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チャンス sideアーヴィン
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アーヴィン=イブリックは失敗した、と呟いた。
思い出すのは昨日のキスの後のことだ。
恋人とはしてないのかと尋ねた事で、まさかティムがやる気になるとは思わなかった。
いやむしろまだやってなかったのか、とも思って喜んだ自分もいた。
しかし、ティムは遂に決行を決意した。
今頃恋人と熱いキスでもしているのかもしれない。
アーヴィンは分かりやすく落ち込み、窓際の自分の机に突っ伏していた
「あれ?あそこにいるの、噂のやつか?」
親友のディランが、窓の外を指さしていた。
気になってアーヴィンも指している方を見た。
階下には中庭が広がっている。 中庭は広大だし、木々も生い茂っているので見えにくいが確かに人がベンチに居るのが見えた。
「あれ、噂のサシャ=ジルヴァールだよな」
「よく見えるな。あー、でもそれっぽいな」
サシャ=ジルヴァールのことは噂で聞いたことがあった。
曰く、サシャ=ジルヴァールはとんでもないビッチであり、誰にでも直ぐに股を開く。
曰く、サシャ=ジルヴァールは性悪であり、口も悪く、見るに堪えない。口にするのもおぞましい程の性格である。
曰く、サシャ=ジルヴァールはあんな地味顔であるのに、ある1人の騎士に付き合うように命令し、断ったら罵詈雑言を浴びせてきたと。
どれもこれも本当っぽくはない。
けれどもこの噂が消えないという事は、そういうことなんだろうと思っていた。
どちらにせよ、アーヴィンにはどうでも良い事だった。
ティムとは正反対なのだから。
「付き合ってるやつがいるって聞いたんだよな、確か隣のクラスのクラークだったか?」
「お前、そういう話好きだったのか」
「いやいや。結構噂になってるぜ? あのサシャ=ジルヴァールと付き合える器のでかいやつだって。ま、噂を信じきってるやつからは色々言われてるみたいだけどな」
ディランはペラペラと噂話をしていた。
やはりアーヴィンにはどうでもいい事だった。
目下、アーヴィンの悩みはティムが恋人とキスしてしまったかどうか、なのだ。
あんなに踏み荒らされても現在進行形でも構わないと思っていたのに、いざそういう事になっているのかと想像したら、その恋人を殺してやりたいとまで思う。
恋人からしたら、嘘までついてキスをした間男のアーヴィンを殺したいだろうが。
いやしかし、雰囲気さえ良ければキス以上のことをしているかもしれない。
あの輝くような艶やかな銀の髪が乱れ狂う様子など他の男では想像もしたくない。
昨日をやり直したいとさえ思った。
「はぁ…」
「お前は?見つかったのかよ。探し人のアメジストの瞳の君は」
「あー、何日か前に見つかった」
「嘘だろ!? あんなに聞き回って姿形もなかったのに!」
ディランは信じられない、といった表情をして机に突っ伏していたアーヴィンを見る。
ディランも知り合いという知り合いに声を掛けて一緒に探してくれたのだが、浮かれすぎて報告を忘れていた。
「で?どこまで進んだ?」
ニヤニヤとディランは俗な発言をする。
気兼ねなくこういうことを話しても平気なやつだから一緒に居られるのだ。
「付き合ってすらねぇ」
「は? 何やってんだよ」
「恋人がいるんだと。 けど、1ヶ月も恋人は手すら出していない状態だった」
「最高だな」
「同じこと考えたわ。やっぱお前気が合いすぎて怖ぇよ」
ディランとは価値観が合いすぎてたまに怖くなる。
違った価値観を持ったやつとつるむのも嫌いではないが、ほぼ一緒に居るやつに否定だの意見だのされ続けるのはウザったい。
「それで、お前はどうしたんだよ」
「キスした」
「お前最低だ」
ディランに間髪入れずに突っ込まれる。
最低なのはアーヴィンも分かっている。
「ファーストキスもしたことないって聞いたらそりゃ食うだろ」
「お前、それはねぇよ」
「いやいや! キスっていつ頃するものなの?とか聞いてくるような恋愛初心者だったんだぞ。 食うだろ!」
あんな絶世の美人が真っ赤に頬を染めながらモジモジと聞かれて、手が出ないほどアーヴィンは枯れてはいない。
むしろアーヴィンは学園に入ってから何人かと関係を持った。
だいたい文官の可愛い男と付き合ったが、大抵途中から面倒くさくなってくる。
そもそもアーヴィンのタイプは可愛い系より美人系だった。
「付き合っている奴がいるのにどうやってキスできんだよ。お前、まさか騙したのか?」
ギクリ、と身体が強張った。
「アーヴィン、そりゃやべぇよ。何回したんだよ」
机に突っ伏しながらアーヴィンは片手の手のひらを上げた。
「5回?」
「5日間」
「クソすぎん?」
ディランの辛辣な言葉に、アーヴィンは返す言葉もなかった。
アーヴィンも1回限りの嘘だと思ったのだ。
どうせ次の日には嘘だったんだ、と怒鳴られる覚悟もしていた。
しかし、次の日もその次の日も、ティムはアーヴィンを受け入れた。そんな据え膳状態の好きなやつを食わないわけがなかった。
「でもついに恋人とキスしてくるって言われた」
「いや、それが普通だろ」
「キス以上のこともしてるだろ、想像するだけで相手殺してやりたい」
いやそれも普通だからな?とディランに言われて益々アーヴィンは落ち込んだ。
きっと嘘をついたアーヴィンを神は見放したのだ。
「はー、1日前からやり直してぇー」
「クソなやつの願いは叶えられませーん」
ディランを無性に殴りたくなった。
◆
それでも、放課後は図書館へ足を向けていた。
だだっ広い図書館の端っこには、恋人とイチャコラしている姿があるかもしれないのでアーヴィンは心臓が跳ねるくらいビクビクしていた。
嫌だ、本当にそんな姿を見たら恋人を殴ってしまうかもしれない。
アーヴィンは、番を盗られた獣の心境になっていた。盗られたのは恋人の方なのに。
アーヴィンは今まで苦労をしたことがあまり無かった。
大抵のものは手に入ったし、自分でモノにしてきた。身分不相応だと思えば直ぐに諦め、代替品を手にして満足する程度であった。なんら不満のない人生を歩んできた。
しかし、その不満のない人生が、今やたった1人の男によってかき乱されている。
しかも自分は最低な嘘までついてその男に不貞を働かせている。
地獄墜ちも当たり前のことだ。
「はぁ」
いつもの場所にたどり着く前に、ため息をついて、落ち着かせた。
恋人がいても殴らない。
キスしていようが殴らない。
セックスしてたら殴るかもしれない。
そう思って、いつもの定位置を本棚から覗いた。
「ティム?」
テーブルの上にいつも置いてある眼鏡の横には、ティムが机に突っ伏している姿があった。
成功して、恥ずかしくて机に顔を隠しているのだろうか。
やっぱり殺してやりたい、とまで思った時に、ティムが顔を上げた。
「ティム!? どうした?!」
「アーヴィン…」
ティムの顔は、涙が溢れていた。泣きすぎたのか目が充血している。
潤んだアメジストの宝石から、痛々しいほどにボロボロと涙を流している姿に不謹慎にも美しいとさえ思った。
「っぐす…、なんで、私、どうして」
「何があったんだ?」
「キス……っ、誘ったら…っく、もう二度と顔も見たくないって…」
恋人は不能なのか。
そう思うほどにアーヴィンは信じられないと思った。
どこにこんな月の精のような美人にキスしたいと言われ、しないやつがいるのか。
こんな零れ落ちそうな輝くアメジストの瞳に強請られたらいくらでもしたくなるはずだ。
いや、しかしチャンスではある。
これはもう恋人と別れたと言っても間違いないだろう。
ここから慰めて、慈しみ、愛してやれば、この艶かしい銀の髪をもつ美人も月に帰ろうとは思わなくなるはずだ。
「そうか。それは辛いな。あんなに恋人の為に頑張ったのに」
「っう、っく…どうして」
「大丈夫だ。俺がいる、ずっとだ」
神は俺を見放してなどいなかった。
無神論者だが、教会に行って感謝をしたいくらいだ。
アーヴィンはティムを優しく抱きしめて、ティムはしばらく声を出さないように痛々しく泣き続けた。
思い出すのは昨日のキスの後のことだ。
恋人とはしてないのかと尋ねた事で、まさかティムがやる気になるとは思わなかった。
いやむしろまだやってなかったのか、とも思って喜んだ自分もいた。
しかし、ティムは遂に決行を決意した。
今頃恋人と熱いキスでもしているのかもしれない。
アーヴィンは分かりやすく落ち込み、窓際の自分の机に突っ伏していた
「あれ?あそこにいるの、噂のやつか?」
親友のディランが、窓の外を指さしていた。
気になってアーヴィンも指している方を見た。
階下には中庭が広がっている。 中庭は広大だし、木々も生い茂っているので見えにくいが確かに人がベンチに居るのが見えた。
「あれ、噂のサシャ=ジルヴァールだよな」
「よく見えるな。あー、でもそれっぽいな」
サシャ=ジルヴァールのことは噂で聞いたことがあった。
曰く、サシャ=ジルヴァールはとんでもないビッチであり、誰にでも直ぐに股を開く。
曰く、サシャ=ジルヴァールは性悪であり、口も悪く、見るに堪えない。口にするのもおぞましい程の性格である。
曰く、サシャ=ジルヴァールはあんな地味顔であるのに、ある1人の騎士に付き合うように命令し、断ったら罵詈雑言を浴びせてきたと。
どれもこれも本当っぽくはない。
けれどもこの噂が消えないという事は、そういうことなんだろうと思っていた。
どちらにせよ、アーヴィンにはどうでも良い事だった。
ティムとは正反対なのだから。
「付き合ってるやつがいるって聞いたんだよな、確か隣のクラスのクラークだったか?」
「お前、そういう話好きだったのか」
「いやいや。結構噂になってるぜ? あのサシャ=ジルヴァールと付き合える器のでかいやつだって。ま、噂を信じきってるやつからは色々言われてるみたいだけどな」
ディランはペラペラと噂話をしていた。
やはりアーヴィンにはどうでもいい事だった。
目下、アーヴィンの悩みはティムが恋人とキスしてしまったかどうか、なのだ。
あんなに踏み荒らされても現在進行形でも構わないと思っていたのに、いざそういう事になっているのかと想像したら、その恋人を殺してやりたいとまで思う。
恋人からしたら、嘘までついてキスをした間男のアーヴィンを殺したいだろうが。
いやしかし、雰囲気さえ良ければキス以上のことをしているかもしれない。
あの輝くような艶やかな銀の髪が乱れ狂う様子など他の男では想像もしたくない。
昨日をやり直したいとさえ思った。
「はぁ…」
「お前は?見つかったのかよ。探し人のアメジストの瞳の君は」
「あー、何日か前に見つかった」
「嘘だろ!? あんなに聞き回って姿形もなかったのに!」
ディランは信じられない、といった表情をして机に突っ伏していたアーヴィンを見る。
ディランも知り合いという知り合いに声を掛けて一緒に探してくれたのだが、浮かれすぎて報告を忘れていた。
「で?どこまで進んだ?」
ニヤニヤとディランは俗な発言をする。
気兼ねなくこういうことを話しても平気なやつだから一緒に居られるのだ。
「付き合ってすらねぇ」
「は? 何やってんだよ」
「恋人がいるんだと。 けど、1ヶ月も恋人は手すら出していない状態だった」
「最高だな」
「同じこと考えたわ。やっぱお前気が合いすぎて怖ぇよ」
ディランとは価値観が合いすぎてたまに怖くなる。
違った価値観を持ったやつとつるむのも嫌いではないが、ほぼ一緒に居るやつに否定だの意見だのされ続けるのはウザったい。
「それで、お前はどうしたんだよ」
「キスした」
「お前最低だ」
ディランに間髪入れずに突っ込まれる。
最低なのはアーヴィンも分かっている。
「ファーストキスもしたことないって聞いたらそりゃ食うだろ」
「お前、それはねぇよ」
「いやいや! キスっていつ頃するものなの?とか聞いてくるような恋愛初心者だったんだぞ。 食うだろ!」
あんな絶世の美人が真っ赤に頬を染めながらモジモジと聞かれて、手が出ないほどアーヴィンは枯れてはいない。
むしろアーヴィンは学園に入ってから何人かと関係を持った。
だいたい文官の可愛い男と付き合ったが、大抵途中から面倒くさくなってくる。
そもそもアーヴィンのタイプは可愛い系より美人系だった。
「付き合っている奴がいるのにどうやってキスできんだよ。お前、まさか騙したのか?」
ギクリ、と身体が強張った。
「アーヴィン、そりゃやべぇよ。何回したんだよ」
机に突っ伏しながらアーヴィンは片手の手のひらを上げた。
「5回?」
「5日間」
「クソすぎん?」
ディランの辛辣な言葉に、アーヴィンは返す言葉もなかった。
アーヴィンも1回限りの嘘だと思ったのだ。
どうせ次の日には嘘だったんだ、と怒鳴られる覚悟もしていた。
しかし、次の日もその次の日も、ティムはアーヴィンを受け入れた。そんな据え膳状態の好きなやつを食わないわけがなかった。
「でもついに恋人とキスしてくるって言われた」
「いや、それが普通だろ」
「キス以上のこともしてるだろ、想像するだけで相手殺してやりたい」
いやそれも普通だからな?とディランに言われて益々アーヴィンは落ち込んだ。
きっと嘘をついたアーヴィンを神は見放したのだ。
「はー、1日前からやり直してぇー」
「クソなやつの願いは叶えられませーん」
ディランを無性に殴りたくなった。
◆
それでも、放課後は図書館へ足を向けていた。
だだっ広い図書館の端っこには、恋人とイチャコラしている姿があるかもしれないのでアーヴィンは心臓が跳ねるくらいビクビクしていた。
嫌だ、本当にそんな姿を見たら恋人を殴ってしまうかもしれない。
アーヴィンは、番を盗られた獣の心境になっていた。盗られたのは恋人の方なのに。
アーヴィンは今まで苦労をしたことがあまり無かった。
大抵のものは手に入ったし、自分でモノにしてきた。身分不相応だと思えば直ぐに諦め、代替品を手にして満足する程度であった。なんら不満のない人生を歩んできた。
しかし、その不満のない人生が、今やたった1人の男によってかき乱されている。
しかも自分は最低な嘘までついてその男に不貞を働かせている。
地獄墜ちも当たり前のことだ。
「はぁ」
いつもの場所にたどり着く前に、ため息をついて、落ち着かせた。
恋人がいても殴らない。
キスしていようが殴らない。
セックスしてたら殴るかもしれない。
そう思って、いつもの定位置を本棚から覗いた。
「ティム?」
テーブルの上にいつも置いてある眼鏡の横には、ティムが机に突っ伏している姿があった。
成功して、恥ずかしくて机に顔を隠しているのだろうか。
やっぱり殺してやりたい、とまで思った時に、ティムが顔を上げた。
「ティム!? どうした?!」
「アーヴィン…」
ティムの顔は、涙が溢れていた。泣きすぎたのか目が充血している。
潤んだアメジストの宝石から、痛々しいほどにボロボロと涙を流している姿に不謹慎にも美しいとさえ思った。
「っぐす…、なんで、私、どうして」
「何があったんだ?」
「キス……っ、誘ったら…っく、もう二度と顔も見たくないって…」
恋人は不能なのか。
そう思うほどにアーヴィンは信じられないと思った。
どこにこんな月の精のような美人にキスしたいと言われ、しないやつがいるのか。
こんな零れ落ちそうな輝くアメジストの瞳に強請られたらいくらでもしたくなるはずだ。
いや、しかしチャンスではある。
これはもう恋人と別れたと言っても間違いないだろう。
ここから慰めて、慈しみ、愛してやれば、この艶かしい銀の髪をもつ美人も月に帰ろうとは思わなくなるはずだ。
「そうか。それは辛いな。あんなに恋人の為に頑張ったのに」
「っう、っく…どうして」
「大丈夫だ。俺がいる、ずっとだ」
神は俺を見放してなどいなかった。
無神論者だが、教会に行って感謝をしたいくらいだ。
アーヴィンはティムを優しく抱きしめて、ティムはしばらく声を出さないように痛々しく泣き続けた。
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