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契る sideサシャ
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サシャ=ジルヴァールは旦那の寝顔を見つめていた。
プロポーズを受けた次の長期休暇に2人でジルヴァール家とイブリック家へ挨拶に向かった。
とりあえずサシャの家から行こうと話していたので、先触れを出して挨拶に向かった。
アーヴィンには両親も弟も、まともに話してくれるか、そもそも会ってくれるか分からないと伝えた。
アーヴィンはそれでも行かない訳にはいかないからとジルヴァール家の敷居を跨ぐことになった。
サシャは久しぶりの実家に怯えた。
忌々しいという瞳をそのままにして向かう決意をしたのだ。
アーヴィンが綺麗だと言ってくれている。
それを隠して両親に会うのはなんだか違う気がして、勇気を出した。
けれど、父も母も、弟も、使用人ですらサシャの顔を忘れていたらしく、まるで初めて会った人物かのように口を開けていた。
家にいる時も認識阻害メガネをずっとかけていたから、幼い頃に見て以降サシャの成長を知るものはいなかったのだ。
父も母も弟も、ポカンと口を開けたままアーヴィンの結婚の挨拶を聞いていた。
貴族として手紙を送ったりはしたのだが、返事がなかったためここに来た旨を伝えると、父がようやく重い口を開いた。
「そ、そこにいるのは本当にサシャなのか?」
「は? 自分の息子の顔が分からないのですか?」
「いや、その…久しぶりに、会ったものだからな」
しどろもどろになっている父に、アーヴィンは笑顔のまま対応する。
サシャはアーヴィンがこんなに笑顔を作っているのは初めて見たな、なんて関係ないことで逃避していた。
「如何にサシャが蔑ろにされてきたのか分かりますね。驚いたでしょう、自分の息子がまさかこんな絶世の美人に成長していたなんて。俺も初めて見た時目を疑いましたから。でももう二度と会うことはないと思いますので今日は最初で最後の挨拶のつもりで伺いました」
「な」
「サシャ=ジルヴァールはイブリック家へ嫁ぎます。イブリック家は了承済みで、ジルヴァール家とはそこそこにやっていくだけだという意見でまとまっております。そちらが今後何かで困ろうとも援助も致しません。陛下へも進言しています。手紙で一切返事を頂けませんでしたのでイブリック家の方で勝手に進めました。結婚式も呼ぶつもりはありません。まぁあなた達がサシャを飛ばした辺境地域で小さく挙式を挙げる予定なので来れないと思いますが」
スラスラと一息に微笑みながら言うアーヴィンの背後には黒いオーラが見えていた。
父も母も何も言い返せないようだった。
イブリック家は侯爵家で、伯爵家のジルヴァール家よりも権力がある。
イブリック家は鉱山を所有しているらしく、かなりの富豪のようで、さらには代々騎士団長を勤めており陛下の覚えも良いことで有名だった。
サシャはその辺のことを結婚を決めてから教えて貰ってもう驚き済みだった。
アーヴィンは微笑みを絶やさず続けた。
「残念でしたね。サシャがこんなに美しいと知っていたら、王家との繋がりもきっと出来たでしょうね。陛下にも驚かれましたから。第3王子がまだ結婚していませんでしたねぇ、その辺で結婚できたかもしれません。けどもう無理ですので。俺が貰い受けました」
陛下には昨日婚姻許可を貰いに行ってきたのだが、ポカンと口を開いて止まられた。
夜会でも見たことがなかったが、引きこもりだったのかと聞かれた。
夜会には参加すらさせてもらっていない事実を伝えたところ、自分の息子に対し冷遇することは陛下の意思に反することらしく大層お怒りだった。
今後ジルヴァール家は苦労する未来しか見えない。
「な、なんだよ!紫の呪われた眼を持ってるくせに!」
「ダリル!」
我慢できず叫んだ弟のダリルを、母は窘めるように名前を呼ぶ。
「…呪われてなんかないのよ。私の産んだ子なのに、紫の眼をもって産まれたから認められなかったの。夫には不義を疑われたのもあったから」
「どういう、こと?」
「私たち夫婦は茶色の瞳。だけど…ちゃんと調べたら私の実家の4代前当主が、サシャと同じ紫眼だったことに辺境区域に行ってから分かったのよ」
「じゃあ、ただの隔世遺伝で」
今までの呪いやら蔑みは一体なんだったのか。
こんな簡単な事実をどうして今更言うのか。
サシャはどうしていいのか分からなくなってしまった。
両親も弟も使用人も、サシャはもうどうでも良いと思っていた。
アーヴィンと一緒にいれば、親のことは忘れて生きていこうと思っていたのに。
「まさかこんなに綺麗に成長していたなんてね……けれど、私たちがサシャにしてきた事は何も変わらないわ。虐げていた私が言える立場じゃないのは重々承知してるけど…」
母はアーヴィンに向き直った。
そしてテーブルに座りながらも大きくテーブルに額が当たりそうになるくらいお辞儀をして言う。
「どうか、サシャをよろしくお願い致します」
母の凛とした声が応接室に響く。
父と弟はその姿に目を丸くしていた。
母は、父と弟にサシャの瞳の真実を伝えていなかったようだった。
「必ず幸せにします」
アーヴィンは、母の姿を見て真剣な眼差しで答えた。
◆
イブリック家では、とにかく歓迎された。
アーヴィンの父上は豪快な人だった。王宮第2騎士団の団長を務めている。
体格も大きく、筋肉で鍛え上げられた身体に、しなやかな筋肉を纏うアーヴィンとの違いを見せられ、遺伝の謎を考えさせられた。
「はっはっは! 辺境区域に恋人を追いかけに行くと言うからどんな悪女が来るのかと思っていたのだよ!」
「はぁ」
「いやいや! これは! 尻を追いかけたくなるな!」
「おいやめろ親父!」
強引な物言いにはアーヴィンの遺伝を感じた。
アーヴィンは兄弟も多いらしく、アーヴィンの他に兄が2人と弟が3人、姉が1人に妹が2人と大家族であった。
もしサシャが女性であったら、そんなに孕まされるのかと少し恐怖を感じたのは内緒だ。
「あなた、サシャさんが困るからやめてください。 ごめんなさいね、下品な人で。イブリック家は基本的に下品なのよ。本当にアーヴィンの上の兄達ももちょっと性癖が曲がっててね」
「おいやめろそれ以上身内の恥を晒すな」
アーヴィンの母上は綺麗なおっとりとした女性だった。
しかし顔に似合わずズバズバと言うあたり、豪快な夫の嫁だと感じさせられる。
サシャはちょっと結婚を考え直した方が良いのかもしれないと思ってしまった。
「えー!すっごい美人さんだー!アーヴィン兄ちゃんはやめて僕と結婚しよー!」
「俺と俺と!」
「ずるい!私よ!」
腕を両側から引っ張られる。
こんな騒がしい家は初めてでどう反応していいか分からず困ってしまう。
アーヴィンはそんなサシャの様子に気づいているのに、助け舟は出さなかった。きっと早く慣れろと思っているのだ。
嫁が困っていたら助けるのが夫じゃないのかと思うが、アーヴィンはサシャに家族の温かさを伝えたいのかもしれない。
◆
そしてその1年後、辺境区域にある教会で挙式を行った。
独身の男性の何人かは感極まっていたのか泣いていた。
独身の女性は明らかにアーヴィン狙いだったのかサシャを羨ましそうに見ていた。
辺境区域にいる人間はほとんど出席してくれたので、アーヴィンの人望の凄さを思い知った。
おそらくサシャではこんなに人は集まらなかったと思った。
上司のコリンにも、エドガー団長にも祝福され、幸せな結婚式を行った。
キスの瞬間に、コリンとエドガー団長が思い出し笑いをしていて後で怒った。キスの練習の下りを思い出していたらしい。
それが、昨日までの話である。
サシャは昨晩初夜を迎えた。
アーヴィンは最後の最後まで我慢してくれて、本当に結婚式が終わるまでサシャにキス以外しなかった。
アーヴィンの親友のディランという人は、鉄壁の理性だ…と涙を静かに流しアーヴィンに拍手をしていた。
サシャはやっぱり世間知らずで童貞処女だったので、よく分からないまま始まり、アーヴィンに転がされ翻弄され、あられも無い声を出して体のあちこちに印を付けられながら淫らな格好をさせられ、恥ずかしいことを囁かれながら意識が無くなるまで揺さぶられ続けた。
最後は本気で泣いた覚えがあるが、強引なアーヴィンは泣き顔すら可愛いと言って遠慮なく続行され、こんなの一生慣れない気がした。
本当に女性じゃなくて良かったと思った。
こんなのが続いたら何人孕まされるのか。
今日は2人とも非番で、ゆっくり出来るのだが、サシャは目が覚めてしまって旦那になったアーヴィンの顔をじっと見つめた。
学園の時とは違い、辺境区域の魔獣討伐や訓練で鍛えられているのか精悍な顔立ちに変わってきていた。
けれどイケメンの寝顔は少し子供っぽくなるのだな、と初めてみた寝顔に少し感動する。
サシャの動く気配を感じたのか、アーヴィンがゆっくり瞼を開けた。
サシャの好きな翠眼が見えてくる。
エメラルドの宝石が朝日で煌めいていた。
「おはよ」
「……おはよう」
見つめられてしまうと、昨晩のことを思い出してしまい、何となく恥ずかしくなってシーツに顔を隠した。
アーヴィンの腕を枕にしていることに気づいたが、恥ずかしくてそれどころじゃなかった。
「まだもう少し寝よ…」
「う、うん」
ぎゅっとお互い裸のままアーヴィンに抱きしめられる。アーヴィンの体温や鼓動が心地よいが、やっぱり恥ずかしさで目をつぶっても眠れそうになかった。
「寝れない?」
「うん…」
おそらくサシャの鼓動の速さが伝わった様で、眠っていないのがバレる。
すると、アーヴィンはゴソゴソと昨日の名残が残った秘所に触れる。
「やぁっ、今日はもう、無理!」
「起きたら可愛い顔が目の前にあってムラムラしてきた」
「んっ、だめっ、あっ!腰、もう動かな!やっ」
やっぱり結婚は早まったのかもしれない。
拒否も許されず、サシャの声は段々と甘い声に変わり朝から1戦交わることになるのだが、それはまた別の話。
---------
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また別の作品でお会いできたら光栄です
異世界行ったらセフレができました、を連載中です。よろしければよろしくお願い致します。
七咲陸
プロポーズを受けた次の長期休暇に2人でジルヴァール家とイブリック家へ挨拶に向かった。
とりあえずサシャの家から行こうと話していたので、先触れを出して挨拶に向かった。
アーヴィンには両親も弟も、まともに話してくれるか、そもそも会ってくれるか分からないと伝えた。
アーヴィンはそれでも行かない訳にはいかないからとジルヴァール家の敷居を跨ぐことになった。
サシャは久しぶりの実家に怯えた。
忌々しいという瞳をそのままにして向かう決意をしたのだ。
アーヴィンが綺麗だと言ってくれている。
それを隠して両親に会うのはなんだか違う気がして、勇気を出した。
けれど、父も母も、弟も、使用人ですらサシャの顔を忘れていたらしく、まるで初めて会った人物かのように口を開けていた。
家にいる時も認識阻害メガネをずっとかけていたから、幼い頃に見て以降サシャの成長を知るものはいなかったのだ。
父も母も弟も、ポカンと口を開けたままアーヴィンの結婚の挨拶を聞いていた。
貴族として手紙を送ったりはしたのだが、返事がなかったためここに来た旨を伝えると、父がようやく重い口を開いた。
「そ、そこにいるのは本当にサシャなのか?」
「は? 自分の息子の顔が分からないのですか?」
「いや、その…久しぶりに、会ったものだからな」
しどろもどろになっている父に、アーヴィンは笑顔のまま対応する。
サシャはアーヴィンがこんなに笑顔を作っているのは初めて見たな、なんて関係ないことで逃避していた。
「如何にサシャが蔑ろにされてきたのか分かりますね。驚いたでしょう、自分の息子がまさかこんな絶世の美人に成長していたなんて。俺も初めて見た時目を疑いましたから。でももう二度と会うことはないと思いますので今日は最初で最後の挨拶のつもりで伺いました」
「な」
「サシャ=ジルヴァールはイブリック家へ嫁ぎます。イブリック家は了承済みで、ジルヴァール家とはそこそこにやっていくだけだという意見でまとまっております。そちらが今後何かで困ろうとも援助も致しません。陛下へも進言しています。手紙で一切返事を頂けませんでしたのでイブリック家の方で勝手に進めました。結婚式も呼ぶつもりはありません。まぁあなた達がサシャを飛ばした辺境地域で小さく挙式を挙げる予定なので来れないと思いますが」
スラスラと一息に微笑みながら言うアーヴィンの背後には黒いオーラが見えていた。
父も母も何も言い返せないようだった。
イブリック家は侯爵家で、伯爵家のジルヴァール家よりも権力がある。
イブリック家は鉱山を所有しているらしく、かなりの富豪のようで、さらには代々騎士団長を勤めており陛下の覚えも良いことで有名だった。
サシャはその辺のことを結婚を決めてから教えて貰ってもう驚き済みだった。
アーヴィンは微笑みを絶やさず続けた。
「残念でしたね。サシャがこんなに美しいと知っていたら、王家との繋がりもきっと出来たでしょうね。陛下にも驚かれましたから。第3王子がまだ結婚していませんでしたねぇ、その辺で結婚できたかもしれません。けどもう無理ですので。俺が貰い受けました」
陛下には昨日婚姻許可を貰いに行ってきたのだが、ポカンと口を開いて止まられた。
夜会でも見たことがなかったが、引きこもりだったのかと聞かれた。
夜会には参加すらさせてもらっていない事実を伝えたところ、自分の息子に対し冷遇することは陛下の意思に反することらしく大層お怒りだった。
今後ジルヴァール家は苦労する未来しか見えない。
「な、なんだよ!紫の呪われた眼を持ってるくせに!」
「ダリル!」
我慢できず叫んだ弟のダリルを、母は窘めるように名前を呼ぶ。
「…呪われてなんかないのよ。私の産んだ子なのに、紫の眼をもって産まれたから認められなかったの。夫には不義を疑われたのもあったから」
「どういう、こと?」
「私たち夫婦は茶色の瞳。だけど…ちゃんと調べたら私の実家の4代前当主が、サシャと同じ紫眼だったことに辺境区域に行ってから分かったのよ」
「じゃあ、ただの隔世遺伝で」
今までの呪いやら蔑みは一体なんだったのか。
こんな簡単な事実をどうして今更言うのか。
サシャはどうしていいのか分からなくなってしまった。
両親も弟も使用人も、サシャはもうどうでも良いと思っていた。
アーヴィンと一緒にいれば、親のことは忘れて生きていこうと思っていたのに。
「まさかこんなに綺麗に成長していたなんてね……けれど、私たちがサシャにしてきた事は何も変わらないわ。虐げていた私が言える立場じゃないのは重々承知してるけど…」
母はアーヴィンに向き直った。
そしてテーブルに座りながらも大きくテーブルに額が当たりそうになるくらいお辞儀をして言う。
「どうか、サシャをよろしくお願い致します」
母の凛とした声が応接室に響く。
父と弟はその姿に目を丸くしていた。
母は、父と弟にサシャの瞳の真実を伝えていなかったようだった。
「必ず幸せにします」
アーヴィンは、母の姿を見て真剣な眼差しで答えた。
◆
イブリック家では、とにかく歓迎された。
アーヴィンの父上は豪快な人だった。王宮第2騎士団の団長を務めている。
体格も大きく、筋肉で鍛え上げられた身体に、しなやかな筋肉を纏うアーヴィンとの違いを見せられ、遺伝の謎を考えさせられた。
「はっはっは! 辺境区域に恋人を追いかけに行くと言うからどんな悪女が来るのかと思っていたのだよ!」
「はぁ」
「いやいや! これは! 尻を追いかけたくなるな!」
「おいやめろ親父!」
強引な物言いにはアーヴィンの遺伝を感じた。
アーヴィンは兄弟も多いらしく、アーヴィンの他に兄が2人と弟が3人、姉が1人に妹が2人と大家族であった。
もしサシャが女性であったら、そんなに孕まされるのかと少し恐怖を感じたのは内緒だ。
「あなた、サシャさんが困るからやめてください。 ごめんなさいね、下品な人で。イブリック家は基本的に下品なのよ。本当にアーヴィンの上の兄達ももちょっと性癖が曲がっててね」
「おいやめろそれ以上身内の恥を晒すな」
アーヴィンの母上は綺麗なおっとりとした女性だった。
しかし顔に似合わずズバズバと言うあたり、豪快な夫の嫁だと感じさせられる。
サシャはちょっと結婚を考え直した方が良いのかもしれないと思ってしまった。
「えー!すっごい美人さんだー!アーヴィン兄ちゃんはやめて僕と結婚しよー!」
「俺と俺と!」
「ずるい!私よ!」
腕を両側から引っ張られる。
こんな騒がしい家は初めてでどう反応していいか分からず困ってしまう。
アーヴィンはそんなサシャの様子に気づいているのに、助け舟は出さなかった。きっと早く慣れろと思っているのだ。
嫁が困っていたら助けるのが夫じゃないのかと思うが、アーヴィンはサシャに家族の温かさを伝えたいのかもしれない。
◆
そしてその1年後、辺境区域にある教会で挙式を行った。
独身の男性の何人かは感極まっていたのか泣いていた。
独身の女性は明らかにアーヴィン狙いだったのかサシャを羨ましそうに見ていた。
辺境区域にいる人間はほとんど出席してくれたので、アーヴィンの人望の凄さを思い知った。
おそらくサシャではこんなに人は集まらなかったと思った。
上司のコリンにも、エドガー団長にも祝福され、幸せな結婚式を行った。
キスの瞬間に、コリンとエドガー団長が思い出し笑いをしていて後で怒った。キスの練習の下りを思い出していたらしい。
それが、昨日までの話である。
サシャは昨晩初夜を迎えた。
アーヴィンは最後の最後まで我慢してくれて、本当に結婚式が終わるまでサシャにキス以外しなかった。
アーヴィンの親友のディランという人は、鉄壁の理性だ…と涙を静かに流しアーヴィンに拍手をしていた。
サシャはやっぱり世間知らずで童貞処女だったので、よく分からないまま始まり、アーヴィンに転がされ翻弄され、あられも無い声を出して体のあちこちに印を付けられながら淫らな格好をさせられ、恥ずかしいことを囁かれながら意識が無くなるまで揺さぶられ続けた。
最後は本気で泣いた覚えがあるが、強引なアーヴィンは泣き顔すら可愛いと言って遠慮なく続行され、こんなの一生慣れない気がした。
本当に女性じゃなくて良かったと思った。
こんなのが続いたら何人孕まされるのか。
今日は2人とも非番で、ゆっくり出来るのだが、サシャは目が覚めてしまって旦那になったアーヴィンの顔をじっと見つめた。
学園の時とは違い、辺境区域の魔獣討伐や訓練で鍛えられているのか精悍な顔立ちに変わってきていた。
けれどイケメンの寝顔は少し子供っぽくなるのだな、と初めてみた寝顔に少し感動する。
サシャの動く気配を感じたのか、アーヴィンがゆっくり瞼を開けた。
サシャの好きな翠眼が見えてくる。
エメラルドの宝石が朝日で煌めいていた。
「おはよ」
「……おはよう」
見つめられてしまうと、昨晩のことを思い出してしまい、何となく恥ずかしくなってシーツに顔を隠した。
アーヴィンの腕を枕にしていることに気づいたが、恥ずかしくてそれどころじゃなかった。
「まだもう少し寝よ…」
「う、うん」
ぎゅっとお互い裸のままアーヴィンに抱きしめられる。アーヴィンの体温や鼓動が心地よいが、やっぱり恥ずかしさで目をつぶっても眠れそうになかった。
「寝れない?」
「うん…」
おそらくサシャの鼓動の速さが伝わった様で、眠っていないのがバレる。
すると、アーヴィンはゴソゴソと昨日の名残が残った秘所に触れる。
「やぁっ、今日はもう、無理!」
「起きたら可愛い顔が目の前にあってムラムラしてきた」
「んっ、だめっ、あっ!腰、もう動かな!やっ」
やっぱり結婚は早まったのかもしれない。
拒否も許されず、サシャの声は段々と甘い声に変わり朝から1戦交わることになるのだが、それはまた別の話。
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ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
また別の作品でお会いできたら光栄です
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七咲陸
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