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二人だけの(18禁)

初夜・3(18禁)

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前世では、一応経験もあった。だが歳月を重ねるうちに新しい人生に上書きされたかのように、その記憶は朧げになって特に個人的なことはもうあまり覚えていない。
初体験という、女性なら人生の一大イベントであるはずの出来事さえそうだ。そういうことがあった、という認識はあってもそれ以上にならない。ただ痛かった、その事実は覚えている。
「……ふ、はぁっ」
今回も、痛みはある。けれど気遣うように覗き込んでくるセフィロスの、薄闇の中でも煌めく瞳が愛しかった。その奥にざわめく熱情を抱えながら、じっと耐えて馴染むのを待ってくれている。
「ミカエラ……」
「だい、じょうぶ。……動いて、いいから」
苦痛がないとは言わない、『この肉体』では全く初めてだから当たり前だ。ただそれ以上に、不思議な充足感を覚えている。
しがみついた腕に力をこめ、大きく息をする。
重なった素肌も汗の感触さえも、今は心地好かった。
触れるだけのキスが落ち、小さく息を吐いたセフィロスの手がしっかり腰を掴む。
「あ、ふっ……!」
ぐっ、と深くに腰を進められる。慌てて両手を彼の背に回してしがみつく。
苦しいし痛みもある、けれど揺さぶられるうちに頭がぼぅっとして、その分肌が敏感になっていくようだ。
「……は……、きつい?」
深く呼吸したセフィロスが、覗き込んで問いかける。白い肌はほんのり色づいて汗に濡れ、ひどく艶っぽい。
「っ、だいじょうぶ、だから」
何とか応じはしたものの声は上ずり眼は潤んで……とても大丈夫とは見えないだろう。だがミカエラのその意地を承知しているだろうセフィロスは、僅かに苦笑してその手は滑らせた。
幼い頃から鍛えることを怠らなかった彼の手は、その容姿とは打って変わった武骨な骨張ったものだ。それが、細心の注意を払いながら肌を這う。
仮にも貴族令嬢だったミカエラの身体は、丁寧なケアを受けていた。肌は滑らかに白く、まだ未成熟な部分もあるとは言え栄養が行き届いて胸もふっくらと豊かだ。
対するセフィロスは、殆ど大人と変わらない体格に育っている。具体的に言うなら、その手がミカエラの胸をすっぽり包み込めるくらいに。
「あ、あぅ」
まだ、受け入れただけで快感を拾えるほどには慣れていない。むしろ息をするのがやっと、という状態で新たに加えられた刺激にミカエラは小さく声を漏らした。
寝台にもつれ込んでからのセフィロスは、とても丁寧で必要以上に熱心だった。胸も下肢もじっくり時間をかけて慈しまれてこちらはかなり感じさせられた。
その状態で、柔らかく胸を揉みしだかれるのは強い刺激になる。
「あ、やっ……ちょ、待って……!」 
「……待てない」
低い呟きは熱をはらみ、見つめる瞳は明かりを落とした薄闇でもわかるほど熱い。
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