立ち飲み母ちゃん

くさなぎ秋良

文字の大きさ
上 下
11 / 14

第11話 ラディッシュのピクルスもとい二十日大根の甘酢漬け

しおりを挟む
 夜更けの台所からこんばんは。

 今日、仕事から帰った夫の手に大量のラディッシュがありました。
 ラディッシュが出回る季節になると、彼は野菜直売所に行ってはラディッシュをこれでもかと買います。

「こんなにどうするの」とたずねると、必ずこう答えるのです。

「二十日大根は甘酢漬けにして」

 そのたびに『ラディッシュ』とは呼ばず『二十日大根』、『ピクルス』とは呼ばず『甘酢漬け』と呼ぶ夫を頑なまでに和風だなぁと感じてしまいます。
 まぁ、そういう私もピクルスと甘酢漬けの細かい違いはあまり気にしないのですが。

 世の中にはカタカナ語が溢れて、日本語でいいじゃないかと思うことも増えましたが、カタカナ語だから伝わるニュアンスもあるのかなと思っています。

 翻訳された文学もいいけれど、その国の言語を母国語にする人々だからこそ受ける感銘を理解するのはなかなか難しいのだろうと昔から考えています。

 サガンはインタビューの中でフランス語を絶賛していましたが、共感するためにはそれ相応の勉強がいりますもんね。言語それぞれに独特の良さがあるのですな。

 もっとも、私が大量のラディッシュを切りながら一番共感するのは「うちの旦那は魚釣りに行くのはいいけど釣った魚の調理はいつも私なのよね」と思っている、どこかにいるかもしれないけれどまだ見ぬ奥様です。


【深水家のラディッシュのピクルスもとい二十日大根の甘酢漬けの作り方】

ラディッシュの葉の部分を束になるようカットし、根は食べやすい大きさに揃えます。

鍋に砂糖、酢、塩、黒胡椒、ローリエを煮立たせ、ピクルス液を作ります。

ラディッシュの辛さが好きな方は根は生のまま、マイルドなのがお好きであればさっと湯がきます。
ラディッシュをピクルス液に漬けて完成。

ちなみに葉の部分は茹でて刻み、軽く水気を絞ったら昆布や唐辛子、ごまをお好みで加えて塩揉みします。
これは大根の葉でやるのが一番オススメですが、ラディッシュでももちろんイケます。納豆のお供に最高です。

どうぞ召し上がれ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

さよならアヒージョ

くさなぎ秋良
エッセイ・ノンフィクション
家族について書いたエッセイ集。noteに掲載したものを加筆修正しています。表題作含め7作品。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

「繊細さんの日々のこと」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
「繊細さん」の私が、日常で感じたことなどを綴ります。 ちなみに私は内向型HSPです✨

Webコンテンツ大賞の戦い方【模索してみよう!】

橘花やよい
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのWebコンテンツ大賞。 読者投票もあるし、うまく戦いたいですよね。 ●応募作、いつから投稿をはじめましょう? ●そもそもどうやったら、読んでもらえるかな? ●参加時の心得は? といったことを、ゆるふわっと書きます。皆さまも、ゆるふわっと読んでくださいませ。 30日と31日にかけて公開します。

怠け者娘の料理修行

ひつじ
エッセイ・ノンフィクション
料理がめっちゃ美味い我がママ上 高校時代から、会食やら何やらで舌が肥えた父を十分満足させる弁当を作り上げる強者… 田舎に嫁に来てからは、昔のしきたりにめちゃうるさい大姑、姑2人を自慢の料理で堕としまくり、今や『旅行先の飯より家で食う飯が美味い』と言わせるほど… そんな母上の娘に生まれた私は、料理のりの字も分からん怠け者娘… ママ上が、おかず屋開いてくれれば万事解決するのに…泣 ってなわけで、怠け者でおまけにかなーり手遅れなほど腐腐腐な娘が、ママ上のレシピを取りあえず保存して、料理とはなんなのかを学ぶエッセーです! 完全に料理レシピを書いたり、覚えたりするためのモチベ維持のためだけに書いてます(^◇^;) ママ上は、分量を量らない感覚天才派なので、分量は分かりませぬ 泣 強いて言えば、いつも4人〜6人分〜8人分くらいの多めですねん 〜以下ママ上より激励〜 娘に残したい料理レシピ!! ちゃんと作れ! ※レシピは素人の怠け者娘が書いてるので、作ってまずくても責任は取れません きちんとしたレシピ本などで、調べてくださいませ 泣 いつか、ちゃんとしたご飯小説書けるように頑張ります!

猫が湯ざめをする前に

くさなぎ秋良
エッセイ・ノンフィクション
風呂は人も猫も哲学者にする。 私の脳内には猫が住んでいる。 私が風呂に入るとき、猫も風呂に入っている。 理由のわからないもやもやの溶け込んだ湯けむりを浴び、今宵も湯船で考える。 他サイトにて『深水千世』名義で公開していたエッセイです。

ポテチ ポリポリ ダイエット それでも痩せちゃった

ma-no
エッセイ・ノンフィクション
 この話は、筆者が毎夜、寝る前にボテチを食べながらもダイエットを成功させた話である。  まだ目標体重には届いていませんが、予想より早く体重が減っていっているので調子に乗って、その方法を書き記しています。  お腹ぽっこり大賞……もとい! 「第2回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしています。  是非ともあなたの一票を、お願い致します。

命のボタン

倉澤 環(タマッキン)
エッセイ・ノンフィクション
糖尿病、人工透析、脊柱管狭窄症など病のデパートの彼の介護記録です。

処理中です...