立ち飲み母ちゃん

くさなぎ秋良

文字の大きさ
上 下
13 / 14

第13話 憧れサングリア

しおりを挟む
 夜更けの台所からこんばんは。

 みなさんには『無性に惹かれてしまう食べ物や飲み物』ってありますか?
 本やTVで登場するとつい見てしまう、毎日食べたいくらい好き、口にしたことないけどなんか好き……。とにかくなぜこんなに? と不思議なくらい惹かれてしまうもの。

 私の場合『パン』『炭酸飲料』『レモネード』『ピクルス』そして『サングリア』など。これらが出てくる本はつい買っちゃうし、文字を見るだけでほわわんとした気分になります。

 どうしてかなと考えたところ、どうも子どもの頃に憧れたけれど手に入らなかったものだからだと思うのです。

 私の実家は常にご飯の食卓で、『パン』が登場することはほとんどありませんでした。絵本にパンが描かれているのを見るたび、憧れは増すばかり。

 そして母はお菓子や『炭酸飲料』を買わない主義でした。友達の家に遊びに行くとシュワシュワと泡の浮かぶソーダを出してくれることがありました。そんなとき、こんなに美味しいものが自宅で飲めていいなと羨ましく思ったものです。

 『レモネード』『ピクルス』『サングリア』は海外の本の中に登場したもの。
 レモネードはオズの魔法使いの続編だったと思います。
 ピクルスとサングリアはリチャード・スキャリーのどうぶつ絵本でした。いや、サングリアはもしかしたらフルーツポンチだったかもしれない。それくらい曖昧ですが、憧れだけはしっかり記憶しているわけです。

 洋風な食べ物飲み物にまったく縁がなかったので、「どんな味なんだろう。さぞかし美味しいに違いない」と胸を躍らせていました。

 憧れの反動はものすごいもので、パンと炭酸飲料は毎日でもいいし、レモネードとピクルスとサングリアはしょっちゅう作ります。それらが特集された本は必ず手に取ります。

 幼少期に抑制された嗜好は、まるでアスファルトを押し除けて咲く花のようにタフであり、しかも大輪のようです。


【深水家のサングリアの作り方】

材料はワイン、好きな果物、レモン、あればシナモンスティックやクローブ。

ワインは安いもの、余ったもの、口に合わなかったもので充分です。白ワインで作ると『サングリア・ブランカ』と呼ばれます。

果物はオレンジや林檎、桃、ベリーなどお好きな組み合わせで。
コンビニでもよく見かける冷凍カットフルーツをそのまま使うのも楽でおすすめ。

オレンジやレモンはくし形に切り皮を剥きます。白いところを残さないのがコツ。

あとは全部漬け込んで飲むだけ。
甘口がお好きなら砂糖や蜂蜜を足しても。

そのままでもいいし、炭酸水で割っても美味しいです。

酒税法の関係もあるそうですし、保存もきかないので味が馴染んだら早めに飲みきりましょう。大丈夫、多分思った以上にあっという間になくなります。

どうぞ召し上がれ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

命のボタン

倉澤 環(タマッキン)
エッセイ・ノンフィクション
糖尿病、人工透析、脊柱管狭窄症など病のデパートの彼の介護記録です。

「繊細さんの日々のこと」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
「繊細さん」の私が、日常で感じたことなどを綴ります。 ちなみに私は内向型HSPです✨

Webコンテンツ大賞の戦い方【模索してみよう!】

橘花やよい
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのWebコンテンツ大賞。 読者投票もあるし、うまく戦いたいですよね。 ●応募作、いつから投稿をはじめましょう? ●そもそもどうやったら、読んでもらえるかな? ●参加時の心得は? といったことを、ゆるふわっと書きます。皆さまも、ゆるふわっと読んでくださいませ。 30日と31日にかけて公開します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

怠け者娘の料理修行

ひつじ
エッセイ・ノンフィクション
料理がめっちゃ美味い我がママ上 高校時代から、会食やら何やらで舌が肥えた父を十分満足させる弁当を作り上げる強者… 田舎に嫁に来てからは、昔のしきたりにめちゃうるさい大姑、姑2人を自慢の料理で堕としまくり、今や『旅行先の飯より家で食う飯が美味い』と言わせるほど… そんな母上の娘に生まれた私は、料理のりの字も分からん怠け者娘… ママ上が、おかず屋開いてくれれば万事解決するのに…泣 ってなわけで、怠け者でおまけにかなーり手遅れなほど腐腐腐な娘が、ママ上のレシピを取りあえず保存して、料理とはなんなのかを学ぶエッセーです! 完全に料理レシピを書いたり、覚えたりするためのモチベ維持のためだけに書いてます(^◇^;) ママ上は、分量を量らない感覚天才派なので、分量は分かりませぬ 泣 強いて言えば、いつも4人〜6人分〜8人分くらいの多めですねん 〜以下ママ上より激励〜 娘に残したい料理レシピ!! ちゃんと作れ! ※レシピは素人の怠け者娘が書いてるので、作ってまずくても責任は取れません きちんとしたレシピ本などで、調べてくださいませ 泣 いつか、ちゃんとしたご飯小説書けるように頑張ります!

子供って難解だ〜2児の母の笑える小話〜

珊瑚やよい(にん)
エッセイ・ノンフィクション
10秒で読める笑えるエッセイ集です。 2匹の怪獣さんの母です。11歳の娘と5歳の息子がいます。子供はネタの宝庫だと思います。クスッと笑えるエピソードをどうぞ。 毎日毎日ネタが絶えなくて更新しながら楽しんでいます(笑)

道草日記2025【電子書籍作家の日々徒然】

その子四十路
エッセイ・ノンフィクション
原稿が終わらない。電子書籍作家『その子四十路』のまったく丁寧じゃない、道草を食ってばかりの暮らしの記録。 2025年1月〜 ↓昨年の記録はこちら ●混迷日記2024【電子書籍作家の日々徒然】

処理中です...