デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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スキルを使って生き残れバトロワ編

第13話 意外な決着

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「さあ立って! エイジくん!」

 ゴクリ……生唾を飲み込む。

 HPは残り50こんな状態でキング戦えと? キングの表情はウキウキしているようにも見え、俺との戦いが待ちきれないといった感じだ。

 まだ俺には鈍足が罹ってる……ということは、キングに鈍足を使用して……戦う? 鈍足が切れるのはあと30秒ほど……やるとしたら今しかない。

 立ち上がりながら俺は口を開く。
「ター……」
 といった瞬間キングは後ろにぴょーん跳ぶ。

 俺はそのまま
「ゲットインフェクション」
 と続けると射程外ですと言う表示が出る。

「エイジくんのスキルを喰らうわけにはいかないよ。1分ぐらいはこの距離を取らせてもらうよ」

 ゆっくりと立ち上がる俺。

 逃げようとしても鈍足が罹ってるから逃げ切れない。鈍足が切れた瞬間キングは襲いかかってくる。
「これが僕のエイジくん対策」

 剣を構えゆっくりと円を描きながら歩くキング、その距離はぴったり10メートルをキープしている。

 ……正直勝てる要素がない……鈍足が切れるまであと15秒……10秒……

 覚悟を決めるしか無い! 盾をキングに向けて剣を構える。

「エイジくん。いい顔してる! さあムカデ最強を決めよう!」

 5……4……3……2……1……

「うぉぉぉぉぉぉ」
 無我夢中で叫びながらキングに突っ込んでいく。

「え?なんで?」
 キングが困惑の表情で呟いたのが見えた

 俺が剣を水平に薙ぐ、それをなんとかかわすキング。しかもかわすだけで精一杯という感じで反撃に転ずることができない。

「エイジくんまだデバフに……」
 と呟くのが聞こえる。

 ん?俺は感染を使ってないぞ?……あ! キングは知らないんだ!! 普段1時間しかゲームができないから蚊に刺されてデバフをもらうという可能性があるということを!! ということは今、キングは発熱というデバフに罹っている! その効果は意識朦朧を再現するために視界が歪む。

 ……そして恐ろしいことにも同時に気がつく。キングは視界が歪んでてても俺の攻撃をかわしているということに……

 発熱デバフの作用時間なんてしらない……でも今、ここでキングをどうにかしないと、絶対に勝てない!

 ブン、ブンと剣を振り回すがやはり剣で受け止めたり、かわしたりとクリーンヒットを当てることができない。そしてポンっと跳んで俺との一定の距離を取ろうとする。

 そして何故かキングからは攻撃をしてこない。これほどうまくかわせるのだから攻撃も当てることができるはずだろうに……そしたら俺はその攻撃を盾で受け止めて確実に攻撃できるのに……

 ……いや……たぶんそれを読まれてるからキングから攻撃してこないんだ……そしてキングの狙いはこのままデバフ終了の時間まで引っ張ること……だったら攻撃を避けることに集中すればいい。たぶん一定の距離を取ったほうが見えやすいんだ。

「あれ?エイジくん攻撃するの止めたの?」
 挑発するようにキングが俺に話しかける。

 考えろ……考えろ……俺が有利な状況には変わらないんだ。キングの作戦に飲まれちゃだめだ……視界は歪んで見えにくいはずなのに……

 ……見えにくい……見えにくい……まだ見えている!! そうだ!! 見えにくいというだけであって! まだ見えてるってことだ! 今の俺にデバフは無い……無いけど……アイテムがある!! たった一つの拾ったアイテムが!

 アイテム欄を開いて発煙筒を選択する。左手に発煙筒が握られる。ぐっと発煙筒を握って発動させるぼふっと言う音ともに凄い勢いで煙が立ち込めはじめて煙が俺やキングを包み込む。

「しまった!! これじゃエイジくんが見えない! 」
 キングがそう言って動き出そうとする瞬間、もう既に間合いを詰めた俺のWSの発動とともにキングを叩き斬る!

 確かに手応えがあった。そしてWSが発動した音も聞こえた。

 5秒後には煙が薄くなり、俺の足元に茶色の木箱が転がっていた。







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