ぶつかった相手はオオカミ！？

第二章

彼の仕事状況

彼女がユリウスの手紙を開き、彼の誘いに乗っている同時刻。
彼ウィリアムは自分の仕事部屋で父に任された、幻獣退治の仕事について考えていた。
ウィリアムはその剣の腕前から幻獣退治の仕事を任されており、自分で行くときもあるが他の者に任せる判断も彼が行っている。
彼は今二つの村を壊滅状態にした幻獣の資料をにらみながら、どうするかを思案していた。
こういった被害の大きい事件にはウィリアム本人が討伐に出ていた。
しかし彼が強い幻獣を倒すのはいいのだが、彼の身体は一つしかなく、この後他の案件で出なくてはいけない。
他の案件は同じく幻獣退治でこちらは、前々から討伐の依頼があることから、断りにくくしかも住民の話を信じるならば、彼が行かなければならないほどに危険な幻獣のようだ。
彼の頭のなかは今いつになく迷っている。
どちらを行くべきか？と
迷うくらいならば両方いけばいいと思うが、二つの現場は馬をとばしても最低で七日はかかるほどに遠い。
七日もあれば幻獣は目につくすべての生き物を食い殺すだろう。
そう思うと、誰か他のものに任せなければいけない。
しかし今動ける強い騎士は、生憎と彼しかいなかった。
他の強い騎士は他の幻獣退治に出払っていた。
悶々と考え続けた結果、彼の頭から何かが切れるぷっつんという音がした。