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0 その後

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「お兄さん、帰ったよ」

「早く帰ればいいんだ」

「もう……素直じゃないなぁ。来てくれてありがとうって笑ってあげればいいのに」

「……だって、そんなこと言ったらずっとここに居るんだもん」

「良いじゃない。居てもらえば」

「だって……着替えも、ケーキも…家のことも全部お兄ちゃんがやってる」

「家の事やって疲れてるのに、ありがとうって言えばいいのよ」

「そんなこと言ったら、毎日来る」

「……でも、好きじゃなかったら怒ったりされたら普通は来ないわよ」

「……嘘。お兄ちゃんがここに来るのは家族のギムだから。桃の為じゃない」

「もう。この兄妹はほんと素直じゃないんだから」

「ううううるさい!」

「桃と遊んでって言えばいいのにー」

「うるさいうるさい! だって、外にも出られないのに!」

「外に出なくたって、遊べるわ。明日は私も居るし、またお兄さんきっと来るわ。私が頼んであげるから」

「お兄ちゃんだって本当は友達と遊びたいはずなのに」

「そうね。でも、それで桃ちゃんが引け目を感じることは無いのよ」

「……どうして?」

「だって家族なんだから。それが家族で、兄妹よ。甘えればいいのよ」

「…………良いのかな」

「もちろん。明日、挑戦しよう。大丈夫よ、きっと。お兄さんと仲直り、出来るわ」

「……うん」
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