16 / 64
あちら立てればこちらが立たぬ
しおりを挟む
『あちら立てればこちらが立たぬ』とは、物事をどちらにも都合よくいくように、うまく両立させるのは難しいものだということ。
北海道では、薬局の仕事についていました。
そのとき、人との距離のはかり方を掴みかねて、精神的に疲労していた時期があります。個性の強すぎる同僚や上司とも、お客様とも距離感を保つのが難しく、更に職業柄、生死にかかわる出来事を見聞きしたり、カウンターの向こうの「痛い・辛い・苦しい」を勝手に背負ってしまって重苦しく感じたり。
そんなとき、人と顔をつきあわせたくなくて、パチンコやパチスロをしていたことがあります。
ギャンブルといえば雀荘などもあるでしょうが、とにかく人を相手にしたくなかったのです。顔を合わせるのも、話すのもしんどかったのです。SNSも気晴らしにはなりません。だって向こうでやりとりしているのはやっぱり人間ですものね。
趣味はたくさんあったのですが、当時一番何も考えず、簡単で、人にも向き合わずに済むと思いついたのが、パチンコやパチスロだったのでした。
最初は抵抗がありましたが、一度入ってしまうとスリルや損得はそっちのけで、相手は機械だから遠慮も何もいらないし、隣の話し声すら聞こえない騒音の中、誰も自分を気にしない奇妙な空間の中でぼうっとしているのが精神的に楽だったのです。
ギャンブルをする人々を観察するのも興味深かったです。
賭け事をする人の心理とか、パチンコ店の流れとか、見てみないとなかなかわからないものですからね。
食堂のパートさんと仲良くなったりもして、ちょっとしたほっとするやりとりもありました。
それに、ギャンブルの様子を小説に書こうと思えば書けるようにもなったのは収穫だったと思います。
でもねぇ、時々はお金は増えたりもしますが、もちろん当たり前のように減りますし、煙草臭くなるし、騒音で耳鳴りはすごいし、そのうち肩こりや腰痛もしてくるし、目は疲れて、最初の頃は目を閉じるとリールという図柄が描かれている部分が回る残像まで見えていましたね。
いいことばかりだったら、みんなギャンブルしますよね。
ギャンブルってあちらを立てたら、絶対にこちらが立たないものの一つだと思います。
今は執筆することが一番の心のよりどころなので、あの頃のように追い詰められた精神状態になっても、ギャンブルをすることはもうないと思います。web小説に出会えて本当によかったです。
北海道では、薬局の仕事についていました。
そのとき、人との距離のはかり方を掴みかねて、精神的に疲労していた時期があります。個性の強すぎる同僚や上司とも、お客様とも距離感を保つのが難しく、更に職業柄、生死にかかわる出来事を見聞きしたり、カウンターの向こうの「痛い・辛い・苦しい」を勝手に背負ってしまって重苦しく感じたり。
そんなとき、人と顔をつきあわせたくなくて、パチンコやパチスロをしていたことがあります。
ギャンブルといえば雀荘などもあるでしょうが、とにかく人を相手にしたくなかったのです。顔を合わせるのも、話すのもしんどかったのです。SNSも気晴らしにはなりません。だって向こうでやりとりしているのはやっぱり人間ですものね。
趣味はたくさんあったのですが、当時一番何も考えず、簡単で、人にも向き合わずに済むと思いついたのが、パチンコやパチスロだったのでした。
最初は抵抗がありましたが、一度入ってしまうとスリルや損得はそっちのけで、相手は機械だから遠慮も何もいらないし、隣の話し声すら聞こえない騒音の中、誰も自分を気にしない奇妙な空間の中でぼうっとしているのが精神的に楽だったのです。
ギャンブルをする人々を観察するのも興味深かったです。
賭け事をする人の心理とか、パチンコ店の流れとか、見てみないとなかなかわからないものですからね。
食堂のパートさんと仲良くなったりもして、ちょっとしたほっとするやりとりもありました。
それに、ギャンブルの様子を小説に書こうと思えば書けるようにもなったのは収穫だったと思います。
でもねぇ、時々はお金は増えたりもしますが、もちろん当たり前のように減りますし、煙草臭くなるし、騒音で耳鳴りはすごいし、そのうち肩こりや腰痛もしてくるし、目は疲れて、最初の頃は目を閉じるとリールという図柄が描かれている部分が回る残像まで見えていましたね。
いいことばかりだったら、みんなギャンブルしますよね。
ギャンブルってあちらを立てたら、絶対にこちらが立たないものの一つだと思います。
今は執筆することが一番の心のよりどころなので、あの頃のように追い詰められた精神状態になっても、ギャンブルをすることはもうないと思います。web小説に出会えて本当によかったです。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ホラー愚痴就活ノート
野花マリオ
エッセイ・ノンフィクション
ホラー小説書きながら仕事を見つけていく、作者の個人的活動記録です。たまに愚痴るので苦手な方はご注意下さい。
ホラー寝る習慣ノートとは違い仕事や日常生活がメインです。
2024年10月21日作成。
生成AIも活用してます。
表紙は生成AI
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる