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崩壊寸前の大国偏

お姫様の考え

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ここからは主人公ランカ視点からお送りします。お楽しみください。


「お前が次の王だ」
その父の一言に、私は心の底から、逃げ出したい衝動にかられた。
父が改まった口調で、話し出した時から、嫌な予感はしていた。
悲しくも、その予感が大的中だ。
うれしくない。
私は、平静を装い、
「父上、無礼を承知で言いますが、私の他にも王にふさわしい人はいると思うのですが、
いえ言い方が違いますね。私よりも適任な王子がいると思います。父上の子は私を合わせて6人もいる。なのによりによって、末の子でありなおかつ、側室の子である私を指名するのは正妃様にも重臣たちにも失礼なのでは?」
私のこの言葉に父は、うなりながら
「うーむ確かに、それなりな実力は息子たちも持ち合わせていると私も思うが、私は子供達の中で一番優秀なものがお前だと私は考えた。だからお前に決めた。私も、考えに考え抜いた末の結論だ、正妃にも、重臣達にも文句を言わせはせんよ。何せ最高権力者の私の決定なのだからな」
とがははと笑いながら、賢王と名高い父にしては、珍しい、横暴な言葉で答えた。
確かに、兄たちよりも優秀と、言われても否定はしないが、私は心の底から王などどいう、心底、
面倒な職業はご免被りたい。
ただでさえ、一地方の領主も、仕方なくやっている、だけだというのに。
だが、仕方なくやっていると言っても、やるからには、全力を傾けるのは当たり前だ。
領主になるなら、そこに住まう領民を、幸せに出来ないなどと、泣き言を言うものは、貴族の価値などない。むしろ領主になるな。
私はそう考え今まで行動してきた。
そのための努力も惜しまないし、領民が生きるために、必要なものが、金で手に入るのならば、
多少の金など惜しくもない。
私の考えに賛同してくれる、部下たちもできた。
私も最初は仕方なくやっていたが、領民たちが、私への感謝を伝えてきたあたりから、
この領主生活も悪くないかと、思い始めた矢先の出来事がこれか。
父は私に何を期待しているというのだ。
兄たちが、愚王になるとは私は思わない。
賢王とうたわれる父には及ばなくとも、それなりの治世は送れると、私は考えている。
兄たちとはあまり会わないが、他の領に送った、部下たちの言葉や情報で、
兄たちの人となりは大体、わかる。
5人が力を合わせて国を支えていけば、すぐに亡ぶようなことにはならない。
私は兄たちの、能力を測ったうえで。そう結論付けた。
賢王の父が、そのことをわからないはずがない。
それなのに、波風を立てる様な真似をしてまで、私が王にならなければならない、理由が分からない。
今、この国は、とても良い感じの平和を築いている。
父の、頑張るによる功績だな。
私は、戦乱の世ならば、国の民のために、優秀なものが、王でなければならないという、状況ならば、仕方がないと思いながらも玉座に座っていただろう。
しかし今は、平和が続いている。
隣国の帝国のことは、レインド地方のために私が、対処するだろう。
それにこの程度の戦争ならば、兄たちでも対処しようと思えば可能だろう。
父の考えが私には分からん。
私は面倒ごとからは、逃げると心に決めている。
もしどうしても、父が、私を玉座につけさせると、言うならば、こちらにも策がある。
賢王はどう答えるのかな?
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