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番外編
六年目の偏愛
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シュリが、キレた。
「おい、アドルフ。大丈夫か?」
ハッとようやく戻ってこれたのは、恋人のヴァレリの声のおかげだった。
騒動はすでに鎮火している。さっきまでキレていたシュリは方々に頭を下げ、メアもニコニコと楽しそうに、後光が差している。リカルドというシュリの元カレの子爵も、コソコソと退散しているようだった。こんな場で、浮気男と叫ばれては居心地も良くないだろうな、なんて思ってしまう。
「あれ見たの初めてだったのか」
あれ、とは逆上の公爵夫人のことだと悟る。
ヴァレリの問いかけにコクリと頷くと、意外だという表情をした。
シュリとは同僚であったが勤務態度は真面目だし、穏やかでいつも落ち着いていた。アドルフはそんなシュリに仕事のミスをカバーしてもらったりと何度も救われてきた。
そんな優しいシュリが。まさか。
いや、あだ名のことは知っていた。しかし、どうしても逆上の公爵夫人とシュリが点と線で結ばれることは、アドルフの中では決してなかったのだ。
「まーびっくりだわな。あんな可愛い顔してめちゃくちゃ暴言吐くからな。招待客のほとんどが『公爵夫人が来るなら是非』とか言ってたんだぜ?見世物みたいなもんだ」
「ファンがいるのかよ」
「そうそう。結構人気だぜ?貴族なのにめちゃくちゃ口が悪くて、まるで劇を見てるみたいだってな」
あれを演劇扱いとは。貴族にとったら自分に罹らぬ火の粉は楽しいのだろう。
アドルフはやっと一息ついた。ヴァレリの方を見ると、シュリの暴走を全く気にしていないようだ。どちらかといえば、なんだか狙ってやったのではないかとも思わせてくる。
いやまさか。シュリの元カレを知っているはずもないのだ。しかし、シュリは貴族内でファンがいるほどの人気だ。元カレの噂が回ってもおかしくないのでは。
アドルフが考えをぐるぐる回らせていると、考えを打ち消されるように腰に手が回り、グイ、と引き寄せられる。近くなったヴァレリの顔に、完全に頭の中の考えは吹っ飛んでしまう。
「アドルフ。こっちに」
「え、あ…うぇ?!」
そうしてそのまま、ヴァレリに腰に手を回されたまま連れ出されてしまう。アドルフは抵抗する気はないが、ヴァレリの突然の行動に頭がこんがらがっている。
ただでさえ、シュリのキレ芸に頭がついていっていないのに。
ヴァレリに引かれるまま、会場の端の方へ向かっていく。
ヴァレリはスタッフの一人の方へ向かって歩いていた。そのスタッフは壮年の男性で、上品で丁寧な物腰を感じさせる。その男性の前で立ち止まると、スタッフはヴァレリの方に気づいた。
「ヴァレリ様。ご入用ですか?…おや、こちらの方は」
「ああ、オスト。紹介しにきた。アドルフだ」
「ああ、この方がヴァレリ様の」
オストと呼ばれた男は、アドルフを見ても不快な感じを全くさせなかった。それどころか、どこか喜んでいるような、嬉しそうな微笑みを見せている。
「初めまして、アドルフ様。オストと申します。当ホテルの支配人を務めさせて頂いております」
「し…っ!え!ちょ、ええ!?」
まさかホテルのトップと話しているとは思わず、アドルフは驚きを隠せなかった。いや、隣に支配人よりも偉い人物がいるのは分かっているのだが。
どうしてわざわざ支配人にアドルフを紹介するのか分からなくてヴァレリを見上げる。
「ヴァレリ様、伝えていらっしゃらないんですか?」
「いや、こういうのはサプライズの方がいいだろ」
「全く。そういうところですよ」
一体何が二人の中で起きているのか分からなくてさらに混乱する。
ヴァレリはアドルフの戸惑っている姿を見て意地悪そうに少し笑っているのかと思えば、優しく微笑んでいた。
「アドルフ。ここのトップはお前だ」
「は…?」
言われた意味が分からず、アドルフは間抜けな声を出してしまう。相変わらずヴァレリは優しく微笑んでいるし、支配人のオストもニコニコとしている。
アドルフだけが置いてけぼりにされている。
「このホテルの名義はアドルフになってる。経営は俺がするから安心しろ」
何も安心できない。アドルフの頭にはヒヨコが二匹追いかけっこをしている。
「このホテルはプレゼントだ。アドルフ、今日はちゃんと付き合い始めてから三年目だ」
「全く、本当に大変でした。どうしてもこの日までに完成させろというから、調整やら人員の確保やら…アドルフ様。名義だけでなく、経営もされませんか?」
「おい待て。アドルフは経営に関してはど素人だ。やらせるか」
「とか言って。あまり他人と関わらせたくないだけでしょう。分かってますからね」
二人が気安い関係なのが伝わってくるのは良い事なのだが、アドルフは未だに理解しきれなかった。
どうしてこんな、突然。何も言ってなかったではないか。
アドルフはただ今日だけは来いと言われて無理やり連れ出された。客人としてで良いと言われ、平民が貴族だらけの場所でそんなわけに行くかと対抗すれば、それも見越していたのかスタッフとしてで良いから来いと言われた。
一年目も、二年目も、食事に行ったりプレゼントしあったりすることくらいは恋人だから当然した。今日だって、ヴァレリは忘れたのかもしれないな、と少し悲しかったのだ。
アドルフの父親と上手く行った頃から、ヴァレリの心がさらに熱くなったのを感じた。明らかに浮かれているし、アドルフも浮かれていた。
だから、忘れても仕方がないと納得させようとしていたのだ。
「…なんで」
突然、ヴァレリの仕事の一つを名義だけとはいえ、アドルフにしているのか。ヴァレリのことだ。倒産するとなった時はきっとアドルフに火の粉が降りかからないようにはしているだろう。ただ美味しいところだけをアドルフはもらっているに違いない。
そんな貢ぐようなことをしなくたって、アドルフはもう十分だと言うのに。
「馬鹿。お前が考えてることくらい分かる。どーせ俺が情熱的なのも今だけで、飽きたら終わりだとでも思ってんだろ」
「ち、ちが…」
咄嗟に否定しても、アドルフの表情を見たヴァレリには全て筒抜けだった。
「分かってんだよ。仲違いしかけてた父親すら使って俺に飽きさせないようにしたことくらい。もうそんな事しなくてもいいってことだ」
「あ…」
「これで俺とお前は運命共同体って訳だ」
ようやくいつもの意地の悪そうな、でもどこかはにかんだ様な笑みが浮かんでいた。
「……い、いつ俺の名前」
名義と言うならば。サインは一体いつ。
アドルフはサインした覚えなど今日のスタッフとして来た時の書類にしかサインした覚えがない。
「まさか」
「書類は隅々までちゃんと読むべきだな」
「詐欺じゃないですか。アドルフ様、オーナーはほんとめんどくさいですよ?大丈夫ですか?」
「何言ってんだオスト。面倒なのはお互い様なんだよ。六年経ってもこれなんだからな」
これ、というのは信頼しきっていないということなのか。心のどこかで引っかかる何かの正体が分からなくて、ウジウジとしている自分を指差され、アドルフは何も言い返せない。
「それはヴァレリ様の行いのせいでしょう」
「この三年は特に誠実だったと思うけどな?」
「誠実な方は自分で誠実だとは言いません。アドルフ様、名義だけとはいえ、ここは貴方のホテルとなります。いつでもお越しください」
ヴァレリに苦言を呈し、アドルフへ微笑むオストはホテルマンらしい立ち居振る舞いでアドルフへ礼をする。はたから見れば、スタッフに支配人が頭を下げているように見えるのでやめて欲しいとアドルフは慌てた。
そんなアドルフを面白そうに、嬉しそうに、恋人は見つめてくる。
アドルフはそんなヴァレリに胸が苦しくなる。
自分が重くのしかかった分だけ、返してくれる恋人がとても大切で、大好きで、愛しているのだと理解したからだ。
「…ヴァレリ、ありがとう」
ここ何年かで緩くなった涙腺が、静かに決壊していく。緩くした張本人は、やっぱり意地悪そうででもどこかはにかんだ微笑みを見せてくれた。
そしてアドルフはとにかく感動したので、このことをシュリに伝え、「ヴァレリさんめちゃくちゃ重い」と冷静に返されてしまうのは、ちょっと後の話である。
「おい、アドルフ。大丈夫か?」
ハッとようやく戻ってこれたのは、恋人のヴァレリの声のおかげだった。
騒動はすでに鎮火している。さっきまでキレていたシュリは方々に頭を下げ、メアもニコニコと楽しそうに、後光が差している。リカルドというシュリの元カレの子爵も、コソコソと退散しているようだった。こんな場で、浮気男と叫ばれては居心地も良くないだろうな、なんて思ってしまう。
「あれ見たの初めてだったのか」
あれ、とは逆上の公爵夫人のことだと悟る。
ヴァレリの問いかけにコクリと頷くと、意外だという表情をした。
シュリとは同僚であったが勤務態度は真面目だし、穏やかでいつも落ち着いていた。アドルフはそんなシュリに仕事のミスをカバーしてもらったりと何度も救われてきた。
そんな優しいシュリが。まさか。
いや、あだ名のことは知っていた。しかし、どうしても逆上の公爵夫人とシュリが点と線で結ばれることは、アドルフの中では決してなかったのだ。
「まーびっくりだわな。あんな可愛い顔してめちゃくちゃ暴言吐くからな。招待客のほとんどが『公爵夫人が来るなら是非』とか言ってたんだぜ?見世物みたいなもんだ」
「ファンがいるのかよ」
「そうそう。結構人気だぜ?貴族なのにめちゃくちゃ口が悪くて、まるで劇を見てるみたいだってな」
あれを演劇扱いとは。貴族にとったら自分に罹らぬ火の粉は楽しいのだろう。
アドルフはやっと一息ついた。ヴァレリの方を見ると、シュリの暴走を全く気にしていないようだ。どちらかといえば、なんだか狙ってやったのではないかとも思わせてくる。
いやまさか。シュリの元カレを知っているはずもないのだ。しかし、シュリは貴族内でファンがいるほどの人気だ。元カレの噂が回ってもおかしくないのでは。
アドルフが考えをぐるぐる回らせていると、考えを打ち消されるように腰に手が回り、グイ、と引き寄せられる。近くなったヴァレリの顔に、完全に頭の中の考えは吹っ飛んでしまう。
「アドルフ。こっちに」
「え、あ…うぇ?!」
そうしてそのまま、ヴァレリに腰に手を回されたまま連れ出されてしまう。アドルフは抵抗する気はないが、ヴァレリの突然の行動に頭がこんがらがっている。
ただでさえ、シュリのキレ芸に頭がついていっていないのに。
ヴァレリに引かれるまま、会場の端の方へ向かっていく。
ヴァレリはスタッフの一人の方へ向かって歩いていた。そのスタッフは壮年の男性で、上品で丁寧な物腰を感じさせる。その男性の前で立ち止まると、スタッフはヴァレリの方に気づいた。
「ヴァレリ様。ご入用ですか?…おや、こちらの方は」
「ああ、オスト。紹介しにきた。アドルフだ」
「ああ、この方がヴァレリ様の」
オストと呼ばれた男は、アドルフを見ても不快な感じを全くさせなかった。それどころか、どこか喜んでいるような、嬉しそうな微笑みを見せている。
「初めまして、アドルフ様。オストと申します。当ホテルの支配人を務めさせて頂いております」
「し…っ!え!ちょ、ええ!?」
まさかホテルのトップと話しているとは思わず、アドルフは驚きを隠せなかった。いや、隣に支配人よりも偉い人物がいるのは分かっているのだが。
どうしてわざわざ支配人にアドルフを紹介するのか分からなくてヴァレリを見上げる。
「ヴァレリ様、伝えていらっしゃらないんですか?」
「いや、こういうのはサプライズの方がいいだろ」
「全く。そういうところですよ」
一体何が二人の中で起きているのか分からなくてさらに混乱する。
ヴァレリはアドルフの戸惑っている姿を見て意地悪そうに少し笑っているのかと思えば、優しく微笑んでいた。
「アドルフ。ここのトップはお前だ」
「は…?」
言われた意味が分からず、アドルフは間抜けな声を出してしまう。相変わらずヴァレリは優しく微笑んでいるし、支配人のオストもニコニコとしている。
アドルフだけが置いてけぼりにされている。
「このホテルの名義はアドルフになってる。経営は俺がするから安心しろ」
何も安心できない。アドルフの頭にはヒヨコが二匹追いかけっこをしている。
「このホテルはプレゼントだ。アドルフ、今日はちゃんと付き合い始めてから三年目だ」
「全く、本当に大変でした。どうしてもこの日までに完成させろというから、調整やら人員の確保やら…アドルフ様。名義だけでなく、経営もされませんか?」
「おい待て。アドルフは経営に関してはど素人だ。やらせるか」
「とか言って。あまり他人と関わらせたくないだけでしょう。分かってますからね」
二人が気安い関係なのが伝わってくるのは良い事なのだが、アドルフは未だに理解しきれなかった。
どうしてこんな、突然。何も言ってなかったではないか。
アドルフはただ今日だけは来いと言われて無理やり連れ出された。客人としてで良いと言われ、平民が貴族だらけの場所でそんなわけに行くかと対抗すれば、それも見越していたのかスタッフとしてで良いから来いと言われた。
一年目も、二年目も、食事に行ったりプレゼントしあったりすることくらいは恋人だから当然した。今日だって、ヴァレリは忘れたのかもしれないな、と少し悲しかったのだ。
アドルフの父親と上手く行った頃から、ヴァレリの心がさらに熱くなったのを感じた。明らかに浮かれているし、アドルフも浮かれていた。
だから、忘れても仕方がないと納得させようとしていたのだ。
「…なんで」
突然、ヴァレリの仕事の一つを名義だけとはいえ、アドルフにしているのか。ヴァレリのことだ。倒産するとなった時はきっとアドルフに火の粉が降りかからないようにはしているだろう。ただ美味しいところだけをアドルフはもらっているに違いない。
そんな貢ぐようなことをしなくたって、アドルフはもう十分だと言うのに。
「馬鹿。お前が考えてることくらい分かる。どーせ俺が情熱的なのも今だけで、飽きたら終わりだとでも思ってんだろ」
「ち、ちが…」
咄嗟に否定しても、アドルフの表情を見たヴァレリには全て筒抜けだった。
「分かってんだよ。仲違いしかけてた父親すら使って俺に飽きさせないようにしたことくらい。もうそんな事しなくてもいいってことだ」
「あ…」
「これで俺とお前は運命共同体って訳だ」
ようやくいつもの意地の悪そうな、でもどこかはにかんだ様な笑みが浮かんでいた。
「……い、いつ俺の名前」
名義と言うならば。サインは一体いつ。
アドルフはサインした覚えなど今日のスタッフとして来た時の書類にしかサインした覚えがない。
「まさか」
「書類は隅々までちゃんと読むべきだな」
「詐欺じゃないですか。アドルフ様、オーナーはほんとめんどくさいですよ?大丈夫ですか?」
「何言ってんだオスト。面倒なのはお互い様なんだよ。六年経ってもこれなんだからな」
これ、というのは信頼しきっていないということなのか。心のどこかで引っかかる何かの正体が分からなくて、ウジウジとしている自分を指差され、アドルフは何も言い返せない。
「それはヴァレリ様の行いのせいでしょう」
「この三年は特に誠実だったと思うけどな?」
「誠実な方は自分で誠実だとは言いません。アドルフ様、名義だけとはいえ、ここは貴方のホテルとなります。いつでもお越しください」
ヴァレリに苦言を呈し、アドルフへ微笑むオストはホテルマンらしい立ち居振る舞いでアドルフへ礼をする。はたから見れば、スタッフに支配人が頭を下げているように見えるのでやめて欲しいとアドルフは慌てた。
そんなアドルフを面白そうに、嬉しそうに、恋人は見つめてくる。
アドルフはそんなヴァレリに胸が苦しくなる。
自分が重くのしかかった分だけ、返してくれる恋人がとても大切で、大好きで、愛しているのだと理解したからだ。
「…ヴァレリ、ありがとう」
ここ何年かで緩くなった涙腺が、静かに決壊していく。緩くした張本人は、やっぱり意地悪そうででもどこかはにかんだ微笑みを見せてくれた。
そしてアドルフはとにかく感動したので、このことをシュリに伝え、「ヴァレリさんめちゃくちゃ重い」と冷静に返されてしまうのは、ちょっと後の話である。
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