上 下
45 / 85
大規模襲撃イベント バハムート編

第1話 初めての防衛戦

しおりを挟む
 ――翌日

 学校の下駄箱でタケシと会う。

 こいつワザと俺と時間を合わせてんじゃないかと思うぐらいの接近遭遇率。
「おはよータケシ」
「おはよー! PDレポートみたか?」
 タケシは少し興奮気味に話をしている。どうやらタケシは黒田死ね派では無いみたいだな。

「俺、バハムートみたよ!!」
「ああ、TELくれたもんな……まさかお前らがクリアしたの!?」
「ちげーよ。俺の情報網によるとクリアしたのはレッドデビルっていうダンジョン攻略のトップクランだよ」
「へぇぇ」
「お前もレベルキャップまで上がったんだろ?」

「うん。上がったよ」

 そう闘技場攻略の傍ら、ダンジョン攻略も行いダンジョン影の国のクリアを達成。アバターレベル60、ジョブレベル50のレベルキャップまでレベルを上げることができた。

 装備は防具に関してはロジャーさんに格安で作ってもらっている。当然デバフ耐性DOWN(大)とデバフ時間延長という普通の人から見たら呪われたような装備だけど。

 ちなみに武器はクソヘパイスには頼めないので真・呪いの剣は闘技場以外では使ってない。

「だったらお前も参加な」
「ああ、面白そうだから参加するよ」

 こうしてタケシと別れ、学校が終わると直帰する。

 そして今17:57を迎える。逸る気持ちを抑えヘルメットかぶり、ベッドに横になるそしてひたすら待つ。

 ……3分なげぇぇぇ……1分前にしときゃ良かった……

 そして18時ジャスト。

 ログインするとムカデ洞窟から始まる。シゲゾーやキング、他のみんなも18時ジャストにログインしてきた。みんなここで強制ログアウトを喰らったんだった。

 ビー!ビー!と警報音が鳴る。
 そして視界の真ん中にファールースの街から救難信号と表示される。

 みんなで顔を見合わせる。みんなに同じ表示がされたんだろう。
「シゲゾー、この街どこ?」
「ウェスラー地方の街だ。一緒に行ってみよう」

 ムカデ洞窟にいるみんなと一緒にファールースの街に転移を始める。

 転移が終わり目の前の広がったのは、風車が何基も置かれた、オレンジの屋根に白い壁が家が立ち並ぶ海沿いの綺麗な街並み。

 空をみると真っ黒な暗雲のようなものが街を覆い隠そうとぬうっと雲ではありえない動きを見せる。その雲をよく見てみると1匹1匹が軽自動車ほどの大きさの竜。その数はゲームとはいえ恐怖を覚えるほど、恐らく数千いや万単位の飛竜の群れ。

 そしてその飛竜の群れの真ん中に大きな山ほどある身体を動かすムービーでみたバハムートの姿がある。


「……これはちょっと凄いね……1時間でどうにかなるのかな……あはは」
 一緒に転移してきたキングも息を呑んでいる。

 続々と他のプレイヤー達もこの街に転移してくる。
「取り敢えずパーティ組むか」
 シゲゾーの提案でキングとシゲゾーとパーティを組む。

 ちょうどそこにホムホムさんやアランの姿もある。
「ホムホムさん! 」
「あっエイジくん! パーティ空いてる?」
 うんと頷き、ホムホムさんとアランをパーティに加える。

 視界の右上に街耐久度と書かれたゲージがある。このゲージがなくなると敗北ということになるらしい。
 そして飛竜達が続々と街に舞い降りる。その飛竜達は口から火を吐いたり、その爪で街を破壊していく

 その1匹が俺達の前に現れ、赤く燃える口を開き火球を吐き出す。それを俺が盾で受けると5のダメージとともに炎上のデバフがつく。

「シゲゾー、俺に麻痺をくれ」
「分かった!」

 シゲゾーはそのまま背後に周り俺を殴る。
 麻痺のデバフを喰らったせいで、俺の体は動かなくなる。 

 動かない体のまま、
「ターゲットインフェクション」
 と呟く
 するとそしてその場で硬直し動けなくなる飛竜。そしてスリップダメージも毎秒6入っている。そのまま全員でタコ殴りにし飛竜を倒す。

「バハムート行ってみる?」
 ホムホムさんが提案をする。

 このまま街を破壊している飛竜を放っていくのは少し気が引けるが、せっかくだからバハムートを拝んでみたい。運が良ければそのまま倒せるかもしんないし……

 俺のおかげで倒せたりしたら、さすがに話題になるだろう……せっかくショーグンに勝ったのにだーれも話題にせずに、GMに斬りかかった奴とか言われてるし……

「行こう! 」

 とは言ったものの体は麻痺って動かないので、シゲゾーにお姫様抱っこをして貰い、俺達に攻撃しようと舞い降りてくる飛竜を麻痺らせながらバハムートの元に向かった。

 麻痺がちょうど切れる頃、沢山のプレイヤーから攻撃を受ける山のように大きな竜、バハムートの姿があった。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

引退した元生産職のトッププレイヤーが、また生産を始めるようです

こばやん2号
ファンタジー
とあるVRMMOで生産職最高峰の称号であるグランドマスター【神匠】を手に入れた七五三俊介(なごみしゅんすけ)は、やることはすべてやりつくしたと満足しそのまま引退する。 大学を卒業後、内定をもらっている会社から呼び出しがあり行ってみると「我が社で配信予定のVRMMOを、プレイヤー兼チェック係としてプレイしてくれないか?」と言われた。 生産職のトップまで上り詰めた男が、再び生産職でトップを目指す! 更新頻度は不定期です。 思いついた内容を書き殴っているだけの垂れ流しですのでその点をご理解ご了承いただければ幸いです。 ※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。

Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六
ファンタジー
極振りしてみたり、弱いとされている職やスキルを使ったり、あえてわき道にそれるプレイをするなど、一見、非効率的なプレイをして、ゲーム内で最強になるような作品が流行りすぎてしまったため、ゲームでみんな変なプレイ、ロマンプレイをするようになってしまった。 この世界初のフルダイブVRMMORPGである『Alliance Possibility On-line』でも皆ロマンを追いたがる。 憧れの、個性あふれるプレイ、一見非効率なプレイ、変なプレイを皆がしだした。 そんな中、実直に地道に普通なプレイをする少年のプレイヤーがいた。 名前は、早乙女 久。 プレイヤー名は オクツ。 運営が想定しているような、正しい順路で少しずつ強くなる彼は、非効率的なプレイをしていくプレイヤーたちを置き去っていく。 何か特別な力も、特別な出会いもないまま進む彼は、回り道なんかよりもよっぽど効率良く先頭をひた走る。 初討伐特典や、先行特典という、優位性を崩さず実直にプレイする彼は、ちゃんと強くなるし、ちゃんと話題になっていく。 ロマンばかり追い求めたプレイヤーの中で”普通”な彼が、目立っていく、新感覚VRMMO物語。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波
ファンタジー
新入社員として社会の波にもまれていた「青葉 春」。 社会人としての苦労を味わいつつ、のんびりと過ごしたいと思い、VRMMOなるものに手を出し、ゆったりとした生活をゲームの中に「ハル」としてのプレイヤーになって求めてみることにした。 ‥‥‥でも、その想いとは裏腹に、日常生活では出てこないであろう才能が開花しまくり、何かと注目されるようになってきてしまう…‥‥のんびりはどこへいった!? ―― 作者が初めて挑むVRMMOもの。初めての分野ゆえに稚拙な部分もあるかもしれないし、投稿頻度は遅めだけど、読者の皆様はのんびりと待てるようにしたいと思います。 コメントや誤字報告に指摘、アドバイスなどもしっかりと受け付けますのでお楽しみください。 小説家になろう様でも掲載しています。 一話あたり1500~6000字を目途に頑張ります。

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件

こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。 だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。 好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。 これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。 ※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ

三男のVRMMO記

七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。 その名も、【Seek Freedom Online】 これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。 ※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。 ※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。 ※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。 ※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。 ※お察しの通りご都合主義で進みます。 ※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。 この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)> 変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。 内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。

処理中です...