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BLの話は考えたくない
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セドは俺をまた叱ったあとで、「気をつけなさい!」とぷりぷりしたまま部屋を出ていった。
なんで詐欺にあってる息子を庇ってくれないんだよ!
「それで? ライとテーヴの話か?」
ヴィオレットが気を取り直して話題を戻す。
俺の隣に座ってきやがった。俺は無言で身体を反対に少しずらした。それを見てもニヤニヤしてやがった。くそ!
「親同士が仲が良いってだけで勝手に決まった縁談だから……多分テーヴは乗り気じゃないんですよー」
「だから、もう解散だって」
「まぁまぁノエル、聞いてあげよう」
俺が呆れたように言うと、ヴィオレットが俺を宥めてくる。
ヴィオレットはライに疑問をぶつける。
「そもそも乗り気じゃないと誰に言われたんだ?」
「え? いや…それは」
「やっぱり解散じゃねーか」
「ノエル」
「うぐ」
ヴィオレットに少し黙れと目で威圧される。 俺婚約者じゃねーのかよ!おい!
いやまぁ友達に相談されてるのに投げやりな返答してる俺が悪いのかもしんねーけど!
「……姉に」
「え、本当になんか言われてんのかよ」
俺はてっきりライが一人勝手に悩んでウジウジしているのかと思っていたが、第三者の登場に驚く。
ライは少し言いにくそうに戸惑っている。
「……姉はテーヴと婚約するのは自分だと思ってたみたいなんです。確かに、元々そのつもりだったみたいで」
「親同士が君の姉とテーヴを婚約させる予定だったのか」
「はい。 でもこの間、何故か俺に変わってて……姉が『ジナルマー様なら分かるけど、なんで弟のアンタに取られなくちゃいけないのよ!』って怒ってしまって」
見事な当て馬キャラの姉に俺は思わず拍手をしたくなった。
これはその姉をライが乗り越えるお約束パターンに違いない。
まだ見ぬライの姉、次は幸せになるんだぞ…
「テーヴはいつも、俺が騒がしいから面倒見きれないって言ってるのに、婚約者が俺に変わったから……どうすればいいか分かんなくて」
「ええー…なにそのいじらしいキャラ……絶対テーヴとくっつくやつじゃもご」
「ノエル、静かにしろ」
おい手! 手は出さない約束じゃねーのか!
もごもごと口元をヴィオレットに抑えられながら抵抗するも、ヴィオレットは離そうとしない。
「多分テーヴも今頃困ってるはずなんだ。 親同士の話だから俺が何か言える立場でもないし、どうすればいいかと思って」
「ふむ。ライはテーヴとどうなりたいんだ?」
「お、俺は…テーヴに好きな子が居るなら、その子と幸せになって欲しくて」
「ライはテーヴと婚約するのが嫌なのか?」
おい、手を離せ、いい加減離せ!
ヴィオレットの手が大きいのかちょっと息がしずらい!
パタパタと暴れても、ヴィオレットは何処吹く風だ。
「……そんなこと言える立場じゃ」
「立場は無視して考えろ。嫌なのか?」
「……い、嫌なわけないです。テーヴとは小さい頃からずっと一緒で、俺の事を1番理解してくれてるし、婚約だって……テーヴじゃなきゃ本当は嫌で」
「なるほど。じゃあそれを伝えに行った方がいい。今すぐ行こう」
「えっ!」
ちょっとまて。 なんでBLの話を上手くまとめようとしてんだ。
というか本当に離せ! マジで息がしずらい!しずらいというか、だんだん頭がクラクラしてきた。
「早いうちに行った方がいい。確かめに行こう。私達も一緒に行く」
「ええっ! ヴィオレット様とノエルもですか?!」
「君だけじゃ聞けないだろう」
「うっ……確かに……」
「よし。 じゃあこれから先触れを出して出発しよう。ノエル、行くぞ。……ノエル?」
俺は酸素不足で意識を失ったらしい。
そのままヴィオレットに横抱きにされて連れてかれたなんて俺は一生知りたくなかった。
てか婚約者を酸欠にするってヤバイ奴すぎるだろ!
なんで詐欺にあってる息子を庇ってくれないんだよ!
「それで? ライとテーヴの話か?」
ヴィオレットが気を取り直して話題を戻す。
俺の隣に座ってきやがった。俺は無言で身体を反対に少しずらした。それを見てもニヤニヤしてやがった。くそ!
「親同士が仲が良いってだけで勝手に決まった縁談だから……多分テーヴは乗り気じゃないんですよー」
「だから、もう解散だって」
「まぁまぁノエル、聞いてあげよう」
俺が呆れたように言うと、ヴィオレットが俺を宥めてくる。
ヴィオレットはライに疑問をぶつける。
「そもそも乗り気じゃないと誰に言われたんだ?」
「え? いや…それは」
「やっぱり解散じゃねーか」
「ノエル」
「うぐ」
ヴィオレットに少し黙れと目で威圧される。 俺婚約者じゃねーのかよ!おい!
いやまぁ友達に相談されてるのに投げやりな返答してる俺が悪いのかもしんねーけど!
「……姉に」
「え、本当になんか言われてんのかよ」
俺はてっきりライが一人勝手に悩んでウジウジしているのかと思っていたが、第三者の登場に驚く。
ライは少し言いにくそうに戸惑っている。
「……姉はテーヴと婚約するのは自分だと思ってたみたいなんです。確かに、元々そのつもりだったみたいで」
「親同士が君の姉とテーヴを婚約させる予定だったのか」
「はい。 でもこの間、何故か俺に変わってて……姉が『ジナルマー様なら分かるけど、なんで弟のアンタに取られなくちゃいけないのよ!』って怒ってしまって」
見事な当て馬キャラの姉に俺は思わず拍手をしたくなった。
これはその姉をライが乗り越えるお約束パターンに違いない。
まだ見ぬライの姉、次は幸せになるんだぞ…
「テーヴはいつも、俺が騒がしいから面倒見きれないって言ってるのに、婚約者が俺に変わったから……どうすればいいか分かんなくて」
「ええー…なにそのいじらしいキャラ……絶対テーヴとくっつくやつじゃもご」
「ノエル、静かにしろ」
おい手! 手は出さない約束じゃねーのか!
もごもごと口元をヴィオレットに抑えられながら抵抗するも、ヴィオレットは離そうとしない。
「多分テーヴも今頃困ってるはずなんだ。 親同士の話だから俺が何か言える立場でもないし、どうすればいいかと思って」
「ふむ。ライはテーヴとどうなりたいんだ?」
「お、俺は…テーヴに好きな子が居るなら、その子と幸せになって欲しくて」
「ライはテーヴと婚約するのが嫌なのか?」
おい、手を離せ、いい加減離せ!
ヴィオレットの手が大きいのかちょっと息がしずらい!
パタパタと暴れても、ヴィオレットは何処吹く風だ。
「……そんなこと言える立場じゃ」
「立場は無視して考えろ。嫌なのか?」
「……い、嫌なわけないです。テーヴとは小さい頃からずっと一緒で、俺の事を1番理解してくれてるし、婚約だって……テーヴじゃなきゃ本当は嫌で」
「なるほど。じゃあそれを伝えに行った方がいい。今すぐ行こう」
「えっ!」
ちょっとまて。 なんでBLの話を上手くまとめようとしてんだ。
というか本当に離せ! マジで息がしずらい!しずらいというか、だんだん頭がクラクラしてきた。
「早いうちに行った方がいい。確かめに行こう。私達も一緒に行く」
「ええっ! ヴィオレット様とノエルもですか?!」
「君だけじゃ聞けないだろう」
「うっ……確かに……」
「よし。 じゃあこれから先触れを出して出発しよう。ノエル、行くぞ。……ノエル?」
俺は酸素不足で意識を失ったらしい。
そのままヴィオレットに横抱きにされて連れてかれたなんて俺は一生知りたくなかった。
てか婚約者を酸欠にするってヤバイ奴すぎるだろ!
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西条ネア
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