貝に住んだ猫

くさなぎ秋良

文字の大きさ
上 下
12 / 12

12

しおりを挟む
ふかふかのベッドにもぐりこみ、ネモは暗闇にそっと呟きます。

「おやすみなさい」

すると大きな貝殻の中で誰かが「おやすみなさい」と言うのが聞こえました。

「返事があるって嬉しいね」
「返事があるって嬉しいね」

「また明日ね」
「また明日ね」

海の声が木霊する中、ネモは満ち足りた気持ちで眠りについたのでした。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

アラシとナギのパンケーキ

くさなぎ秋良
絵本
広い海が見渡せる岬の上に、『うみのねこ』という料理店があります。 お店を切り盛りするのは、アラシとナギという双子の猫。 『うみのねこ』にはメニューがありません。 お客さんが食べたいものを作って出すのです。 さあ、いらっしゃい、いらっしゃい。 ここは海に住む猫の料理店。 ちょっと風変わりでほっこりする時間をどうぞ。 ベリーズカフェでも公開中です。

クジラと雨宿りした猫

くさなぎ秋良
絵本
森の奥深く、ネモという猫の男の子が住んでいました。 ある日、ネモがさくらんぼの花を見に出かけると泉に何か浮かんでいます。 それはクジラの置き物でした。 ネモはクジラと一緒に、お花見をしながらおにぎりを食べます。 「君の口は開いてるね。お腹すいたの?」 クジラの口におにぎりの梅干しを入れた途端、不思議なことが起こるのでした。 ベリーズカフェでも公開中です。

よみがえりのものがたり

りおん雑貨店
絵本
ふくろうたちが、眠れない夜に昔話をしてすごしています。 むかしむかしの、よみがえりの物語。

うみのつき

はや衣鳥
絵本
クラゲはお月さまに触ってみたかった。 イルカはそれを叶えてあげたかった。

エプロンのハンカチ

居酒屋ピ太郎
絵本
エプロンがあればお母さんのようになれる。 りょうりもそうじもせんたくだってきっとなんでもできる。 だいすきなお母さんのように。

ゆまちゃんとヤン丸の12ヶ月

万揮/マキちん
絵本
まん丸な子犬のヤン丸とゆまちゃんという女の子の一年間の物語です。

あとでとけい

居酒屋ピ太郎
絵本
「あとでね」といろんなことをあとまわしにしてしまうシュンくんにおかあさんがおもいついたこととは?

とべない鳥

赤鈴
絵本
これは、とある森にすむ2羽のとべない鳥の物語――。 挿絵(イラスト):まつりさん

処理中です...