なドレスはいつ買えるかわからないけれど。
スペンサーもボレック公爵もセンスがいいので、プレゼントされるドレスはどれも素敵だけれど、私だってあしらうレースを選んでみる楽しみが欲しいのだ。
ちなみに男爵家にいた頃から、夜会のドレスはスペンサーのプレゼントしか着たことがなかった。
「スペンサー、今日は来てくれてありがとう。
マリアンナ夫人、久しぶりだね。」
「ええ、ヤンセン卿も。」
ヤンセン卿と話すのは、私がスペンサーと付き合っていた時以来だ。
それ以降はお互いに会っても、挨拶をしていなかった。
ヤンセン卿にとって私は、関わりたくない相手だろう。
今だって、スペンサーといなければ、話すことはなかっただろう。
ヤンセン卿といる夫人は、あからさまに嫌な顔をしている。
若い夫人にとっても、私は脅威なのだ。
自分ができないふしだらなアプローチで、私に夫を取られたくないから。
私とスペンサーは挨拶だけすると、庭園に向かった。
「相変わらず、君は女性に恐れられているね。」
「しょうがないわ。
みんな私を夫に近づけたくないのよ。」
「それなら、僕と付き合っていた頃からだよ。」
「えっ、その頃は悪女ではなかったわ。」
「ああ、その頃は男達がマリアンナに見惚れていたから、令嬢達が君に会わせたがらなかった。」
「どっちにしても、嫌われているのね。
どおりで同年代の友人ができないはずだわ。」
「あの頃の君は、僕だけがいればいいって顔をしてくれていた。
だから、どんなに男達が君を見ていても、僕は誇らしかったよ。」
「そうだったの?
知らなかったわ。」
「君は理想の恋人だった。」
「過去の話よ。」
「そうだな。」
二人はベンチに座り、ワインを飲みながら静かにランプに照らされた花を見る。
「ねぇ、私達二人でいることが自然になったわね。」
「ああ、不思議だよ。
悪女といて、癒されるなんて。
色々あったけれど、僕達もう一度やり直さないか?
僕は君が好きだよ。」
「スペンサーは素敵な令嬢と結婚しなければならないのよ。」
「もうその話はいいよ。
僕はマリアンナといたい。」
「悪女でも?」
「悪女でも。」
「でも、一つだけ約束してほしいことがある。」
その時、酔っ払ったユーリエ侯爵夫人が二人の元にやって来た。
「疫病神女。」
そう言って、私を指差す。
「私はねぇ、ダルレ侯爵と結婚する予定だったのに、マリアンナ夫人のせいで、ダルレ侯爵と結婚できなかったのよ。
あなたのせいで結局ユーリエ侯爵と結婚して、人生散々だわ。
どうしてくれるのよ。」
「ご機嫌よう、ユーリエ侯爵夫人。
私もてっきりダルレ侯爵はあなたと結婚すると思っていたわ。
私が結婚する時そう聞いていたもの。」
「でも、ダルレ侯爵はあなたと別れた後、人が変わったように事業に集中して、夜会なども一切出ないし、私との話も白紙にしたのよ。
全部あなたのせい。」
「申し訳ないが、そもそもその話は、親が勝手に勧めたもので、僕は最初からすべて断っていたんだよ。」
「それでも、マリアンナ夫人と別れたら、私の方を振り向いてくれると思っていたわ。
あなたのお父様は絶対結婚させるからって言ってくれたのよ。」
「でも君がユーリエ侯爵と結婚したことは、君の家が決めたことでは?」
「私はダルレ侯爵をギリギリまで待ったの。
そのせいで、選べる方がどんどん減っていったのよ。」
「だから、ユーリエ侯爵と結婚せざるを得なかった。
彼は浮気をする最低な夫よ。」
「ユーリエ侯爵夫人、あなたがダルレ侯爵に振り向いてもらえなかったのは、あなたのせいよ。
だとしても、少しあなたの気がはれるかもしれないからお伝えするわ。
あなたの夫は中々だけれども、私の夫の方が最低だったわ。
私に露出の高いドレスを着させて、皆が見る前で、直接肌にキスしたり、舐めまわしていたのよ。
どんなに嫌だって言っても。
そのせいで私はふしだらだと皆に言われているわ。
それでも、あなたの夫は最低?
私の夫より?」
「そう言われたら、酷い男だけども最低ではないかも。
浮気はするけど、人前で下品なことはしないわ。」
「そうでしょう?
私と比べたら、まだマシでしょう?」
「そうね。
あなたは可哀想ね。
私は夫でまだ良かったのかも。」
「何の話だ?
不幸自慢か?
それよりも、マリアンナはドブソン子爵を嫌がっていたのか?」
「当たり前でしょ。
ただ、可哀想って思われたくなかったの。
その当時は。
私にもプライドがあったのよ。」
ユーリエ侯爵夫人の勢いはなくなり、しょんぼりとしだす。
「マリアンナ夫人、私あなたが悪女だって言いふらしたわ。
腹が立ったから。
ごめんなさいね。」
「いいのよ。
可哀想より、悪女の方がマシだから。
それに今の私には悪女は必要なの。
契約だから、内容はお話できないけれども。」
「まぁ、悪女が必要なんてことがありますの?」
「ええ。
だから、もう気にしないで。
でも、あなたの夫のことはお気の毒に思っているわ。
私のように捨てられると、自由になれるのだけど。」
「えっ?
マリアンナ夫人は捨てらたの?」
「そうよ。
身一つでね。」
「ごめんなさい。
マリアンナ夫人の方が大変だわ。」
「そうかしら?
最近起きたことで最も良かったことなのだけど。」
「やっぱりマリアンナ夫人はさすがね。
不幸も悪女も私には、耐えられない。
いつでもあなたは、私を上回っているのね。
私、あなたを応援するわ。」
「気持ちが軽くなったのなら良かったわ、ありがとう。」
「ああ、君に捨てられて以来かな。」
「まぁ、言いにくいことをはっきり言うのね。」
「濁してもしょうがないからな。
ドレスよく似合っているよ。」
今日はスペンサーの友人のヤンセンの夜会に誘われて来ている。
ヤンセンのお庭は豪華な庭園で、夜会でのみ開放しているとのこと。
今日のためにスペンサーがドレスをプレゼントしてくれた。
ブルーのドレスはスペンサーのタキシードと揃いになっているからどうかと思うが、侯爵であるスペンサーにエスコートされるには、豪華なドレスが必要になる。
でも、私にはそれだけの高価なドレスは用意できない。
だから、スペンサーが用意しないと恥をかいてしまうのだ。
ボレック公爵の時もそうだけど、すべて相手がプレゼントしてくれているものを着ている。
もちろん元夫であるドブソン子爵の時もそうだった。
ドブソン子爵は下品なドレスをあえてオーダーしていた。
私は、自分でドレスを選んだことがないのだ。
いつも相手の方が私に着て欲しいものを、渡される。
だから、いつか自分で好きなドレスを選んでみたい。
ピアノのお仕事だけでは、夜会用の豪華なドレスはいつ買えるかわからないけれど。
スペンサーもボレック公爵もセンスがいいので、プレゼントされるドレスはどれも素敵だけれど、私だってあしらうレースを選んでみる楽しみが欲しいのだ。
ちなみに男爵家にいた頃から、夜会のドレスはスペンサーのプレゼントしか着たことがなかった。
「スペンサー、今日は来てくれてありがとう。
マリアンナ夫人、久しぶりだね。」
「ええ、ヤンセン卿も。」
ヤンセン卿と話すのは、私がスペンサーと付き合っていた時以来だ。
それ以降はお互いに会っても、挨拶をしていなかった。
ヤンセン卿にとって私は、関わりたくない相手だろう。
今だって、スペンサーといなければ、話すことはなかっただろう。
ヤンセン卿といる夫人は、あからさまに嫌な顔をしている。
若い夫人にとっても、私は脅威なのだ。
自分ができないふしだらなアプローチで、私に夫を取られたくないから。
私とスペンサーは挨拶だけすると、庭園に向かった。
「相変わらず、君は女性に恐れられているね。」
「しょうがないわ。
みんな私を夫に近づけたくないのよ。」
「それなら、僕と付き合っていた頃からだよ。」
「えっ、その頃は悪女ではなかったわ。」
「ああ、その頃は男達がマリアンナに見惚れていたから、令嬢達が君に会わせたがらなかった。」
「どっちにしても、嫌われているのね。
どおりで同年代の友人ができないはずだわ。」
「あの頃の君は、僕だけがいればいいって顔をしてくれていた。
だから、どんなに男達が君を見ていても、僕は誇らしかったよ。」
「そうだったの?
知らなかったわ。」
「君は理想の恋人だった。」
「過去の話よ。」
「そうだな。」
二人はベンチに座り、ワインを飲みながら静かにランプに照らされた花を見る。
「ねぇ、私達二人でいることが自然になったわね。」
「ああ、不思議だよ。
悪女といて、癒されるなんて。
色々あったけれど、僕達もう一度やり直さないか?
僕は君が好きだよ。」
「スペンサーは素敵な令嬢と結婚しなければならないのよ。」
「もうその話はいいよ。
僕はマリアンナといたい。」
「悪女でも?」
「悪女でも。」
「でも、一つだけ約束してほしいことがある。」
その時、酔っ払ったユーリエ侯爵夫人が二人の元にやって来た。
「疫病神女。」
そう言って、私を指差す。
「私はねぇ、ダルレ侯爵と結婚する予定だったのに、マリアンナ夫人のせいで、ダルレ侯爵と結婚できなかったのよ。
あなたのせいで結局ユーリエ侯爵と結婚して、人生散々だわ。
どうしてくれるのよ。」
「ご機嫌よう、ユーリエ侯爵夫人。
私もてっきりダルレ侯爵はあなたと結婚すると思っていたわ。
私が結婚する時そう聞いていたもの。」
「でも、ダルレ侯爵はあなたと別れた後、人が変わったように事業に集中して、夜会なども一切出ないし、私との話も白紙にしたのよ。
全部あなたのせい。」
「申し訳ないが、そもそもその話は、親が勝手に勧めたもので、僕は最初からすべて断っていたんだよ。」
「それでも、マリアンナ夫人と別れたら、私の方を振り向いてくれると思っていたわ。
あなたのお父様は絶対結婚させるからって言ってくれたのよ。」
「でも君がユーリエ侯爵と結婚したことは、君の家が決めたことでは?」
「私はダルレ侯爵をギリギリまで待ったの。
そのせいで、選べる方がどんどん減っていったのよ。」
「だから、ユーリエ侯爵と結婚せざるを得なかった。
彼は浮気をする最低な夫よ。」
「ユーリエ侯爵夫人、あなたがダルレ侯爵に振り向いてもらえなかったのは、あなたのせいよ。
だとしても、少しあなたの気がはれるかもしれないからお伝えするわ。
あなたの夫は中々だけれども、私の夫の方が最低だったわ。
私に露出の高いドレスを着させて、皆が見る前で、直接肌にキスしたり、舐めまわしていたのよ。
どんなに嫌だって言っても。
そのせいで私はふしだらだと皆に言われているわ。
それでも、あなたの夫は最低?
私の夫より?」
「そう言われたら、酷い男だけども最低ではないかも。
浮気はするけど、人前で下品なことはしないわ。」
「そうでしょう?
私と比べたら、まだマシでしょう?」
「そうね。
あなたは可哀想ね。
私は夫でまだ良かったのかも。」
「何の話だ?
不幸自慢か?
それよりも、マリアンナはドブソン子爵を嫌がっていたのか?」
「当たり前でしょ。
ただ、可哀想って思われたくなかったの。
その当時は。
私にもプライドがあったのよ。」
ユーリエ侯爵夫人の勢いはなくなり、しょんぼりとしだす。
「マリアンナ夫人、私あなたが悪女だって言いふらしたわ。
腹が立ったから。
ごめんなさいね。」
「いいのよ。
可哀想より、悪女の方がマシだから。
それに今の私には悪女は必要なの。
契約だから、内容はお話できないけれども。」
「まぁ、悪女が必要なんてことがありますの?」
「ええ。
だから、もう気にしないで。
でも、あなたの夫のことはお気の毒に思っているわ。
私のように捨てられると、自由になれるのだけど。」
「えっ?
マリアンナ夫人は捨てらたの?」
「そうよ。
身一つでね。」
「ごめんなさい。
マリアンナ夫人の方が大変だわ。」
「そうかしら?
最近起きたことで最も良かったことなのだけど。」
「やっぱりマリアンナ夫人はさすがね。
不幸も悪女も私には、耐えられない。
いつでもあなたは、私を上回っているのね。
私、あなたを応援するわ。」
「気持ちが軽くなったのなら良かったわ、ありがとう。」
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