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終章 復讐の果て
第38話 核心
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エイルへ
私はお前の兄であるアレクシア・ノーベルだ。
お前がある事件の首謀者であるという証拠をつかんだ。
お前と話がしたい。
日付が変わるころ、倉庫街の第8倉庫に一人でこい。
私を殺そうとしても無駄だ、それはお前が一番わかっているだろう。
私は証文を手に入れた翌日の手紙をエイルにしたためた。
そしてそれを侍従の服をきて、エイルの部下に渡す。
「クレア様から預かりました、必ずエイル様へ」
「わかった、必ずエイル様にお渡しする」
倉庫街、赤いレンガで作られた倉庫が立ち並んでいる、ここは夜は全く人通りがなく静寂があたりを支配している。
元々は兵士のための装備などを保管していたが、手狭になったため民間に開放している。
倉庫の中は木箱が並んでおり姿を隠すにはうってつけである。
1人分の足音ともにランタンの明かりが揺れている。
倉庫扉が開く。
「兄上!本当に兄上なのか!!」
黒の詰襟、皇国親衛隊の制服を着たエイルの姿がある。
本当に一人できたようで、周りに人の気配は感じられない。
「そうだ、私はアレクシア・ノーベルだ」
私はエイルの前に姿を現す、その恰好はいつものくたびれた革の上着に麻のズボン、革のブーツ、そして腰にはファニル鋼の剣をさしてている、そして黒かった髪はもとの金髪に戻している。
「まさか!あの酒場にいたのが兄上だったのか…」
「そうだ、黙っていて済まない」
「いいよ、兄上が生きているだけでも俺は嬉しい」
エイルは本当に私が生きているのを歓迎しているかのように見せる。
「兄上、いったいなにがあったのだ、あの剣術大会のあと急に失踪して、敗退の衝撃のあまり自殺したとみなが噂をしていた」
「それか…すべてお前が企んだことだろ?」
「なんのことだ兄上」
「しらを切るな!!お前が私を罠に嵌め、深淵の誓約証を書かせ、ザナビルへ送り込んだんだろ?」
「な、なんでそのことを…」
エイルのいつも自信にあふれたその顔は驚きの表情を浮かべ、膝を叩き悔しそうな表情をみせる。
「それは…全部父上の指示だ…」
私は気が付くとエイルの胸倉をつかみ叫んでいた。
「まさか、父上がそのような指示などだすわけがない!」
「兄上がつかんだ事件の証拠とは、ソルフィン王の暗殺の件だろ?」
「そうだそれもお前が計画したものだ!」
エイルは真剣な表情で私の顔をみて続ける。
「兄上、俺の話は信じられないかもしれない、だが聞いてくれ、それらすべて父上の指示のもと私が行ったことだ」
私はエイルの口からでてくる話はにわかには信じられるものではなかった。
「まさか!そんな話信じられるわけないだろ、あの清廉潔白な父上がそんなことをするわけない」
「人間には表の顔と裏の顔がある、そんなことは兄上も承知の上だろ」
「…」
あの父上が?しかしなぜ暗殺などばれたら、ノーベル家そのものがなくなりかねない事態だぞ…
しかしエイルの表情は真剣そのものでエイルも嘘をいっているようにはとても見えない。
「そんなわけがあるか!父上がそのようなことに関わっていると分かれば、ノーベル家はなくなるぞ」
「だから、汚れ仕事は俺にすべて押し付けてきたのだ!俺だってこんな仕事はやりたくはないしかし一度手を染めてしまったら今度はそれを脅しに…もう父上の汚れ仕事を引き受けるしかなくなっていった」
「しかし、お前が関与しているだけでも父上は失脚するぞ」
「いや、父上は失脚しない」
「それは何故だ!」
私はエイルの胸倉を掴む手に力が入る。
「兄上は皇帝陛下が前皇帝陛下の弟だということは知っているよな」
「もちろんだ、前皇帝陛下に世継が生まれなかった、それゆえ弟のリア陛下が皇帝に即位された」
「前皇帝陛下には落とし子がいたんだ」
「それが何の関係があるのだ」
「父上がひた隠しにしていた事実、これを見ろ兄上」
そういってエイルは一冊の本を地面に投げる。
「これは?」
「我がノーベル家の家系図だ、父が厳重に金庫にしまってあるものだ」
私は胸倉をつかんでいた手を離し、ランタンの薄い光の中私はその本を開く。
アレクシア・ノーベル==金髪・碧眼
エイル・ノーベル==黒髪・紅眼
フリューゲル・ノーベル==黒髪・紅眼
祖父==黒髪・紅眼
曾祖父==黒髪・紅眼
…
そこに記された記録のある7代目まで黒髪・紅眼と記しされている。
私はその事実を突きつけられ、目の前からすべてが崩れていくような気がした。
「ノーベル家はな、代々黒髪・紅眼なんだ」
「そ、そんな私がノーベル家の人間ではない…まさかその落とし子とは…」
「兄上が前皇帝陛下の落とし子だ」
「な、なぜ父上はそれを…」
「兄上を孕んだのは、母上の妹だったからだ」
「たしか、私たちが生まれた日に亡くなったおばが…」
「そうだ、おばは母上と父上にのみ、お腹の子父親を教えていた」
私の母は…父は…
しかしエイルが言ったことが事実だったとしても、父上がそのようなことを指示する人間にはおもえない!
シャーンという音ともに私は剣を抜きエイルに突きつける。
「私には父上がそのような人間には思えない」
「しかし、事実だ」
「嘘をつくな!!私は私はお前にすべてを奪われた地位も名誉も愛するものも」
「すべて、父上が自分の出世の道具に私達を使ったまでだ」
「そんなはずがない!」
「兄上、よく考えてみてくれ、兄上は前皇帝の落とし子、これは父上の最大の武器でこの上ない出世の道具だ」
「なぜ、お前がそのことを知っている!」
「俺はある日、父上の書斎に入ってしまった、そして日記を見つけてしまった、兄上の出生の秘密がかかれた」
エイルはその日記も手にしている。
「兄上これがその証拠だ」
エイルはそのページを開き、私に見せる。
ランタンの揺れる明かりに照らされていたが、それは見覚えのある父の字で、私の出生の秘密について事細かに書かれていた。
私の剣を持つ手が震える。
「で、ではなぜ最大の武器である私をザナビル送りにする、手元に置いておくはずだろ!!」
「それは皇帝が兄上のことに感づきそうになった、それがばれると兄上は殺されかねない、しかし生かしておくことには価値がある」
「だからザナビル送り…」
「そうだ、ガレオンから遠く離れすべてを失ってつらかっただろう兄上…」
エイルの言うことは筋が通っている…
カラン、カラン
隙間風がはいってくる倉庫に剣を落とした音が響く
私の体は膝から崩れ落ちる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ」
「兄上…」
エイルは私の体を抱きあげる
「私は、私はお前に復讐のためにだけ、ただそれだけ、お前が絶望の淵でくるしむ姿をみることだけを生きがいとして生きてきた、クレアにどんな不幸が訪れようとお前に復讐を果たすことだけを考えてきた…」
「ああ、仕方ない、父上の汚れ仕事は私がすべて引き受けてきたのだからな、勘違いするのも無理はない」
私は証文を取りだし破り捨てる。
「ありがとう、こんな私をゆるしてくれるのかエイル」
「兄上からすべてを奪い、私の未来を奪う父上に一緒に復讐をしよう兄上、私と兄上が手を組めばかなう相手などいない!」
「わかったよ、エイル、私は父フリューゲルを討つ!私の復讐のため、お前の未来のため」
「ありがとう兄上、いっしょに父を討とう」
丁度その時、倉庫を照らしていた月に雲がかかった。
私はお前の兄であるアレクシア・ノーベルだ。
お前がある事件の首謀者であるという証拠をつかんだ。
お前と話がしたい。
日付が変わるころ、倉庫街の第8倉庫に一人でこい。
私を殺そうとしても無駄だ、それはお前が一番わかっているだろう。
私は証文を手に入れた翌日の手紙をエイルにしたためた。
そしてそれを侍従の服をきて、エイルの部下に渡す。
「クレア様から預かりました、必ずエイル様へ」
「わかった、必ずエイル様にお渡しする」
倉庫街、赤いレンガで作られた倉庫が立ち並んでいる、ここは夜は全く人通りがなく静寂があたりを支配している。
元々は兵士のための装備などを保管していたが、手狭になったため民間に開放している。
倉庫の中は木箱が並んでおり姿を隠すにはうってつけである。
1人分の足音ともにランタンの明かりが揺れている。
倉庫扉が開く。
「兄上!本当に兄上なのか!!」
黒の詰襟、皇国親衛隊の制服を着たエイルの姿がある。
本当に一人できたようで、周りに人の気配は感じられない。
「そうだ、私はアレクシア・ノーベルだ」
私はエイルの前に姿を現す、その恰好はいつものくたびれた革の上着に麻のズボン、革のブーツ、そして腰にはファニル鋼の剣をさしてている、そして黒かった髪はもとの金髪に戻している。
「まさか!あの酒場にいたのが兄上だったのか…」
「そうだ、黙っていて済まない」
「いいよ、兄上が生きているだけでも俺は嬉しい」
エイルは本当に私が生きているのを歓迎しているかのように見せる。
「兄上、いったいなにがあったのだ、あの剣術大会のあと急に失踪して、敗退の衝撃のあまり自殺したとみなが噂をしていた」
「それか…すべてお前が企んだことだろ?」
「なんのことだ兄上」
「しらを切るな!!お前が私を罠に嵌め、深淵の誓約証を書かせ、ザナビルへ送り込んだんだろ?」
「な、なんでそのことを…」
エイルのいつも自信にあふれたその顔は驚きの表情を浮かべ、膝を叩き悔しそうな表情をみせる。
「それは…全部父上の指示だ…」
私は気が付くとエイルの胸倉をつかみ叫んでいた。
「まさか、父上がそのような指示などだすわけがない!」
「兄上がつかんだ事件の証拠とは、ソルフィン王の暗殺の件だろ?」
「そうだそれもお前が計画したものだ!」
エイルは真剣な表情で私の顔をみて続ける。
「兄上、俺の話は信じられないかもしれない、だが聞いてくれ、それらすべて父上の指示のもと私が行ったことだ」
私はエイルの口からでてくる話はにわかには信じられるものではなかった。
「まさか!そんな話信じられるわけないだろ、あの清廉潔白な父上がそんなことをするわけない」
「人間には表の顔と裏の顔がある、そんなことは兄上も承知の上だろ」
「…」
あの父上が?しかしなぜ暗殺などばれたら、ノーベル家そのものがなくなりかねない事態だぞ…
しかしエイルの表情は真剣そのものでエイルも嘘をいっているようにはとても見えない。
「そんなわけがあるか!父上がそのようなことに関わっていると分かれば、ノーベル家はなくなるぞ」
「だから、汚れ仕事は俺にすべて押し付けてきたのだ!俺だってこんな仕事はやりたくはないしかし一度手を染めてしまったら今度はそれを脅しに…もう父上の汚れ仕事を引き受けるしかなくなっていった」
「しかし、お前が関与しているだけでも父上は失脚するぞ」
「いや、父上は失脚しない」
「それは何故だ!」
私はエイルの胸倉を掴む手に力が入る。
「兄上は皇帝陛下が前皇帝陛下の弟だということは知っているよな」
「もちろんだ、前皇帝陛下に世継が生まれなかった、それゆえ弟のリア陛下が皇帝に即位された」
「前皇帝陛下には落とし子がいたんだ」
「それが何の関係があるのだ」
「父上がひた隠しにしていた事実、これを見ろ兄上」
そういってエイルは一冊の本を地面に投げる。
「これは?」
「我がノーベル家の家系図だ、父が厳重に金庫にしまってあるものだ」
私は胸倉をつかんでいた手を離し、ランタンの薄い光の中私はその本を開く。
アレクシア・ノーベル==金髪・碧眼
エイル・ノーベル==黒髪・紅眼
フリューゲル・ノーベル==黒髪・紅眼
祖父==黒髪・紅眼
曾祖父==黒髪・紅眼
…
そこに記された記録のある7代目まで黒髪・紅眼と記しされている。
私はその事実を突きつけられ、目の前からすべてが崩れていくような気がした。
「ノーベル家はな、代々黒髪・紅眼なんだ」
「そ、そんな私がノーベル家の人間ではない…まさかその落とし子とは…」
「兄上が前皇帝陛下の落とし子だ」
「な、なぜ父上はそれを…」
「兄上を孕んだのは、母上の妹だったからだ」
「たしか、私たちが生まれた日に亡くなったおばが…」
「そうだ、おばは母上と父上にのみ、お腹の子父親を教えていた」
私の母は…父は…
しかしエイルが言ったことが事実だったとしても、父上がそのようなことを指示する人間にはおもえない!
シャーンという音ともに私は剣を抜きエイルに突きつける。
「私には父上がそのような人間には思えない」
「しかし、事実だ」
「嘘をつくな!!私は私はお前にすべてを奪われた地位も名誉も愛するものも」
「すべて、父上が自分の出世の道具に私達を使ったまでだ」
「そんなはずがない!」
「兄上、よく考えてみてくれ、兄上は前皇帝の落とし子、これは父上の最大の武器でこの上ない出世の道具だ」
「なぜ、お前がそのことを知っている!」
「俺はある日、父上の書斎に入ってしまった、そして日記を見つけてしまった、兄上の出生の秘密がかかれた」
エイルはその日記も手にしている。
「兄上これがその証拠だ」
エイルはそのページを開き、私に見せる。
ランタンの揺れる明かりに照らされていたが、それは見覚えのある父の字で、私の出生の秘密について事細かに書かれていた。
私の剣を持つ手が震える。
「で、ではなぜ最大の武器である私をザナビル送りにする、手元に置いておくはずだろ!!」
「それは皇帝が兄上のことに感づきそうになった、それがばれると兄上は殺されかねない、しかし生かしておくことには価値がある」
「だからザナビル送り…」
「そうだ、ガレオンから遠く離れすべてを失ってつらかっただろう兄上…」
エイルの言うことは筋が通っている…
カラン、カラン
隙間風がはいってくる倉庫に剣を落とした音が響く
私の体は膝から崩れ落ちる。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ」
「兄上…」
エイルは私の体を抱きあげる
「私は、私はお前に復讐のためにだけ、ただそれだけ、お前が絶望の淵でくるしむ姿をみることだけを生きがいとして生きてきた、クレアにどんな不幸が訪れようとお前に復讐を果たすことだけを考えてきた…」
「ああ、仕方ない、父上の汚れ仕事は私がすべて引き受けてきたのだからな、勘違いするのも無理はない」
私は証文を取りだし破り捨てる。
「ありがとう、こんな私をゆるしてくれるのかエイル」
「兄上からすべてを奪い、私の未来を奪う父上に一緒に復讐をしよう兄上、私と兄上が手を組めばかなう相手などいない!」
「わかったよ、エイル、私は父フリューゲルを討つ!私の復讐のため、お前の未来のため」
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