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第1章 最底辺

第9話 強欲

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「おまえ、なにもんだよ」
 びっくした顔でミルゲイさんが聞いてくる。
「今回の案の成否は、彼にかかってました、上手くいってよかったです」
「とんでもないやつと知り合いなんだな」
「なんとか会えたのは、一昨日ですよ」
「どんな話を持ち掛けたんだよ?」
「それはまだ秘密です、決勝にいったら分かるのでお楽しみにしてください」

 二回戦からは、ミルゲイさんやエビリさんの緊張も解け、私が出る幕もなく終わった。

 ーーその夜

 食堂に全員集まり、硬いパン、まずいスープの晩御飯で軽い祝杯を挙げる
 エビリさんがボソッと口を開く
「まさか、ここまでいけるとはおもいませんでした、僕も2回勝ってしまいましたし」
「うん、でもそれはエビリさんの実力だよ、強いんだよエビリさんは自信をもって」
「はい」
 ガツガツと不機嫌そうな足音が響き、ドーンという音ともに食堂のドアが開く
 セルゲイさんが勢いよくはいってきて不機嫌そうに開口一番
「何、勝ってんだよ!明日の仕事にも穴あけることになるじゃねーか」
「私達は優勝します」
「なにふざけたこと言ってるわけ?優勝なんてぜったいにさせないからな」
 ザンガスさんがセルゲイさんの胸元をつかむ
「今度ふざけ真似をしたら、俺がお前を殺すからな!」
「なんか私が前に、したみたいな言い方じゃないか、失礼だぞ、雇い主に向かって、今ここで首にしてやってもいいんだぞ」

 ザンガスさんがつかんでいる腕をつかんで声をかける。
「ザンガスさん、落ち着いてください、私たちは卑怯な妨害工作の影響はうけませんから」
「あ、ああ」
 納得したのか、セルゲイさんをつかんでいた腕を離す。

「何があっても優勝だけはさせないからな、覚えてろよ」
 捨て台詞をはいてセルゲイさんは去っていった。

 そうして順々決勝、準決勝も危なげなく、勝つことができた。

 ーー決勝前夜
 セルゲイさんが赤い顔をして、食堂に怒鳴り込んできた
「おい、お前らどうなってやがるんだ!明日は決勝だぞ決勝、分かっていると思うが決勝のあいてはあのレギオンだぞ」
「ええ、知っていますよ、それがなにか?」
「わかってるよな?」
「ええ、優勝を狙って頑張ります」
「馬鹿かお前は、レギオンに勝たせるの、お前ら負けるの、わかってる?」

 ミルゲイさんが面白がっているようでニヤニヤしながら会話に加わる。
「まああの大手ギルドのレギオン様が俺たちのような最底辺ギルドに負けるなんてありえないからねぇそうでしょ団長」
「ま、まあその通りではあるのだが万が一ということもあるからなその辺わかっとけよ」
 セルゲイさんはドアを思いっきり閉め去っていった。

 ザンガスさんがやけに真剣な表情で話し始めた。
「これからのことだが、明日までは何も口にしないほうがいい、とくにセルゲイが用意するものは」
「はい、わかっています、でも明日の朝になったら態度が急に変わるかもしれませんよ」
「なんでだ?」
「私の秘策です」

 まだ夜も明けず、東の空がうっすらと白くなり始めるような時間
「ミルゲイさん、起きてますか?」
「おう、いつも起きる時間だからな」
「今日で私たちの運命は大きく変わります、新しい人生を歩むためにも今日1日頑張りましょう」
「ああ、わかってるよ」

 いつも通りに過ごし、食堂に向かう。
 皆も同じように食堂に集まっている。
 すると昨日とはうって変わって、軽い足取りでドアを開けるセルゲイさんがいた。

「昨日はすまなかった、私も考え方を変えてね、君たちにどうしても優勝をしてほしいとおもってね」

 手には柔らかそうなパンが入ったバスケットと、湯気がでている鍋を手にしている。
「美味しそうですね」
「ああ、君たちには今日の戦いにぜひ勝ってもらいたいとおもって奮発してきたのさ」
「ありがとうございます」
 私がパンに手を伸ばすと

「やめろ!」
 ザンガスさんが引き留める
「大丈夫ですよ、柔らかそうで美味しそうなパンですよ」
 ザンガスさんの静止も聞かず、私はパンを取り口の中に放り込んだ
「スープもあるぞ」
「ありがたくいただきます」
 セルゲイさん、自らスープをさらに入れてくれテーブルに置いてくれる

「だからやめろって」
 ザンガスさんはスープの入った皿を奪い取ろうとする。
 間一髪のところで皿をとり、そのまま口にした。
 頭を抱えるザンガスさん、他のメンバーも唖然とした顔をしている。
「美味しいですよこのスープも」
「ああ、どうせ毒がはいってるからな、決勝はこのアホ抜きで戦わなきゃならない…」
「そんなことセルゲイさんがするわけないじゃないですか?ねセルゲイさん」
「あ、当たり前だ毒なんか入れたら金貨4、いや優勝できなくなるじゃないか」

 それを聞いたミルゲイさんが問い詰める
「金貨4?それなんだなんのことだ?」
「いいや、なんでもない、お前たちは決勝の事さえ考えていればいい」
「ですよねー、優勝目指してがんばりましょう」

 ーー正午前

 闘技場の控室に全員あつまり、思い思いの姿勢で時が来るのを待つ。
 私は石でできたベンチの端に座っている。
 するとザンガスさんが近寄ってきて、半信半疑といった表情で話しかけてきた。
「ほんとに体はなんともないんだな?」
「はい、みなさんも食べればよかったのに」
「信じられん、あのセルゲイが本当に毒をいれてないとは」
「まあ、セルゲイさんも心変わりしたんでしょ、優勝したほうが実が多いっと思ったんじゃないですかね?」
「あいつは目先の損得で動く男だ、優勝してどうのこうのっていう計算は働かないと思うんだが」

 係員がやってきて声をかける
「ヘブンズワークスさん出番ですよ」
「はい」
 全員で立ち上がり、決勝の舞台へ望む。


 会場が割れんばかりの大歓声に包まれる、もう他の試合は行われておらず、満員の観客は自分達とレギオンの試合を観戦にきているのだ。
 どうも私たちは最底辺ギルドの奇跡として、人気が高くなっており、私達が入場するとレギオンの連中よりも歓声が大きいように感じた。

 レギオンのメンバーと顔を合わせる、その服装は全員おそろいの黒い服を纏っており、全員が全員筋骨隆々で、鍛え抜かれているという感じを受ける。

 隣にいるミゲイルさんに話しかける。
「流石ですね、強そうだ」
「ああ、レギオンの連中は3大会連続で優勝しているからな」
「じゃあ私たちが止めるということですね」
「まあそういうことだな」

 先鋒のミゲイルさんが位置につき、相手選手も位置についた。

 結果から言うとミゲイルさんの圧勝だった。
 首をかしげながらミゲイルさんが戻ってきた
「なんかおかしい、あいつら手を抜いてる?」
「そんなぁ4連覇がかかった決勝ですよ」

 エビリさんが続いて、位置に着く
 初戦のような緊張は見られず、これもあっけなく試合終了
 審判はエビリさんの勝利を宣言した。

 スミトフさんも同様にあっけなく片が付き、拍子抜けする決勝戦であった。
 いままでの大会で3-0で勝敗がきまることなどなかったとのことで、会場がざわついていた。

 セルゲイさんがうれしそうに跳ねるよう駆け寄ってきて
「お前らよくやった、すごいさすがだ」
 と褒めちぎったあとに
「ちょっと話があるから、レクシアと、スミトフ、あとで俺のところにきてくれ」
 そういうと足早にさっていった。

 ミルゲイさんが不思議そうな顔をして
「ほんとに優勝して喜んでたな、あいつ」
「ええ、そうですね、話があるみたいなので私とスミトフさんは行きますね、祝勝会は帰ってきてからで」
「ああ」

 表彰式などが終わり、ひと段落つき、スミトフさんに声をかける
「それじゃ、セルゲイさんのところにいきましょうかね」
「そうだな」

 これで3度目になるセルゲイさんの家に向かう。
 部屋に入り、いつもの部屋に向かう
 すると中には、リディムさんとお付きの人がおり、お付きの人の手には大きな旅行鞄が握られている。

 私たちの姿をみてリディムさんが声をかけてくれた
「優勝おめでとう、感動したよ」
「ありがとうございます、ただ最後の試合はちょっと拍子抜けしましたね」
「ああ、レギオンがあそこまで弱かったとは」
 セルゲイさんが口を挟む
「まあ、その話はもういいだろう、本題に入ろう」
 リディムさんがうなづく
「ええ」
「この方はホフナー商会の会長リディム・ホフナーさんだ」
「はい、知ってます」
「ほう、知っているなら話は早い、この方がヘブンズワークスを買い取ってくれることになった」
 スミトフさんは目を丸くしている。

 セルゲイさんは権利書と思わしき書類を机の上に置いている
 リディムさんが手で合図をすると、お付きの人が旅行鞄を机の上に置く。
「さすがに金貨4000枚重そうですなぁ」
「ホフナー商会の1年間の売り上げの半分ですからな」
「おお、さすがホフナー商会」
 セルゲイさんは、旅行鞄を開ける、すると中に金貨はなく紙切れ一枚が入っている。

「あれ金貨は?」
「その紙をよくお読みください」
「これは契約書じゃないか、ほらここにも今日金貨4000枚支払うとかいてあるじゃないか」
 私がボソッとつぶやく
「本当に4000枚って書いてますか?本当に」
「え?」
 はっとした表情で、セルゲイさんは4000枚と書かれた部分を爪ではいだ。
「ただで譲渡するだと!」

 リディムさんが冷たく話す
「ええタダでいただきます、その契約の通りにね」

「ばかばかしい、こんなものは無効だよ、無効、金貨4000だ4000渡さない限り権利書は渡さないからな」
 私はセルゲイさんにあえて聞こえるようにリディムさんに話しかける。

「無効かどうかは、その契約書が判断をするんじゃないですかねリディムさん」
「ああ、そうだな、その契約書が判断するだろう」

 セルゲイさんの顔は一気に青ざめ、脂汗をながしている。
「そんなまさか、深淵の…まさかあれは、そう簡単に手に入る代物では…」
リディムさんは表情を変えずに続ける。
「まあ疑うのならば、その契約書を破り捨てればわかると思うが…」

「わかった!!わかった!!ギルドはただで譲る」
 そういうと、セルゲイさんは、権利書をリディムさんに渡し床に力なく座り込んだ。
 権利書を受けったリディムさんは、私に権利書を渡し
「この権利書は、優勝賞品です、どうぞ受け取ってください」
「いいんですか?」
「もちろんです。今度はホフナー商会からあなた達に仕事を頼みます」
「はい、ぜひお願いします」
 そういうとリディムさんはお付きの人を従え、颯爽と帰っていった。

 私もスミトフさんと祝勝会を心待ちにしているメンバーのもとに向かった。

 帰る道すがら
 スミトフさんが話しかけてくる
「セルゲイの奴はどうして、あんな無茶な契約を受けたんだ?」
「どうしてでしょうね?強欲すぎて契約書に書かれてたことよく見なかったんじゃないでしょうか」
 そういって私は契約書を取り出す。

「あっそれ」
「これはもういりません」
 私は契約書を破り捨てた。
「破って大丈夫なのか?深淵がどうとかいってたが」
「どうでしょうね、でも私の身に降り注ぐことじゃないですから」
 無邪気に笑って見せた。


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