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1章 追放からの仲間集め編

黒魔と白魔の勉強会

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「タナカさん難しい顔してなにしてるんですか?」
 ニコが俺に話しかけている、俺はコンソールを開いて、Webを見ていた。
「白魔の勉強」
「なるほど、姫ちゃん大作戦の第2弾というわけですね」
「ああ、そうだ、第1弾シュラウドさんとアリシャさんを引き離すのは成功した、次はアリシャさんに現実を知ってもらいながら、機嫌を損ねず、スキルアップ作戦だなそのため自分が白魔のことを知らないとだめだからな」
「ですねー、そういえば、タナカさん、黒魔の勉強もしてましたよね?」

「ああ、クロスさんに教える必要があったからなー」
「じゃあ、今から黒、白の勉強会をしましょう」
「ああ、でも今日Twoitchでアレクサンドリアの生配信があるんじゃなかった?」

「あれは22時からなので1時間あります」
「おk、じゃあ黒魔から始めるわ」

 黒魔道士とは、MPを消費して敵にダメージを与える、火力職つまりDPSである。よってMPがなくなると、なんにもできなくなってしまう。それを解消するためにポジションというものがある。アドミラルポジションはMPを消費しながら魔法を放つもので、アンアドミラルポジションがMPを回復しながら魔法を放つことができるものだ。

 アドミラルポジションで魔法攻撃をするとアドミラルというものが蓄積し最大3まで上げることができる、数値が高いほど攻撃力が上がるが、MP消費も高くなる。
 アンアドミラルポジションでも魔法攻撃をするとアンアドミラルというものが蓄積し最大3まで上げることができ、数値が高いほどMPの回復量が多くなる。

 これだけでみると、アンアドミラルポジションでひたすら攻撃をし続けれは、MPを気にせずに攻撃ができると思われるが、アンドミラルポジションでは、攻撃力が1/10になってしまうので効率がいいとは言えない。

 アドミラルポジションで攻撃をしつつ、MPの具合でポジションチェンジを行い、素早くアンアンドミラル3に持って行きMPを回復させアドミラルに戻すというのが基本的なスキル回しとなる。

 属性魔法は代表的な物で、炎系と氷系がある。
 炎属性系は、ファイア、ファイナ、ファイジャンの順であるが、ファイナは範囲魔法で、基本的にファイア系を使う場合は、ファイア、ファイジャンをメインに使うこととなる。

 氷属性系は、フリーズ、フリージャー フリージャンに分かれており、これも炎系と同様に基本的にはフリーズ、フリージャンをメインに使う、フリージャンは範囲魔法であるので敵が複数いる場面で使う。

 黒魔道士最大の攻撃が、プラズマエクスプローディングだが、これはMPを全部消費してぶっ放す魔法で爆裂魔法と呼ばれている、詠唱の長さと、MPをすべて使うという不便さはあるものの、ポジションチェンジを使うことで、黒魔道士の必須の魔法と呼ばれる。

「こんなところでいいですか?クロスさん」
 ちょうどうちに来たクロスさんに確認をする。
「うん、そんなとこかな、あとは細かいスキル回しのテクニックとかあるんだけど、アンアドミラルポジション中でも火力が下がらない魔法とかね」
「そんなのもあるんですねー」
「うん」
「爆裂しかさせてなかった頃とは大違いだ、おじさんは嬉しいです」
「いやぁ、あれからめっちゃ勉強して、木人たたきまくってますからね」
 クロスさんは本当に勉強熱心で、あっというまに上手くなっていった。

「次は白魔ね」
 クロスさんとニコが興味津々といった表情でこちらをみている。

 白魔道士とは、ピュアヒーラーに位置づけされるヒーラーで、ダメージを受けたら回復をするという基本のもとに設計されたヒーラーである。多種多彩な回復魔法を所持しているが、MP回復手段が『世界の祝福』といアビリティに依存しているため、MP管理が難しい、また高いヒール能力のため、ヒールヘイト高くなりやすい、前述の『世界の祝福』は自身のヘイトを半減させる効果もあるため、このアビリティの使いどころが上手い白魔と下手な白魔を分ける境目となる。

 回復魔法は、基本的にキュア、キュアラ 、キュアラズンとい魔法であるが、キュアラズンは範囲回復魔法であるので、キュア、キュアラを使って回復させることになる。キュアを使うと確率でキュアラのMPが0になることがあり、それらも上手く使って立ち回り、MPの管理をしていく。

 またキュアジェという持続回復魔法や、全体回復のメディライトなどもあり、レイドには必須なヒーラーである。
 攻撃魔法もあり、ホーリーボールと呼ばれる、聖なる光の球を生み出すことができる。ただ、その光の球を自ら投げてぶつけなければならないので、姫ちゃん達の間ではダサいといって攻撃をしないヒーラーもいる。

「まあ白ちゃんはこんなところかなー」
「なるほどー世界の祝福が、キーポイントなんですね」
 ニコが真剣な表情で話をする
「そうだね、このアビリティの使い方次第だね、まああとはキュアジェが結構くせ者で、戦闘開始前に掛けて置いたりしたらヒールヘイトでタゲが白ちゃんに行きやすくなるから、注意が必要かな」

「そうですね、HP満タンなのに回復してるわけですからね」
 クロスさんも真剣な表情をしている。

 時計に目をやる、21:55になっている

「ニコもうすぐ22時だけどいいのか?」
「あああ忘れてました、タナカさんもクロスさんも一緒に見ませんか?」
「何があるんです?」
「アレクサンドリアの幻想の王邂逅編5層の生配信です」
「え?でも彼らとっくにクリアしてなかったですか?」
「そうなんですけど、今回は名工装備なし、レイド産装備なしで戦うっていうチャレンジ企画です」
「す、すごい、トップ層はそんなことしてるんですね」
「ああ、世界一のレイドチームだからなぁ」
「みます、みます」

 3人でTwoitchを見始める、リビングで3人同時見えるように、投影機を設置し配信を映し出した。

 8人がきちんと連携をとり、一つのミスも許されないなか、完璧な動きでクリアをしてみせた。

「ふーー、すごすぎて参考にならんわ」
 俺が率直な感想を話す
「…」
 クロスさんは初めてアレクサンドリアの配信をみたようで、衝撃を受けていたようだった
「すごいですーーすごいですーー、格闘家のババクロさんほんとすごいですー」
 ニコは同じジョブの動きをみて感動をしているようであった
「いつかは自分たちもあの舞台にいくんですね」
「うん、彼らのようなチャレンジ企画は無理としてもレイド最高層のクリアは目指すよ」
「はい」
 ニコとクロスさんが同時に返事をした。

 アリシャさんは23時過ぎにログインしてきたので、一緒にダンジョンに4人で初ダンジョンに行くこととした。
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