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理解する sideアーヴィン
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アーヴィン=イブリックはイラついていた。
結婚の話を出した次の日から、ティムに会うことが出来なかったからだ。
いつ行ってもあの図書館の定位置には誰もいなかった。
いや、次の日には居たのだ。
サシャ=ジルヴァールが。
ティムとは正反対に位置するサシャ=ジルヴァールを見て、名前を呼ばれた時に嫌悪感が走った。
しかし、次の日からはサシャ=ジルヴァールの姿もなくなった。
「おい、アーヴィン。お前最近イラつきすぎだ」
親友のディランに窘められる。
演習中、八つ当たりしていたのが分かられていた。
「クソッ」
「なんだよ、紫の君とは上手くいってないのか?」
「いなくなったんだよ! もう1週間は会ってねぇよ!」
つい声を荒らげてしまった。
どうして会えなくなったのか、アーヴィンには理解出来なかった。
最後に会ったあの時も、結婚しようと言えば恥ずかしがっていただけで、嬉しそうに笑ってくれていた。
嫌がっているようには到底思えなかったのだ。
「1週間? そういえば、サシャ=ジルヴァールも1週間前に退学したって聞いたな」
今のアーヴィンには心底どうでもいい話だった。
その話題をするディランに益々イラついてくるのが自分でも分かった。
舌打ちをするが、親友のディランはやれやれ、と言った顔をするだけだった。
「なぁ。俺の仮定を話させてくれ」
「は?」
「サシャ=ジルヴァールと紫の君は同一人物じゃないか?」
「んな訳ねーだろ、殺すぞ」
威嚇をしてもディランは何処吹く風と話を続ける。
「サシャ=ジルヴァールが別れた時期と、お前が付き合った時期がちょうど一致してる。あとは、お前が紫の君の姿を見かけなくなった1週間前も、退学した時期と一致してる」
「いやでも、姿は全然違ぇよ」
「……クラークに話を聞かないか?」
クラークはサシャ=ジルヴァールと付き合っていた人物だったはずだ。
普段はクラスも異なり、アーヴィンとは関わり合うことがなかった。
ディランは噂好きなこともあって、交友関係がアーヴィンよりも広い。
アーヴィンは納得できなかったが、ディランの仮説を潰す為にクラークに会うしかなかった。
「サシャの話を聞きたいって?」
放課後、まだ人がまばらにいる教室で、クラークは口にも出したくない、といった顔をしている。
ディランはその言葉に頷くが、 アーヴィンはどうでもいいとばかりにあさっての方向を見続けた。
「いきなりで悪いが、なんで別れたんだ?」
「本当にいきなりだね」
「悪い」
「はぁ、僕は前にキスを拒否られたんだよ。けど、その日は走って逃げられたんだ」
クラークはため息をつきながら話す。
「けどね、後日。サシャからしたいと言われた。驚いたよ、真っ赤になって逃げ出したのに急にやる気になって。おかしいと思った」
「別に、ビッチだったんだろ?」
はっ、とアーヴィンは口を挟む。
クラークは腑に落ちない顔をしていた。
「まぁ、僕も最初はそう思ったよ。けど、良く考えれば逃げ出した時も、やる気になった時も、サシャの反応はまるで初心者そのものだった」
「キスしたことないってか?フリだろ?」
「サシャは僕にこう言ったんだ。練習してきたってね」
アーヴィンは空いた口が塞がらなかった。
「おい、まて。本当にそう言ったのか」
「アーヴィン落ち着けよ。急にどうしたんだよ」
「言ったよ。誰かと練習してきたってね。それで僕はカッとなって、『二度と顔も見たくない』って言ったんだ」
『キス……っ、誘ったら…っく、もう二度と顔も見たくないって…』
アーヴィンはティムが痛々しく泣きながら発した言葉を思い出した。
「嘘だろ」
「まさか、アーヴィン。お前…練習って」
「クラーク! ティ、サシャは! どこに行ったか知らねぇのか!」
「いっ、知らないよ!僕はもう別れてるんだから!そうやって焦るってことは君が練習相手だったんだな!」
クラークの肩を掴んで揺するが、クラークはアーヴィンの手を弾いて叫ぶ。
「君に良いことを教えてあげるよ、アーヴィン。いや、今の君には悪いことかもしれない」
「なんだよ!」
クラークのアーヴィンを見る目は冷めていた。
「サシャ=ジルヴァールの噂は全部デタラメだよ。サシャに振られたヤツが腹いせに流したデマだ」
「っな…」
「僕はそれを知っていた。噂なんて気にしてなかった。否定すると人は余計に盛り上がる。だから黙ってサシャを信じてたんだ。けど、あの日裏切られたんだと思った!お前のせいだったんだな!」
アーヴィンはクラークに胸ぐらを掴まれ、一瞬呼吸が苦しくなる。
ディランはその様子を見て慌てて止めに入った。
「ち、ちょっとまて!2人とも落ち着けよ!つまりだ、サシャ=ジルヴァールはアーヴィンの言う紫の君とほとんど言動は一致するんだな?」
クラークは震えるほど握りこんだアーヴィンの服を離した。
「っげほ、けど、サシャ=ジルヴァールとは姿が全く違う」
「僕は少し魔力が強いんだ。元は魔法使いの家系でね」
「だからなんだよ」
「あのサシャ=ジルヴァールの眼鏡は、認識阻害の魔道具だ。本当のサシャは銀の髪に紫の眼をしてる。でもサシャはいつも眼を気にしていた。僕の眼が羨ましいと!だからサシャの嘘にずっと付き合ってたんだ!」
アーヴィンはもう否定する言葉を失った。
自分が暴言を吐いた人物と、愛した人物が同じだったことに絶望するしかなかった。
あの日、アーヴィンは『二度と俺の名前を呼ぶな、ビッチ』と。そう言った。
クラークに振られて、憔悴しきっていたティムがサシャ=ジルヴァールで。
アーヴィンが慰めて元気になって恋人になってくれたのも、サシャ=ジルヴァールで。
そして、謂れのない謗りを放った相手もサシャ=ジルヴァールで。
「文官コースの人達なら、知ってるんじゃない?サシャがどこにいるのか」
「クラスでも、居場所がないって聞いたことがあるけどな?」
「担任くらいは聞いてると思うけどね。親に説明を求めるのは当たり前なんだから」
ディランとクラークが話し合っているが、アーヴィンは絶望しながらも焦っていた。
サシャは家にも居場所はないと言っていたのを思い出した。
心の支えになっていた人間は、きっとアーヴィンだけだったのだと、気づいた。
結婚の話を出した次の日から、ティムに会うことが出来なかったからだ。
いつ行ってもあの図書館の定位置には誰もいなかった。
いや、次の日には居たのだ。
サシャ=ジルヴァールが。
ティムとは正反対に位置するサシャ=ジルヴァールを見て、名前を呼ばれた時に嫌悪感が走った。
しかし、次の日からはサシャ=ジルヴァールの姿もなくなった。
「おい、アーヴィン。お前最近イラつきすぎだ」
親友のディランに窘められる。
演習中、八つ当たりしていたのが分かられていた。
「クソッ」
「なんだよ、紫の君とは上手くいってないのか?」
「いなくなったんだよ! もう1週間は会ってねぇよ!」
つい声を荒らげてしまった。
どうして会えなくなったのか、アーヴィンには理解出来なかった。
最後に会ったあの時も、結婚しようと言えば恥ずかしがっていただけで、嬉しそうに笑ってくれていた。
嫌がっているようには到底思えなかったのだ。
「1週間? そういえば、サシャ=ジルヴァールも1週間前に退学したって聞いたな」
今のアーヴィンには心底どうでもいい話だった。
その話題をするディランに益々イラついてくるのが自分でも分かった。
舌打ちをするが、親友のディランはやれやれ、と言った顔をするだけだった。
「なぁ。俺の仮定を話させてくれ」
「は?」
「サシャ=ジルヴァールと紫の君は同一人物じゃないか?」
「んな訳ねーだろ、殺すぞ」
威嚇をしてもディランは何処吹く風と話を続ける。
「サシャ=ジルヴァールが別れた時期と、お前が付き合った時期がちょうど一致してる。あとは、お前が紫の君の姿を見かけなくなった1週間前も、退学した時期と一致してる」
「いやでも、姿は全然違ぇよ」
「……クラークに話を聞かないか?」
クラークはサシャ=ジルヴァールと付き合っていた人物だったはずだ。
普段はクラスも異なり、アーヴィンとは関わり合うことがなかった。
ディランは噂好きなこともあって、交友関係がアーヴィンよりも広い。
アーヴィンは納得できなかったが、ディランの仮説を潰す為にクラークに会うしかなかった。
「サシャの話を聞きたいって?」
放課後、まだ人がまばらにいる教室で、クラークは口にも出したくない、といった顔をしている。
ディランはその言葉に頷くが、 アーヴィンはどうでもいいとばかりにあさっての方向を見続けた。
「いきなりで悪いが、なんで別れたんだ?」
「本当にいきなりだね」
「悪い」
「はぁ、僕は前にキスを拒否られたんだよ。けど、その日は走って逃げられたんだ」
クラークはため息をつきながら話す。
「けどね、後日。サシャからしたいと言われた。驚いたよ、真っ赤になって逃げ出したのに急にやる気になって。おかしいと思った」
「別に、ビッチだったんだろ?」
はっ、とアーヴィンは口を挟む。
クラークは腑に落ちない顔をしていた。
「まぁ、僕も最初はそう思ったよ。けど、良く考えれば逃げ出した時も、やる気になった時も、サシャの反応はまるで初心者そのものだった」
「キスしたことないってか?フリだろ?」
「サシャは僕にこう言ったんだ。練習してきたってね」
アーヴィンは空いた口が塞がらなかった。
「おい、まて。本当にそう言ったのか」
「アーヴィン落ち着けよ。急にどうしたんだよ」
「言ったよ。誰かと練習してきたってね。それで僕はカッとなって、『二度と顔も見たくない』って言ったんだ」
『キス……っ、誘ったら…っく、もう二度と顔も見たくないって…』
アーヴィンはティムが痛々しく泣きながら発した言葉を思い出した。
「嘘だろ」
「まさか、アーヴィン。お前…練習って」
「クラーク! ティ、サシャは! どこに行ったか知らねぇのか!」
「いっ、知らないよ!僕はもう別れてるんだから!そうやって焦るってことは君が練習相手だったんだな!」
クラークの肩を掴んで揺するが、クラークはアーヴィンの手を弾いて叫ぶ。
「君に良いことを教えてあげるよ、アーヴィン。いや、今の君には悪いことかもしれない」
「なんだよ!」
クラークのアーヴィンを見る目は冷めていた。
「サシャ=ジルヴァールの噂は全部デタラメだよ。サシャに振られたヤツが腹いせに流したデマだ」
「っな…」
「僕はそれを知っていた。噂なんて気にしてなかった。否定すると人は余計に盛り上がる。だから黙ってサシャを信じてたんだ。けど、あの日裏切られたんだと思った!お前のせいだったんだな!」
アーヴィンはクラークに胸ぐらを掴まれ、一瞬呼吸が苦しくなる。
ディランはその様子を見て慌てて止めに入った。
「ち、ちょっとまて!2人とも落ち着けよ!つまりだ、サシャ=ジルヴァールはアーヴィンの言う紫の君とほとんど言動は一致するんだな?」
クラークは震えるほど握りこんだアーヴィンの服を離した。
「っげほ、けど、サシャ=ジルヴァールとは姿が全く違う」
「僕は少し魔力が強いんだ。元は魔法使いの家系でね」
「だからなんだよ」
「あのサシャ=ジルヴァールの眼鏡は、認識阻害の魔道具だ。本当のサシャは銀の髪に紫の眼をしてる。でもサシャはいつも眼を気にしていた。僕の眼が羨ましいと!だからサシャの嘘にずっと付き合ってたんだ!」
アーヴィンはもう否定する言葉を失った。
自分が暴言を吐いた人物と、愛した人物が同じだったことに絶望するしかなかった。
あの日、アーヴィンは『二度と俺の名前を呼ぶな、ビッチ』と。そう言った。
クラークに振られて、憔悴しきっていたティムがサシャ=ジルヴァールで。
アーヴィンが慰めて元気になって恋人になってくれたのも、サシャ=ジルヴァールで。
そして、謂れのない謗りを放った相手もサシャ=ジルヴァールで。
「文官コースの人達なら、知ってるんじゃない?サシャがどこにいるのか」
「クラスでも、居場所がないって聞いたことがあるけどな?」
「担任くらいは聞いてると思うけどね。親に説明を求めるのは当たり前なんだから」
ディランとクラークが話し合っているが、アーヴィンは絶望しながらも焦っていた。
サシャは家にも居場所はないと言っていたのを思い出した。
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