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店長との営業会議

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 佐々木と吉田店長は、現状の確認と今後について話し合いをしていました。

「いやー本当に佐々木さんが入ってから大分楽になりましたよ。」

 と、吉田店長は佐々木の評価とともに感謝をしていました。

「いえいえw色々教えて貰いながら何とかかんとかやれてるだけで一杯一杯ですよ。」

「そんな事ないよ。こんなに女の子の扱いが上手だと思わなかったw」

「決して、上手な訳じゃないですよw僕は女性が苦手だから逆にたまたま良い結果になっただけじゃないですかね?」

「あーなるほどね。それはあるのかも知れないねw」

 この仕事に於いて、女の子と適切な距離感で居られる事は非常に大切な事だからだ。

 手の届くところに、いかにもヤラせてくれそうな女の子が居る状況で欲を出してしまうと女の子は敏感にそれを嗅ぎ取ってしまうからだ。

 何故ならば、風俗とは金と性欲という欲望の世界に成り立っているからだ。

 だからこそ、吉田店長は佐々木を評価しているのだ。

「特に茉莉まつりちゃんと瑠璃るりちゃんを手懐けられてるのは大きいねw 猛獣使いとか呼ばれてるしねw」

茉莉まつりちゃんはともかく瑠璃るりちゃんは何でなんだか僕も良く判らないんですけどねw」

「あーなるほどねw まあ、それでも2人を手懐けられたから他の子も素直に佐々木さんを受け入れてるってのは確かにあるね。意外と弱肉強食だからねw」

「あーそれは僕も感じました。だから、あの2人を頂点にピラミッドが出来れば売上も上がるかな?みたいなw」

「あっ!やっぱりそこまで計算出来てたんだ!やっぱり凄いわ佐々木さんは。」

「いやぁ、何となくですけどw」

 佐々木の回答に吉田店長は満足気な表情をしていました。

「最近は順調だけど、今後に向けてなんか感じた事とか意見とかないかな?」

「1つ気が付いたのは、本指名数は売上の安定度に比例する事ですね。」

「あー確かにそうだね。」

「以前、店長が繁忙期と閑散期の話をしてたと思うんですが、店全体が安定して本指名を確保出来れば、閑散期でも売上が落ちないんじゃないかな?って思いまして。」

「言われてみれば確かにそうかも知れないね。」

「前に香澄かすみちゃんにアドバイスをしていた時に、前のお店では、お客さん皆に均一に接客しろって指導されてたようなんですよね。」

「あー確かに、好き嫌い言ってないで分け隔てなくって考えはあるし、地雷嬢を作り出さない為にも割と普通じゃないかな?」

「でも、それでは多分、本指名は増えないんですよ。実際に香澄かすみちゃんは、それ以降伸びてますしね。」

「確かに、あの子は伸びたね。」

「だから、まず在籍全員を本指名10本以上に引き上げるのを目標にすれば良いかな?とか考えてるんですけど。」

「確かに、それが出来ればお店も盤石だな。」

「それに関連するんですが、データを見る限りスタートの18時台と深夜の電話が少ないんですよね。」

「あー確かにね。深夜はともかくスタートは確かに弱いよね。」

「人気ある子はスタートから予約入りますが、人気無い子はスタート待機が割とありますよね?」

「そーなんだよね。本指名持ってる子と持ってない子の差が出ちゃうよね。」

「本指名を増やすにも、まずは新規客を付けないとダメなので18時台に電話が鳴りやすくする為にフリー割とか何か特典なりを付けるのってどうですかね?」

「そうだね。具体的な目的がある訳だから、それはアリだね!」

「僕が思ったのは今の所それくらいですかね?」

「その2点が改善されれば、かなり良くなるね。」

 佐々木は元々キッチリ仕事をしていた人間なので、業務をこなしながら、このお店の事もしっかり観察していたのだ。

 この話し合いを通して、吉田店長は改めて佐々木を店に招き入れたのが正解だったと実感していたのであった。
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