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第6章 剣聖剥奪
第108話 南へ
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30分程抜け道を行くと、突き当りに辿り着く。突き当りの壁をぐっと力を込めて押す。スーッと壁が動き光が漏れてくる。
そのまま壁を押し続けると人が通れる隙間になり、太陽の光を全身に浴び、暗闇で目が慣れたせいか眩しさで目を細める。
トンネルから出て後ろを振り返ると王都のを囲む壁が遠くに見え、その門は固く閉ざされている。
俺はトンネルの中で歩きながら考えていたことを纏める。それはどうやってペンタグラムに行くのか?だ。
ペンタグラムの位置ははっきりとは分かっていない。鎖国政策を取っていたこともあり、騎士学校の時計塔などの例外もあるが、基本的に他国の交流することはなかった。そして在外ペンタグラム人達もその場所を決して言わなかった。
俺自身も父の転移魔法で飛ばされたからペンタグラムがどこにあるかなんて知るわけがない。
しかし巨石城が落とされたということはペンタグラムは十王国に西に位置しているということが分かる。巨石城は十王国西の要害。ここを最初に落としたということは西に位置をしているのだろう。
とりあえず進むべき道は決まった。でも真っ直ぐに西に進むわけにもいかない。このまま真っ直ぐに進めばペンタグラムの軍勢と鉢合わせになる。
一旦南の街サウストンと目指す。そしてそこから西を目指す方法南回りか、北へ行き西を目指す、北回りか……国王はウィンタールへ行き再起を目指すと言っていた……万が一にも遭遇することはないだろうが……ここは南回りの方が安全である。
国王から逃げる元剣聖か。俺は自然と声を上げて笑う。笑ったせいで体に痛みが走り我に変える。
そうだ……俺は王や貴族を守るために剣聖になる道を選んだんじゃない。もう剣聖じゃないけど……十王国に住む人の生活を守るためにやり遂げるしか無いんだ。
南の街サウストンのことを思い出す。一度だけ行ったことがある。大きな湖のほとりの街で、肥沃な土地で農作物がよく取れ、湖では水産物がよく取れた。それ故、十王国の台所ともいわれている。
そんな土地を治めているのはベルディン卿という貴族である。そんな土地を治めている貴族であるため十王国の中でも有力貴族の一人であるのだが、なぜか国王との折り合いが悪かった。過去に色々と何かあったらしいのだが……
そして有力貴族の一人ではあるのだが、俺の剣聖授与式には代理のものが参加していた。国王が行く先をウィンタールへ決めたのもこのベルディン卿がいるサウストンへは行きたくないというのもあったのだろう。
もう迷う必要もないサウストンへ向かおう。
先輩……セネバ王子……そして王都の市民……王都に残る人々のことを思い出す。俺は……必ずペンタグラムにたどり着きます。俺は王都に背を向けて南へ進む一歩を出した。
そのまま壁を押し続けると人が通れる隙間になり、太陽の光を全身に浴び、暗闇で目が慣れたせいか眩しさで目を細める。
トンネルから出て後ろを振り返ると王都のを囲む壁が遠くに見え、その門は固く閉ざされている。
俺はトンネルの中で歩きながら考えていたことを纏める。それはどうやってペンタグラムに行くのか?だ。
ペンタグラムの位置ははっきりとは分かっていない。鎖国政策を取っていたこともあり、騎士学校の時計塔などの例外もあるが、基本的に他国の交流することはなかった。そして在外ペンタグラム人達もその場所を決して言わなかった。
俺自身も父の転移魔法で飛ばされたからペンタグラムがどこにあるかなんて知るわけがない。
しかし巨石城が落とされたということはペンタグラムは十王国に西に位置しているということが分かる。巨石城は十王国西の要害。ここを最初に落としたということは西に位置をしているのだろう。
とりあえず進むべき道は決まった。でも真っ直ぐに西に進むわけにもいかない。このまま真っ直ぐに進めばペンタグラムの軍勢と鉢合わせになる。
一旦南の街サウストンと目指す。そしてそこから西を目指す方法南回りか、北へ行き西を目指す、北回りか……国王はウィンタールへ行き再起を目指すと言っていた……万が一にも遭遇することはないだろうが……ここは南回りの方が安全である。
国王から逃げる元剣聖か。俺は自然と声を上げて笑う。笑ったせいで体に痛みが走り我に変える。
そうだ……俺は王や貴族を守るために剣聖になる道を選んだんじゃない。もう剣聖じゃないけど……十王国に住む人の生活を守るためにやり遂げるしか無いんだ。
南の街サウストンのことを思い出す。一度だけ行ったことがある。大きな湖のほとりの街で、肥沃な土地で農作物がよく取れ、湖では水産物がよく取れた。それ故、十王国の台所ともいわれている。
そんな土地を治めているのはベルディン卿という貴族である。そんな土地を治めている貴族であるため十王国の中でも有力貴族の一人であるのだが、なぜか国王との折り合いが悪かった。過去に色々と何かあったらしいのだが……
そして有力貴族の一人ではあるのだが、俺の剣聖授与式には代理のものが参加していた。国王が行く先をウィンタールへ決めたのもこのベルディン卿がいるサウストンへは行きたくないというのもあったのだろう。
もう迷う必要もないサウストンへ向かおう。
先輩……セネバ王子……そして王都の市民……王都に残る人々のことを思い出す。俺は……必ずペンタグラムにたどり着きます。俺は王都に背を向けて南へ進む一歩を出した。
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