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3章
青天の霹靂
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「大丈夫ですか?」
見上げると、馬に乗った黒衣の王子がいた。
私の世界が、一瞬で色付いた。
グウェンと結婚した俺は、大きく日常が変わっていくものかと思ったが、さほど変わりはしなかった。のほほんと毎日を過ごせていることに感動すら覚えている。結婚したと言っても、グウェンが俺にプレゼントとして建てた屋敷にはずっといたので引越しも何もなく、唯々平和なのだ。
天気の良い日は、グウェンが非番ならば庭園のガーデンテーブルでお茶を飲むのが最近のルーチンだ。今日も、天気が良く、風も強くないためいつもと同じように過ごしていた。
スイレンが持ってきた招待状を見るまでは。
「……なんで俺が呼ばれることになるの?」
「いや、本当に分からん……そもそもそのお方とは会話もしたことが無いな」
俺は届いた招待状を見て疑問を隠せなかった。俺は一切関わりがない為、原因の発端であろうグウェンに尋ねても、招待される理由は分からなかった。
差出人はソフィア=アレクサンデル
この国の第6王女だった。招待状には、友人同伴可と書かれていた。どういった意図があるのか全く分からなかった。
「……俺はその日討伐でいないな」
「そっか。じゃあ、レイ呼ぼうかな。討伐一緒?」
「いや、今回は呼ばれてないな。ルークも大丈夫だと思うぞ」
「うーん……じゃあ3人で行こうかな」
スイレンに子爵家へ手紙を書くための準備をしてもらう。お茶会となるならば、王女相手だし服装もそれなりのものを準備する必要がある。
「ほんと、なんだろ…」
後日、理由を知った俺は王族が関わるとろくな事がないと思い知らされることとなった。
「初めまして。わたくし、ソフィア=アレクサンデルと言いますわ。本日は是非ノア様とお話したいと思いまして、このような会を開かせていただきました」
艶やかなアクアマリンの長いストレート髪の王女に挨拶をされる。王女にも友人が来るのかと思ったら、王女は1人でお茶会に参加されるようだった。こちらも挨拶と、レイとルークの紹介をして席に座った。
「ていうかノア、本当になんで呼ばれたの?」
「いや、俺も分かんないんだよ……」
「一体何したら王女とお茶会になるんだよ」
王女には聞こえない程の声量でヒソヒソと話す。テーブルには所狭しと食べきれそうもない量のお菓子が並べてある。王女は優雅な所作で紅茶を一口飲んで、話し始めた。
「それでお話というのはですね」
きた。3人ともゴクリと息を呑んだ。
「わたくし、グウェン様と結婚させて頂きたいんですの」
見上げると、馬に乗った黒衣の王子がいた。
私の世界が、一瞬で色付いた。
グウェンと結婚した俺は、大きく日常が変わっていくものかと思ったが、さほど変わりはしなかった。のほほんと毎日を過ごせていることに感動すら覚えている。結婚したと言っても、グウェンが俺にプレゼントとして建てた屋敷にはずっといたので引越しも何もなく、唯々平和なのだ。
天気の良い日は、グウェンが非番ならば庭園のガーデンテーブルでお茶を飲むのが最近のルーチンだ。今日も、天気が良く、風も強くないためいつもと同じように過ごしていた。
スイレンが持ってきた招待状を見るまでは。
「……なんで俺が呼ばれることになるの?」
「いや、本当に分からん……そもそもそのお方とは会話もしたことが無いな」
俺は届いた招待状を見て疑問を隠せなかった。俺は一切関わりがない為、原因の発端であろうグウェンに尋ねても、招待される理由は分からなかった。
差出人はソフィア=アレクサンデル
この国の第6王女だった。招待状には、友人同伴可と書かれていた。どういった意図があるのか全く分からなかった。
「……俺はその日討伐でいないな」
「そっか。じゃあ、レイ呼ぼうかな。討伐一緒?」
「いや、今回は呼ばれてないな。ルークも大丈夫だと思うぞ」
「うーん……じゃあ3人で行こうかな」
スイレンに子爵家へ手紙を書くための準備をしてもらう。お茶会となるならば、王女相手だし服装もそれなりのものを準備する必要がある。
「ほんと、なんだろ…」
後日、理由を知った俺は王族が関わるとろくな事がないと思い知らされることとなった。
「初めまして。わたくし、ソフィア=アレクサンデルと言いますわ。本日は是非ノア様とお話したいと思いまして、このような会を開かせていただきました」
艶やかなアクアマリンの長いストレート髪の王女に挨拶をされる。王女にも友人が来るのかと思ったら、王女は1人でお茶会に参加されるようだった。こちらも挨拶と、レイとルークの紹介をして席に座った。
「ていうかノア、本当になんで呼ばれたの?」
「いや、俺も分かんないんだよ……」
「一体何したら王女とお茶会になるんだよ」
王女には聞こえない程の声量でヒソヒソと話す。テーブルには所狭しと食べきれそうもない量のお菓子が並べてある。王女は優雅な所作で紅茶を一口飲んで、話し始めた。
「それでお話というのはですね」
きた。3人ともゴクリと息を呑んだ。
「わたくし、グウェン様と結婚させて頂きたいんですの」
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