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士郎×雪夜

おまけ

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コメントでご指摘して頂きありがとうございます!助かります。話の根幹にはあまり問題ない部分かと思いますので、サイレント修正とさせていただきます。




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  僕はそれなりに経験がある。何って、ナニをだ。それなりに、と言っても相手は不特定多数という訳ではなく、れっきとした彼氏とだ。学生の時に一度、フリーターの時に一度彼氏が出来た。どちらもそこまで長くは続かなかったけれど、それなりのことは致した。

「ん…士郎さん」
「雪夜。腰上げて」

  士郎にその事は伝えてないが、初めて士郎とした時にリードしたのだから多分何人かと付き合ったことはバレていると思う。
  まぁ士郎も大人で、そのことについては深く触れてこないでくれている。

  ズボンと一緒に下着を下ろされる。広いベッドの上で心地よいシーツの感触を直に感じると、シャツは脱がされず上げるだけに留まった。

「んっ、ん……っ、ぁ」
「どこもかしこも可愛くて堪らないな…信じられないくらい可愛い」

  あげるだけと言ってももうほぼ全裸である。そして恐らく人体の全裸など飽きる程見ている職業の士郎にウットリされるのは悪い気がしない。
  ツー…と胸から鳩尾、臍に至り最後は僕の急所を指先で撫ぜた。彼はこの曲線を気に入り、脇腹も同じように堪能する。こうやって撫でられる度、体重管理に気をつけよう……と色気のないことを思ってしまう。

  士郎は筋肉が付きやすい体質のようだが、僕は筋肉が付きにくい。細身なので脂肪が多い訳でもないが、引き締まった彼を見る度に自分のなまっ白いこの身体にコンプレックスのようなものを感じてしまう。
  けど人は自分に無いものを求めるものだ。僕が彼の肉体美が好きなように、彼はどうやら僕のこの触り心地の悪そうな身体が好きらしい。
  せめてもの抗いを見せるため、ボディクリームを塗っているのはまだ内緒である。

  士郎はまた僕の体を優しく撫でる。ピクピクと勝手に身体が反応して、キュンキュンと下腹が疼く。とろりと仕込んだ中の液体が漏れているのが分かる。

「んっ、士郎、さん……はやく、ぅ」
「早くって。まだ何も準備……」

  まさか、と言って彼は僕の蕾に手を当てる。彼が優しくゆっくりと指先を挿れるが、1本くらいは容易に飲み込んでしまう。それどころかもっと増やして欲しいくらいだった。

「……俺の楽しみを奪うとは。覚悟はいいな?」
「ん……いっぱい、して」

  今日は何かのお祝い?記念日?そんなのは全然ない。

  ただ少し寂しかった。士郎が準備してくれたこの広い箱庭で待ち続けるのも楽しいけれど、やっぱりそれは士郎が居ないと完成しない箱庭だ。彼には待っている大勢の患者がいる。だから僕が一人独占出来るのは、この箱庭に彼が帰ってきてくれた時だけ。

  くっ、と腰を彼に当てながら足を腰に巻き付けた。ちゅっと士郎の唇にキスを軽くすると、士郎の瞳が一段と輝きを増し、ギラギラとしていた。



「あっ! あ! ぁあっ、ぁ、ぅ!んんっ!し、ろ…っさ、ぁっ!」
「はー…、ふーっ」

  士郎のグロテスクなほど血管の浮き出た怒張するソレは、僕の蕾を捲りあげてしまいそうなほどだった。僕の中の良い所を全部突かれ、擦られ、グチャグチャと卑猥な音を立てていた。
  パンッパンッ、と腰を深く持ち上げられながら上から叩きつけるように激しく打たれている。まるで獣のような交配に、僕も士郎も完全にイッていた。

  僕はもう既に三度達していた。士郎も一度僕の中に出している。僕のモノはプラプラとしているが、士郎のモノはまだまだ熱く滾り、僕を苛むように穿つ。

「あっ、そこ、んんっ、あ! ひ、気持ちい、ぁっ!」
「はー……っ、はーっ、雪夜、雪夜…」
「あっ、イク、いく、だめ、いっちゃ……っ!ん、んんんっ!」

  涙目で士郎を見上げ、震える腕で士郎の腕を掴む。士郎は僕の絶頂が近づいたことを中でも感じたようでより一層動きを激しくされてしまう。そして何度も士郎が腰を打ち付け中を快楽で抉ると、目の前が白くチカチカと星が舞った。中で彼が熱く爆ぜたのも感じながら、溶けるような気持ちよさで身体が苦しいとすら感じた。

  お互いふー、ふー、と息を整える。士郎は僕の腰を下ろして僕をぎゅっと抱きしめた。

「雪夜…好きだ、愛してる」
「ん…、僕も、士郎さん。大好きです」

  士郎の少し重たい体重を感じつつ、その心地よい重さに胸がいっぱいになる。

  比べたつもりなんてないけれど、士郎とのセックスは相性が良いのか凄く気持ちがいい。終わったあとも労わるように頭を撫でたり沢山キスもしてくれる。

  何度かキスをして、お互いの息が整った所で抱き合う。この余韻もいつまでも続けていたいが、士郎は仕事で疲れているだろうし、そろそろ離さなくては。

「士郎さん……シャワー」
「…悪い」
「え?」

  浴びてきていいですよ、と僕が言おうとした時に直ぐに遮られてしまった。

  士郎を見上げながら首をかしげると、士郎は一度起こした上半身をもう一度僕に多い被せてきて余裕無さげな表情をしていた。

  あれ? いつもならここで「身体は大丈夫か?」って労わってくれて、わー、本当に優しい!嬉しい!ってなる所なのに…?

「し、ろうさ、ん?ぼく今いっぱい」
「いっぱいして、と言ったのはお前だ。雪夜」
「ぴえ」

  彼の下半身はまだ全然力強くて、僕はそれを見て情けない声をだしてしまった。
  たぶんちょっと涙目だったと思う。
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