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第13話 剥き出しの顔
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「ではいくぞ」
シスディアスが呟くとゴーレムは瞬時に間合いを詰めてくる。その巨体とは思えないほどの速さ。
俺も負けずと奴の懐に飛び込む。こいつを早く倒して報酬を貰ってフェス100連を引く為に。
奴が放った拳を難なくかわした俺は全力で脇腹を殴る。
岩でできたゴーレムの脇腹は俺の一撃で脆くも崩れさり、バランスを崩し片膝をつく。
シスディアスはニヤッと笑う。
「それで勝ったと思ったのか?」
すると今度は左手が俺を掴みかかろうと伸びてくる。
それを手刀で叩き斬る。
「早く呪いを解け。解いたら命だけは助けてやる」
シスディアスは不敵な笑みを浮かべ「なんじゃもう勝ったつもりか」と笑った。
すると切り落とした筈の腕が俺の足を掴む。そして立ち上がったゴーレムの脇腹は綺麗に治っている。
「ゴーレムは岩でできておる!! 儂が魔力を供給する限り無敵じゃ! このままなぶり殺してやる!」
シスディアスがそういうとゴーレムは右手を振り上げる。
足をゴーレムの左手に掴まれ身体を瞬間的に動かすことができない!
俺の頭は高速で回転し、この局面を打破する展開を模索した。
そしてその答えがこれだ!!
ボコーン!!
俺の全力を込めた拳はゴーレムの胸に剥き出しになったシスディアスの顔にクリーンヒットをする。
ゴーレムはよろめきバラバラに砕け、剥き出しになったシスディアスは鼻血を出しながらうつ伏せに倒れる。
うつ伏せになったままでシスディアスは悔しそうに声を漏らす。
「……何故じゃ何故……顔が弱点と分かった……それに足を掴まれていては顔まで手が届かない筈……」
「よく見ろよ」
「う、浮いてる?ゴーレムの手と一緒に?」
「俺の高速機転(中)が導き出した答えがこれだ!」
――以下数秒前の頭の中。
(こいつ顔、剥き出しだしどうみても顔が弱点よな。でも手が届かないんだよねぇ切り離した左手に足掴まれてるから。この左手は力が強くて振り解くのに時間が掛かりそう。そしたら殴られるよね。殴られるのは嫌だよなぁ……なんか方法ないかな?俺の能力で……思いついた。重力制御だ重力制御(中)を使ってこの手を宙に浮かせば俺も一緒に浮くんじゃなかろうか?)
俺はあの一瞬でこの答えを導き出した。
これを瞬時に思考することができた俺は重力制御を使ってゴーレムの手とともに浮かび上がりシスディアスの顔を殴ったというわけ。
高速機転が(小)だったらここまで頭が回らなかったし、重力制御(小)だったら手を浮かすことが出来なかった。
フェスを引いて無ければ今頃、あのゴーレムに負けていたかもしれない。
少し遅れて左手もバラバラになり俺は地面に降りシスディアスの傍らに立つ。
ブワッと血を吐いたシスディアスは息も絶え絶えで話し掛けてくる。
「あっひゃっひゃっひゃっ儂はやっと死ねる……」
「やっと?」
「そうじゃ……儂は暗黒教団の教祖として三百年の間、生者の呪いを受け生きてきたのじゃ……もう充分じゃ」
「じいさん……」
敵だったのに最後はしんみりしちゃったなぁ……でも爺さんの自業自得だし仕方ない。
俺が感傷に浸ってしんみりした顔で爺さんを見送ろうとしているとニヤッと笑って
「儂は人が絶望する顔を見るのが最高に好きなんじゃ……儂の死によってアリシアにかけられた呪いは完成する。ひゃっひゃっひゃ……」
「は?」
シスディアスはグハッと血を吐いてそのまま果てた……
「おい! 呪いが解けないってどういうことだよ!!」
シスディアスの身体を揺するが当然起きるわけもない。
やば……報酬が……フェス回せなくなっちゃう……
◇◆◇
「……儂は何故生きておる……」
パチリと目を開けたシスディアスが呟いた。
「死者蘇生(仮)+」
俺はシスディアスにそう告げる。
死者蘇生(仮)+この力は死者を蘇らせることができる能力。ただし蘇った死者は仮初の肉体、アンデットとして蘇生する。
正直、こんな能力いつ使うんだと思ったが……役に立った……
「な……そ、そんな馬鹿な……儂がアンデットじゃと……」
「そういうこと。それじゃ呪い解くまで分かってるよね?」
ポキポキと指の関節を鳴らす。
「呪い解いたって嘘ついてもダメだからね。アリシアさんの様子はすぐに分かるから。さあ何回死にたい?」
シスディアスが呟くとゴーレムは瞬時に間合いを詰めてくる。その巨体とは思えないほどの速さ。
俺も負けずと奴の懐に飛び込む。こいつを早く倒して報酬を貰ってフェス100連を引く為に。
奴が放った拳を難なくかわした俺は全力で脇腹を殴る。
岩でできたゴーレムの脇腹は俺の一撃で脆くも崩れさり、バランスを崩し片膝をつく。
シスディアスはニヤッと笑う。
「それで勝ったと思ったのか?」
すると今度は左手が俺を掴みかかろうと伸びてくる。
それを手刀で叩き斬る。
「早く呪いを解け。解いたら命だけは助けてやる」
シスディアスは不敵な笑みを浮かべ「なんじゃもう勝ったつもりか」と笑った。
すると切り落とした筈の腕が俺の足を掴む。そして立ち上がったゴーレムの脇腹は綺麗に治っている。
「ゴーレムは岩でできておる!! 儂が魔力を供給する限り無敵じゃ! このままなぶり殺してやる!」
シスディアスがそういうとゴーレムは右手を振り上げる。
足をゴーレムの左手に掴まれ身体を瞬間的に動かすことができない!
俺の頭は高速で回転し、この局面を打破する展開を模索した。
そしてその答えがこれだ!!
ボコーン!!
俺の全力を込めた拳はゴーレムの胸に剥き出しになったシスディアスの顔にクリーンヒットをする。
ゴーレムはよろめきバラバラに砕け、剥き出しになったシスディアスは鼻血を出しながらうつ伏せに倒れる。
うつ伏せになったままでシスディアスは悔しそうに声を漏らす。
「……何故じゃ何故……顔が弱点と分かった……それに足を掴まれていては顔まで手が届かない筈……」
「よく見ろよ」
「う、浮いてる?ゴーレムの手と一緒に?」
「俺の高速機転(中)が導き出した答えがこれだ!」
――以下数秒前の頭の中。
(こいつ顔、剥き出しだしどうみても顔が弱点よな。でも手が届かないんだよねぇ切り離した左手に足掴まれてるから。この左手は力が強くて振り解くのに時間が掛かりそう。そしたら殴られるよね。殴られるのは嫌だよなぁ……なんか方法ないかな?俺の能力で……思いついた。重力制御だ重力制御(中)を使ってこの手を宙に浮かせば俺も一緒に浮くんじゃなかろうか?)
俺はあの一瞬でこの答えを導き出した。
これを瞬時に思考することができた俺は重力制御を使ってゴーレムの手とともに浮かび上がりシスディアスの顔を殴ったというわけ。
高速機転が(小)だったらここまで頭が回らなかったし、重力制御(小)だったら手を浮かすことが出来なかった。
フェスを引いて無ければ今頃、あのゴーレムに負けていたかもしれない。
少し遅れて左手もバラバラになり俺は地面に降りシスディアスの傍らに立つ。
ブワッと血を吐いたシスディアスは息も絶え絶えで話し掛けてくる。
「あっひゃっひゃっひゃっ儂はやっと死ねる……」
「やっと?」
「そうじゃ……儂は暗黒教団の教祖として三百年の間、生者の呪いを受け生きてきたのじゃ……もう充分じゃ」
「じいさん……」
敵だったのに最後はしんみりしちゃったなぁ……でも爺さんの自業自得だし仕方ない。
俺が感傷に浸ってしんみりした顔で爺さんを見送ろうとしているとニヤッと笑って
「儂は人が絶望する顔を見るのが最高に好きなんじゃ……儂の死によってアリシアにかけられた呪いは完成する。ひゃっひゃっひゃ……」
「は?」
シスディアスはグハッと血を吐いてそのまま果てた……
「おい! 呪いが解けないってどういうことだよ!!」
シスディアスの身体を揺するが当然起きるわけもない。
やば……報酬が……フェス回せなくなっちゃう……
◇◆◇
「……儂は何故生きておる……」
パチリと目を開けたシスディアスが呟いた。
「死者蘇生(仮)+」
俺はシスディアスにそう告げる。
死者蘇生(仮)+この力は死者を蘇らせることができる能力。ただし蘇った死者は仮初の肉体、アンデットとして蘇生する。
正直、こんな能力いつ使うんだと思ったが……役に立った……
「な……そ、そんな馬鹿な……儂がアンデットじゃと……」
「そういうこと。それじゃ呪い解くまで分かってるよね?」
ポキポキと指の関節を鳴らす。
「呪い解いたって嘘ついてもダメだからね。アリシアさんの様子はすぐに分かるから。さあ何回死にたい?」
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