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番外編
友人 side ジェド
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ジェド=フォルトナーはソーニャ=クロテットに告白して、付き合って一年が経った時にプロポーズをした。
ソーニャは優雅に煌めくベキリーブルーガーネットは可愛らしくピンクの色をさせて、大粒の涙を流して喜んで受けてくれた。
そして、ようやく賭けに勝ったと飯を奢る約束をしていたディランと食事に来ていた。
なぜかディランの配偶者も一緒に。
「おいお前…奥さん連れてくるならそう言えよ…」
「いやそっちがソーニャを連れてくるなら、俺も連れてかなくちゃと思ってな」
ディランのそういう所は相変わらずだ、とも思ったが、まぁそんなにめくじら立てることでもないのでソーニャにメニュー表を渡した。
「ダリル=シェルヴェンです、いつもディランが迷惑かけてるでしょ。いつもこうだから」
「よく分かってるな、ジェド=フォルトナーだ。こっちがソーニャ=フォルトナーだ」
「よ、よろしく…」
ソーニャは少し人見知りしながらダリルに小さくお辞儀した。
「それで、ターニャはどんな反応だったよ。先に弟に結婚されて」
「おいお前本気で性格悪いな」
「え、ターニャですか?うーん…確か…」
ソーニャが言うには、ターニャはかなりクルものがあったらしい。要するに落ち込んでいる。
上手くいってほしいと心の底から思っていたが、こうもトントン拍子に結婚に至るとまでは本当は思ってなかったらしい。
『嬉しいの…嬉しいのよ…、ソーニャが結婚できて、本当に嬉しいの…でも、初恋って実らないって言うはずじゃない…』
まるで呪詛のように呟いたらしい。いつもの美人で妖艶な姿で言われたら恐怖だなとジェドは思った。
「やっぱりな!ジニーも絶対同じ反応だろ!」
「え?ジニーさんはちょっと違いましたね」
ジニーはどうやらターニャが呪詛を呟いている姿を見て慰めていたようだった。なんだかそんなターニャを見て喜んでいるようだったと。
「…ターニャを見て喜ぶ?おいそれってまさかな…」
「?なんか変ですか?」
ディランはなんとなく察したのだろう。どうしてターニャの周りでダメ男ばかり捕まるのか。
ジニーもダメ男を捕まえているはずなのに、喜んでいるわけが。
ターニャはおそらく一生結婚できないだろう。ジニーが近くにいる限り。
「それは流石に気づかなかったわ…ジニーうめぇな…隠すの。だから俺に紹介しろって言った時嫌がったのか…やっと謎が解けた…」
「意味分かんないから違う話にしていい?男爵家はどうするの?ソーニャは平民だから良いとして」
ディランが遠い目をしていると、ダリルは聞きにくそうなことをズバッと聞いてきた。
「ああ、とりあえず家督は継ぐことになった。その後のことは俺の好きにして良いってな。男爵家だし、領地もほとんどないようなもんだ。ちょうどシェルヴェン領地が隣だし、引き受けてくれると助かるがな」
「それは多分当主も構わないって言うと思う。小さいけどしっかり見られてるのがわかるしね」
「へぇ。詳しいな。ダリル」
領地をしっかり把握しているダリルに感心した。ダリルは当主秘書だったらしい。話が早くて助かった。
「新婚生活は楽しんでんのか?先パイ」
「そりゃもちろん当たり前だろ毎晩」
「ジェドっ!」
ソーニャは慌ててジェドの口を塞ごうとして酒を持っていた手を離す。ジェドはするだろうなと察していたのでグラスをキャッチすると、今度はディランがジェドに感心した。
「嫁の不始末は旦那の仕事だなぁ」
「不始末にさせてねぇからチャラだろ。ほらソーニャ。ちゃんと持て」
「うう…」
「へー、こりゃ確かに大変だ。ディランが言った通りだね」
ダリルはようやっとソーニャがドジをする所を見て納得したようだった。おそらくこれまでの一連の動作でもなんとなくジェドがソーニャの介助をしていることには気づいているようだった。
「ピッタリだろ?俺の目に狂いはなかったな」
「調子に乗ってるとまたエメにどやされるよ。あんなに優しいエメを怒らせるの得意なんだから」
「あーあ、ダリルもすっかりエメに絆されやがって」
「いやいや、むしろよく友人でいてくれるな。エメを尊敬したぞ」
するとソーニャがふと思い出したように言い出した。
「でもエメさんはディランさんを友達とは思ってないって言ってましたけど」
「おいちょっとまて聞き捨てならねぇ」
ソーニャの爆弾発言によって、ディランは酒がまずいと言い出した。
そんなディランに嫁のダリルは全く気にする様子もなく、つまみを口にするのだった。
ソーニャは優雅に煌めくベキリーブルーガーネットは可愛らしくピンクの色をさせて、大粒の涙を流して喜んで受けてくれた。
そして、ようやく賭けに勝ったと飯を奢る約束をしていたディランと食事に来ていた。
なぜかディランの配偶者も一緒に。
「おいお前…奥さん連れてくるならそう言えよ…」
「いやそっちがソーニャを連れてくるなら、俺も連れてかなくちゃと思ってな」
ディランのそういう所は相変わらずだ、とも思ったが、まぁそんなにめくじら立てることでもないのでソーニャにメニュー表を渡した。
「ダリル=シェルヴェンです、いつもディランが迷惑かけてるでしょ。いつもこうだから」
「よく分かってるな、ジェド=フォルトナーだ。こっちがソーニャ=フォルトナーだ」
「よ、よろしく…」
ソーニャは少し人見知りしながらダリルに小さくお辞儀した。
「それで、ターニャはどんな反応だったよ。先に弟に結婚されて」
「おいお前本気で性格悪いな」
「え、ターニャですか?うーん…確か…」
ソーニャが言うには、ターニャはかなりクルものがあったらしい。要するに落ち込んでいる。
上手くいってほしいと心の底から思っていたが、こうもトントン拍子に結婚に至るとまでは本当は思ってなかったらしい。
『嬉しいの…嬉しいのよ…、ソーニャが結婚できて、本当に嬉しいの…でも、初恋って実らないって言うはずじゃない…』
まるで呪詛のように呟いたらしい。いつもの美人で妖艶な姿で言われたら恐怖だなとジェドは思った。
「やっぱりな!ジニーも絶対同じ反応だろ!」
「え?ジニーさんはちょっと違いましたね」
ジニーはどうやらターニャが呪詛を呟いている姿を見て慰めていたようだった。なんだかそんなターニャを見て喜んでいるようだったと。
「…ターニャを見て喜ぶ?おいそれってまさかな…」
「?なんか変ですか?」
ディランはなんとなく察したのだろう。どうしてターニャの周りでダメ男ばかり捕まるのか。
ジニーもダメ男を捕まえているはずなのに、喜んでいるわけが。
ターニャはおそらく一生結婚できないだろう。ジニーが近くにいる限り。
「それは流石に気づかなかったわ…ジニーうめぇな…隠すの。だから俺に紹介しろって言った時嫌がったのか…やっと謎が解けた…」
「意味分かんないから違う話にしていい?男爵家はどうするの?ソーニャは平民だから良いとして」
ディランが遠い目をしていると、ダリルは聞きにくそうなことをズバッと聞いてきた。
「ああ、とりあえず家督は継ぐことになった。その後のことは俺の好きにして良いってな。男爵家だし、領地もほとんどないようなもんだ。ちょうどシェルヴェン領地が隣だし、引き受けてくれると助かるがな」
「それは多分当主も構わないって言うと思う。小さいけどしっかり見られてるのがわかるしね」
「へぇ。詳しいな。ダリル」
領地をしっかり把握しているダリルに感心した。ダリルは当主秘書だったらしい。話が早くて助かった。
「新婚生活は楽しんでんのか?先パイ」
「そりゃもちろん当たり前だろ毎晩」
「ジェドっ!」
ソーニャは慌ててジェドの口を塞ごうとして酒を持っていた手を離す。ジェドはするだろうなと察していたのでグラスをキャッチすると、今度はディランがジェドに感心した。
「嫁の不始末は旦那の仕事だなぁ」
「不始末にさせてねぇからチャラだろ。ほらソーニャ。ちゃんと持て」
「うう…」
「へー、こりゃ確かに大変だ。ディランが言った通りだね」
ダリルはようやっとソーニャがドジをする所を見て納得したようだった。おそらくこれまでの一連の動作でもなんとなくジェドがソーニャの介助をしていることには気づいているようだった。
「ピッタリだろ?俺の目に狂いはなかったな」
「調子に乗ってるとまたエメにどやされるよ。あんなに優しいエメを怒らせるの得意なんだから」
「あーあ、ダリルもすっかりエメに絆されやがって」
「いやいや、むしろよく友人でいてくれるな。エメを尊敬したぞ」
するとソーニャがふと思い出したように言い出した。
「でもエメさんはディランさんを友達とは思ってないって言ってましたけど」
「おいちょっとまて聞き捨てならねぇ」
ソーニャの爆弾発言によって、ディランは酒がまずいと言い出した。
そんなディランに嫁のダリルは全く気にする様子もなく、つまみを口にするのだった。
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