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休日、昼間からホテルでこんなことをするのも何度目かになる。昼間というのを抜けば、おそらく5度目。

いつもと同じ部屋のベッドで、ベルンハルトに抱かれていた。


「っは、あっ!んっ」
「ここ。シオン、好きだよね」
「あっ、あんま…っ、そこばっか!」


ベルンハルトは執拗に俺の悦い所を当てる。 俺は仰向けで、快感を少しでも逃がそうとベッドのシーツを握りしめる。ベルンハルトは気にせず、大きなストロークで的確に狙い続けた。
俺の陰茎は先走りで溢れていた。ズチュッと中を抉る水音が結合部から響いてくる。


「だめっ、きちゃう……!」
「っは…」


グリッと俺の悦い所を当てられ、俺は中を思い切り締め付けて達した。ベルンハルトも俺の中の締め付けで達したようだった。中に注がれていくのを感じながら、未だヒクついている身体に余韻を感じていた。


「あ…、はぁ…」
「シオン、可愛かった」


俺が余韻に浸っていると、機嫌良さそうに微笑みながら額や頬にキスを降らせてくる。
俺は汗でベタベタで髪も乱れていて、足を思い切り開いた情けない格好なのに、よく可愛いと言えるものだ。


「っはー…」
「シャワー使う?」
「あー…もうちょっとしたら行きます」


ベルンハルトは俺の中から自身を抜いて、後始末を始める。俺は全く動く気になれず、そのまま放心していた。


「明日は仕事?」
「そうですよ。ベルンハルトさんもでしょう?」
「まぁね」
「また呑みに行きたがられそうなんですよね、先輩に」


するとベルンハルトの動きがピタリと止まった。


「……こないだも、居酒屋にいなかった?」
「ああ、あれやっぱりベルンハルトさんだったんですか?たまたま見かけましたよね。どこか行く途中だったんですか?」
「あの時もその先輩と?」
「え?ええ。そうですけど……アイザック先輩、呑みたがりだか…っん!」


突然ベルンハルトに唇を塞がれる。
すぐに口内に舌が捩じ込まれ、俺の舌に絡みついてきた。
突然のことに抵抗しようとするが、ベルンハルトに両手をベッドに押さえつけられ、口内を蹂躙する舌の動きに官能を感じてしまい抵抗できなかった。


「んっ…んぅ、ん!」
「シオン……」
「な、急になんでっ!あっ、ま、うそ!」


凶器にもなり得るベルンハルトが俺の中に性急に入り込む。
ばちゅんっと水音と腰骨が当たる音が聞こえて来ると同時に、奥まで一気に突き上げられたことで快感が脳天まで駆け上がった。

ベルンハルトはそのまま、俺の中をパンッパンッと部屋に乾いた音が響くほど叩きつけるように揺さぶり続けた。


「あっだめ…っ! あ!すご、だめ、だめ……! イク、もうきちゃ…っ」
「っ、シオン…っ」
「あっ、だめ!イ、っく……!」


思い切り奥を突き入れられ、俺はまた達した。俺の陰茎からはタラタラと精液が流れ出していた。

しかし余韻を感じる間もなく、ベルンハルトはまた腰を打ち付け始めた。


「っひ! あ、まだイッてる!やだぁ!あ!」
「っは…、シオン…」


俺は意識が飛ぶまで、ベルンハルトに揺さぶられ続けた。





気づいたら、外は暗かった。目を覚まして辺りを見回すと、ベルンハルトの姿は見えなかった。しかし、腰が痛くてベッドから抜け出すのは困難であった。


「いっ…!」


痛みに腰を押さえて、上げた上半身をベッドに戻す。
ここまでされたのは初めてのことで、受け入れる側の大変さをようやく思い知った。


「シオン、起きた?」
「…ええ。起きましたよ…っ、なんなんですか、めっちゃ腰痛いんですけど」
「ごめんね」


ベルンハルトは隣の部屋にいたようだった。彼はまだガウン姿で、俺が起きた音に気づいて来てくれたようだった。

いつも思うが、ベルンハルトの謝罪は軽い。重みがない。本当に反省しているのだろうか。
俺はため息をついて腰の痛みと気怠さを飛ばそうとする。
ベルンハルトはまだドア付近に立って俺に近づこうとはしなかった。


「はぁ…あんまりここまでされると明日に響くんで…控えてくれると助かるんですけど」
「シオン」
「聞いてますか?」
「…シオン、やめよう」


彼が言った意味が理解できなくて、俺は思考停止した。しかし、混乱する頭をなんとか掻き集めて、考える。

やめる?何をやめるというのだ。

いや、彼と始めたことは、たった一つだ。


「シオン、情人をやめて欲しい」


俺はなんとか頭を振って、思考を再開させた。
ベルンハルトの表情は俯いていて良く見えない。


「……終わりにするってことですか」
「そう」
「俺なんかしました?」
「いや…」
「理由は言えないんですね?」


俺がそう言うと、ベルンハルトは俯いている顔を更に下げて頷いた。

俺はため息をつくしかなかった。


「はぁ……分かりました。やめましょう」
「ごめん」
「あーベルンハルトさんから始めたことですし、良いですよ。最後にシャワーだけさせて下さい」


本当に、彼の謝罪は軽い。

重く痛みに軋む腰に鞭打って、なんとかベッドから脱出した。
シャワー室に行くために、ベルンハルトの横を通ったが、彼はこちらを1度も見なかった。

シャワー室に入って、すぐさま暖かいお湯を流した。頭から被り続け、俺は呟いた。


「はー…パン屋行きづら……」
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