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第0幕
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目が覚めると、そこは豪華過ぎる部屋に備え付けられている寝台だった。
「うえーんうえーん」
そして、なぜか自分の耳の近くで聞こえる赤子の声、喋ろうと口を動かしても言葉としての音が紡がれない、つまりは。
『まさかの赤ちゃんに転生、ラノベかよ』
である。
「先生!さっさと起きてください」
「うーん?この俺の眠りを妨げるのは我が愛しの秘書ちゃんか」
「寝ぼけてないで、こちらの案件をどうするかを決めてください、このままでは相手方に損失を与えてしまう可能性がでます」
「ふああ、眠いから、秘書ちゃんが決めておいてよー」
「いつもいつもあなたって人は。私は帰りますけど、明日までに草案を作っておいてくださいよ」
「ええー今日は冷たいなー」
「いつもと対して変わりません」
「はあ、残念だなー、じゃあまた明日」
「はい、それではお先に失礼します、真面目に仕事してくださいよ」
「へーい」
「まったく」
上司とのいつものたわいない会話が最後の記憶だった。
どうやって死んでしまったかはわからないが、今の私はまごうことなき赤子である、そのことを考慮すると、どうやら私は輪廻転生を身をもって体験したということになるか。
それにしても、全く身体を動かせないというのに、頭の中はとてもクリアで考えるにはとてもいい状態だ。
まあ、考えるには良いとしても、いったいどういった状況なのか。
最後の記憶が上司との会話なのはいいが、死んだであろう時の記憶が、全く無いと言うのも変な話だ。
そう言ってもあれこれ考えたところで答えが出ないのならあまり意味はないか。
この問題は覚えていたらまた考えよう。
今は現状の確認が優先される。
果たして私はどのような家庭に生を受けたのかと。
「うえーんうえーん」
そして、なぜか自分の耳の近くで聞こえる赤子の声、喋ろうと口を動かしても言葉としての音が紡がれない、つまりは。
『まさかの赤ちゃんに転生、ラノベかよ』
である。
「先生!さっさと起きてください」
「うーん?この俺の眠りを妨げるのは我が愛しの秘書ちゃんか」
「寝ぼけてないで、こちらの案件をどうするかを決めてください、このままでは相手方に損失を与えてしまう可能性がでます」
「ふああ、眠いから、秘書ちゃんが決めておいてよー」
「いつもいつもあなたって人は。私は帰りますけど、明日までに草案を作っておいてくださいよ」
「ええー今日は冷たいなー」
「いつもと対して変わりません」
「はあ、残念だなー、じゃあまた明日」
「はい、それではお先に失礼します、真面目に仕事してくださいよ」
「へーい」
「まったく」
上司とのいつものたわいない会話が最後の記憶だった。
どうやって死んでしまったかはわからないが、今の私はまごうことなき赤子である、そのことを考慮すると、どうやら私は輪廻転生を身をもって体験したということになるか。
それにしても、全く身体を動かせないというのに、頭の中はとてもクリアで考えるにはとてもいい状態だ。
まあ、考えるには良いとしても、いったいどういった状況なのか。
最後の記憶が上司との会話なのはいいが、死んだであろう時の記憶が、全く無いと言うのも変な話だ。
そう言ってもあれこれ考えたところで答えが出ないのならあまり意味はないか。
この問題は覚えていたらまた考えよう。
今は現状の確認が優先される。
果たして私はどのような家庭に生を受けたのかと。
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