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二度目の出産編
心雑音
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10日からは母子同室が始まりました。それまではナースセンターで預かってもらっていた息子と同じ病室で過ごし、自分で授乳したりおむつを替えたりするのです。
ところが、朝の9時に産婦人科医が病室に来てこう言ったのです。
「赤ちゃんに心雑音があるようなんです。予約をとっておきますので、他の病院で検査してきてください」
どうも心臓の音を聴診すると、雑音がするということでした。雑音には先天性の病気がひそんでいることが多いけれど、この病院では充分な検査ができないというので、大きい病院に検査に行くことになりました。
夫が出張から帰るのは夕方を予定していたので、姑が長男を連れて駆けつけてくれました。産まれたばかりの息子を抱え、長男と一緒に姑の運転する車に乗り込みます。
検査をしてくれたのは、長男を出産した総合病院でした。紹介状を出して小児科に行くと、エコーと胸のレントゲン、そして心電図をとることに。
待合で何人かのご高齢の患者さんに「何ヶ月?」と訊かれ、「昨日産まれたんです」と苦笑していました。
産まれたばかりの体に医療器機があてられるのを見るのは気持ちの良いものではありませんが、こればかりは仕方ありません。先生や看護師さん、見知らぬ患者さんまで「お母さんは体大丈夫?」と訊ねてくれましたが、不思議なほどしゃんと立っていられました。子どもが大変なのにそれどころじゃない、という気持ちがあったと思います。
新生児は授乳の間隔を4時間以上あけると低血糖になってしまうおそれがあるのですが、そのぎりぎりまで検査や待ち時間でかかりました。
総合病院の先生の見立ては「動脈管が閉じていないために、音がするんじゃないか」というものでした。
『動脈管』とは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時に,肺動脈から大動脈への抜け道になっている血管のことです。赤ちゃんが生まれてから肺で呼吸をしはじめると必要がなくなり、生後2~3週までに完全に閉じるそうです。
それを聞いて、産まれたときにうまく泣かなかったせいもあるのかなと心配になりましたが、先生いわく2日か3日で閉じることが多いので、昨日産まれたばかりではまだ正常の範囲内ということでした。心臓の構造自体はちゃんとしているようなので、まずは2週間後にもう一度、心臓の音を聞かせに来てくださいと言われて診察は終わりました。
さて、入院している産婦人科に戻ると、沐浴の仕方を教わり、先生から診察を受けて消毒をされます。
息子の授乳はおよそ3時間おき。4時間以上はあけないように母乳やミルクをあげなくてはなりません。母乳も最初から出るわけではないので、ミルクの前に吸ってもらったりマッサージします。
授乳が終わると、次の授乳まで少しでも横になって睡眠をとって体を休めます。心雑音で不安に苛まれる暇もないほど、慌ただしくなってきました。
この日の夜、検査を受けて昂ぶったのか、子どもは泣き続けてぐずり続けました。しかし早朝から翌日の昼まで爆睡してくれたので、やっと体が少しは休まった気がしたのでした。
11日になると、シャワーを浴びられるようになります。顔だけは洗っていたのですが、やはりシャワーだけでも入浴できるというのは嬉しいものです。
さっぱりしたところで貧血検査のために採血されました。どうも貧血があったらしく、このあと鉄剤の薬が処方されました。
この日になると、息子は朝に少しぐずっただけで、丸一日おとなしく寝ていました。どうもこの子は睡眠時間が長いタイプらしく、ミルクの時間になるとぱっと起きて、飲み終わるとすっと寝てしまうのでした。
12日には、息子の黄疸の数値が高いということでかかとから採血して検査になりました。言われてみれば白目が黄色い。
新生児黄疸になると、赤ちゃんが赤血球を分解するときに生じる黄色い色素『ビリルビン』のせいで、肌や白目が黄色く見えるそうなのです。
ビリルビンは肝臓を通しておしっこなどと一緒に排出されるのですが、産まれたばかりの赤ちゃんの肝臓は未発達のため、それがうまくできないというわけです。
うぅん、そういえば、息子のおしっこは少ない。けれど、結局、翌日には黄疸の数値は下がっていました。この日に行われた聴力検査も問題なし。とりあえずほっと胸を撫で下ろしました。
夜には胸が張って痛むようになりました。左だけお乳が漏れ出てパジャマが濡れます。
13日の早朝には採尿と体重測定がありました。体重は出産前と比べてマイナス4.4kg……もっと減っていって欲しいのが本音。
この日は退院指導と退院診察、そして抜糸がありました。
早朝から左目はものもらいになり、下腹部に妊娠性の湿疹が再発してしまいました。目薬を処方してもらい、軟膏を塗りたくり、服用する錠剤はあるし、なんだか薬三昧です。
そして14日の朝、姑が迎えに来てくれて、無事に長男と一緒にアパートに戻ったのでした。
こうして1歳半の長男と産まれたばかりの次男、2人の育児生活が始まったわけです。入院生活では赤ちゃんが寝ている三時間ほどは少なくとものんびりできました。けれど、これからは長男もいるのでそうはいきません。どうなることやら。
ちなみに心雑音ですが、結局、その2週間後の検査でも特に悪さをするような雑音ではないし、心臓の構造自体に異常があるわけではないので、今後の検診でひっかかるようならまた診察を受けるという結果に落ち着きました。
なんでも、病気というわけではないのに雑音がする機能性の心雑音もあるそうでして、それかもしれないという話でした。
ところが、朝の9時に産婦人科医が病室に来てこう言ったのです。
「赤ちゃんに心雑音があるようなんです。予約をとっておきますので、他の病院で検査してきてください」
どうも心臓の音を聴診すると、雑音がするということでした。雑音には先天性の病気がひそんでいることが多いけれど、この病院では充分な検査ができないというので、大きい病院に検査に行くことになりました。
夫が出張から帰るのは夕方を予定していたので、姑が長男を連れて駆けつけてくれました。産まれたばかりの息子を抱え、長男と一緒に姑の運転する車に乗り込みます。
検査をしてくれたのは、長男を出産した総合病院でした。紹介状を出して小児科に行くと、エコーと胸のレントゲン、そして心電図をとることに。
待合で何人かのご高齢の患者さんに「何ヶ月?」と訊かれ、「昨日産まれたんです」と苦笑していました。
産まれたばかりの体に医療器機があてられるのを見るのは気持ちの良いものではありませんが、こればかりは仕方ありません。先生や看護師さん、見知らぬ患者さんまで「お母さんは体大丈夫?」と訊ねてくれましたが、不思議なほどしゃんと立っていられました。子どもが大変なのにそれどころじゃない、という気持ちがあったと思います。
新生児は授乳の間隔を4時間以上あけると低血糖になってしまうおそれがあるのですが、そのぎりぎりまで検査や待ち時間でかかりました。
総合病院の先生の見立ては「動脈管が閉じていないために、音がするんじゃないか」というものでした。
『動脈管』とは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時に,肺動脈から大動脈への抜け道になっている血管のことです。赤ちゃんが生まれてから肺で呼吸をしはじめると必要がなくなり、生後2~3週までに完全に閉じるそうです。
それを聞いて、産まれたときにうまく泣かなかったせいもあるのかなと心配になりましたが、先生いわく2日か3日で閉じることが多いので、昨日産まれたばかりではまだ正常の範囲内ということでした。心臓の構造自体はちゃんとしているようなので、まずは2週間後にもう一度、心臓の音を聞かせに来てくださいと言われて診察は終わりました。
さて、入院している産婦人科に戻ると、沐浴の仕方を教わり、先生から診察を受けて消毒をされます。
息子の授乳はおよそ3時間おき。4時間以上はあけないように母乳やミルクをあげなくてはなりません。母乳も最初から出るわけではないので、ミルクの前に吸ってもらったりマッサージします。
授乳が終わると、次の授乳まで少しでも横になって睡眠をとって体を休めます。心雑音で不安に苛まれる暇もないほど、慌ただしくなってきました。
この日の夜、検査を受けて昂ぶったのか、子どもは泣き続けてぐずり続けました。しかし早朝から翌日の昼まで爆睡してくれたので、やっと体が少しは休まった気がしたのでした。
11日になると、シャワーを浴びられるようになります。顔だけは洗っていたのですが、やはりシャワーだけでも入浴できるというのは嬉しいものです。
さっぱりしたところで貧血検査のために採血されました。どうも貧血があったらしく、このあと鉄剤の薬が処方されました。
この日になると、息子は朝に少しぐずっただけで、丸一日おとなしく寝ていました。どうもこの子は睡眠時間が長いタイプらしく、ミルクの時間になるとぱっと起きて、飲み終わるとすっと寝てしまうのでした。
12日には、息子の黄疸の数値が高いということでかかとから採血して検査になりました。言われてみれば白目が黄色い。
新生児黄疸になると、赤ちゃんが赤血球を分解するときに生じる黄色い色素『ビリルビン』のせいで、肌や白目が黄色く見えるそうなのです。
ビリルビンは肝臓を通しておしっこなどと一緒に排出されるのですが、産まれたばかりの赤ちゃんの肝臓は未発達のため、それがうまくできないというわけです。
うぅん、そういえば、息子のおしっこは少ない。けれど、結局、翌日には黄疸の数値は下がっていました。この日に行われた聴力検査も問題なし。とりあえずほっと胸を撫で下ろしました。
夜には胸が張って痛むようになりました。左だけお乳が漏れ出てパジャマが濡れます。
13日の早朝には採尿と体重測定がありました。体重は出産前と比べてマイナス4.4kg……もっと減っていって欲しいのが本音。
この日は退院指導と退院診察、そして抜糸がありました。
早朝から左目はものもらいになり、下腹部に妊娠性の湿疹が再発してしまいました。目薬を処方してもらい、軟膏を塗りたくり、服用する錠剤はあるし、なんだか薬三昧です。
そして14日の朝、姑が迎えに来てくれて、無事に長男と一緒にアパートに戻ったのでした。
こうして1歳半の長男と産まれたばかりの次男、2人の育児生活が始まったわけです。入院生活では赤ちゃんが寝ている三時間ほどは少なくとものんびりできました。けれど、これからは長男もいるのでそうはいきません。どうなることやら。
ちなみに心雑音ですが、結局、その2週間後の検査でも特に悪さをするような雑音ではないし、心臓の構造自体に異常があるわけではないので、今後の検診でひっかかるようならまた診察を受けるという結果に落ち着きました。
なんでも、病気というわけではないのに雑音がする機能性の心雑音もあるそうでして、それかもしれないという話でした。
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