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アフターストーリー②※
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一週間経って、そういうことが慣れたのか、と言うとアリスティドは慣れてない。
一週間前まで処女だったアリスティドにはそもそもなんの経験値もない。
恋というものを、そもそも経験したことがなかった。まっさらなアリスティドに入り込んだのは目の前にいる夫のヴィクトールただ一人だ。
凱旋パレードで見かけて以来、彼だけがアリスティドの中で煌めき続けている。顔も体も髪も瞳も全てがカッコ良過ぎて頭の中がフワフワする。我ながら乙女すぎる思考で、とても困っている。
しかしその乙女思考のおかげで今までずっと婚約を蹴り続け、ヴィクトールにたどり着いたのだから馬鹿に出来ない。
恋は自覚した途端、凶器に変わった。
彼以外の他人で心を埋めたいとも思えないし、何もかもが代わりになりえなかった。
けれど一人は辛いし、苦しい。だから近づきたいのに、なのに拒絶されたくない。
まるで海の中でズブズブと徐々に溺れていく感覚で、上手く呼吸が出来なくなる。
トントン拍子で決まった婚約話に乗っかったが、ただ彼の虫除けになっただけだ。 手も指も出されない、白い結婚どころか、半年も姿形すら見かけることがなかった。
でも、それで良かった。
彼をアリスティドが幸せにしたいと、笑顔にしたいと、そう思っていたがそんなことは烏滸がましいとは思っていた。
だから、今でもこれは夢の一部なんじゃないかと思ってしまう。
「ん……っ、あ、ヴィー…」
ちゅ、とキスを唇に落とされ、名を呼ぶとそれだけで彼が微笑む。ゆっくりと彼の手が頬を、首筋を、肩を、胸を這うように撫でていく。撫でられると背中からゾクゾクと官能が呼び起こされていくように快感が駆け上っていく。
首に彼の顔が入り込むと、チリ、と焼けるような小さな痛みが走った。
「んっ、あ、なに?」
「私のものだ、という証だな」
不敵な笑い方がカッコイイのと、言われた言葉にも反応してアリスティドは恥ずかしくなる。目線を逸らして、頬が熱くなるのを感じる。これよりもっと凄いことをしていることは分かっているのに。
所有権を主張されると、余計にアリスティドは嬉しく感じた。ずっと前から心から彼のものだった。それが、体ごと全部彼のものになったのだ。
喜んでいることがバレているのか、ヴィクトールは追い討ちをかけるように目線を逸らしたアリスティドの額にキスを落とす。キスされたところが熱い。
「可愛いねリスティ…」
三年以上片想いして、恋焦がれて、両思いになった男に、そんな風に囁かれて心臓が破れそうになる程ドキドキしないわけがない。
□■□
「あっ、あっ、んん…、は、ヴィー…」
ぱちゅんぱちゅんと尻を打つ音に混ざって、香油と腸液と精液の入り混じった水音が部屋に響き渡る。グポグポと抜き差しされる彼の肉棒に快感しか感じない。
彼の背に手を回して、必死に縋る。みっともないと思うほど口は半開きで、飲み込みきれなかった唾液が口端からだらしなく垂れている。
足は犬のように彼の眼前に曝け出して、アリスティドのモノからはダラリと精液が漏れて、自身の腹を汚している。
最中はいつもこうだ。激しいほどのキスで酸素の足りなくなった脳みそが前後不覚になった辺りから、何が何やら分からないうちに全て脱がされ、あれよあれよという間に彼が中に侵入してくる。
最初はヴィクトールのデカすぎるモノがキツすぎてギチギチだった後孔も、まだ一週間という期日で既に美味しそうに咥えてしまうほどには開発されてしまった。
「リスティの中、柔らかくてあったかい。なのに、こうやって…」
ヴィクトールの剛直が奥にぱちゅん、と突き入れられたと思うと、ずるー…とゆっくり引き出される。奥まで突かれて脳天に刺激を与えられたのに、ゆっくりと抜かれるとゾワゾワと背中から腰にかけて快感に疼いてしまう。
「あぁ~…っ、それ、だめぇ…!」
「ゆっくり出そうとすると、リスティの入り口が締まって凄く気持ちいい」
「あ、やだ、ヴィー…もっとぉ…!」
本当に抜けてしまいそうで、アリスティドは懇願するように強請る。ヴィクトールで全身を満たして欲しい。ずっと中に居て欲しくて、離さないで欲しい。快感のせいで目尻から生理的な涙が流れていく。
そんなアリスティドを彼は獣欲に塗れた瞳で見下ろしながら、舌を出して唇を舐めていた。
「お望みとあらば」
「ヴィー…っ!ちゅーしてぇ…んっ、ん、んぅ…」
ばちゅばちゅと激しく音を立てて中を穿たれながら、アリスティドの口内をヴィクトールの厚くて長い舌がくちゅくちゅと唾液と共に絡みついてくる。呼吸しずらくて苦しいのに、離して欲しくないとばかりに、ヴィクトールの腰に足を巻き付け、首に回した腕の力を少し強める。
何度も何度も揺さぶられ、アリスティドの中肉はかき乱されて、ずっと良い所を当て擦られる。
「ん゛っ、んん゛…っ!ん゛!~~~っ!!ん゛っ!!」
キスをしながら達する。瞼の裏でチカチカと星が光っている。達したせいで体がびくびくとして、ヴィクトールは気づいているはずなのに中を苛むことを止めてくれない。
アリスティドのモノからはもう精液は出てこず、まるで女になったような快感に襲われた。そうしてまた何度も穿たれている内に良い所をゴリ、と当てられてまた星が舞う。
「っ、は…リスティ。完全に中イキを覚えたみたいで優秀だな」
そりゃ毎日毎日こんなに濃いセックスをしていたら覚えるというものだ。優秀なのはアリスティドではなく、男でも関係なく鳴かせられるヴィクトールの方ではないか、と足りない知識で考える。
イき過ぎてもう逆に辛いが、まだヴィクトールの剛直は硬さを保ったままだ。彼は微笑んではいるが、少し辛そうにしていた。
アリスティドの両手を彼の両手で恋人のように絡ませられ、先ほどより早いペースで中を抉られる。ヴィクトールのモノがギチ、と孔を広げるように大きくなっていくのを感じた。お互いの力が手に篭り、深く繋がる。
「あっ、ん、ヴィー…僕の中に、出して…っ!」
「っ…!リスティ…!」
大きくグラインドさせ最奥まで穿たれた先で爆ぜている感覚に、アリスティドは歓びを感じていた。息切れを起こしている彼の重みを受け止め、アリスティドが揺蕩い始めてしまう。薄らする意識の中、顔中にキスを落とされて心地よい。
「おやすみ、リスティ」
夢のような一夜に幸福を感じながら、アリスティドは完全に瞼を落としていった。
一週間前まで処女だったアリスティドにはそもそもなんの経験値もない。
恋というものを、そもそも経験したことがなかった。まっさらなアリスティドに入り込んだのは目の前にいる夫のヴィクトールただ一人だ。
凱旋パレードで見かけて以来、彼だけがアリスティドの中で煌めき続けている。顔も体も髪も瞳も全てがカッコ良過ぎて頭の中がフワフワする。我ながら乙女すぎる思考で、とても困っている。
しかしその乙女思考のおかげで今までずっと婚約を蹴り続け、ヴィクトールにたどり着いたのだから馬鹿に出来ない。
恋は自覚した途端、凶器に変わった。
彼以外の他人で心を埋めたいとも思えないし、何もかもが代わりになりえなかった。
けれど一人は辛いし、苦しい。だから近づきたいのに、なのに拒絶されたくない。
まるで海の中でズブズブと徐々に溺れていく感覚で、上手く呼吸が出来なくなる。
トントン拍子で決まった婚約話に乗っかったが、ただ彼の虫除けになっただけだ。 手も指も出されない、白い結婚どころか、半年も姿形すら見かけることがなかった。
でも、それで良かった。
彼をアリスティドが幸せにしたいと、笑顔にしたいと、そう思っていたがそんなことは烏滸がましいとは思っていた。
だから、今でもこれは夢の一部なんじゃないかと思ってしまう。
「ん……っ、あ、ヴィー…」
ちゅ、とキスを唇に落とされ、名を呼ぶとそれだけで彼が微笑む。ゆっくりと彼の手が頬を、首筋を、肩を、胸を這うように撫でていく。撫でられると背中からゾクゾクと官能が呼び起こされていくように快感が駆け上っていく。
首に彼の顔が入り込むと、チリ、と焼けるような小さな痛みが走った。
「んっ、あ、なに?」
「私のものだ、という証だな」
不敵な笑い方がカッコイイのと、言われた言葉にも反応してアリスティドは恥ずかしくなる。目線を逸らして、頬が熱くなるのを感じる。これよりもっと凄いことをしていることは分かっているのに。
所有権を主張されると、余計にアリスティドは嬉しく感じた。ずっと前から心から彼のものだった。それが、体ごと全部彼のものになったのだ。
喜んでいることがバレているのか、ヴィクトールは追い討ちをかけるように目線を逸らしたアリスティドの額にキスを落とす。キスされたところが熱い。
「可愛いねリスティ…」
三年以上片想いして、恋焦がれて、両思いになった男に、そんな風に囁かれて心臓が破れそうになる程ドキドキしないわけがない。
□■□
「あっ、あっ、んん…、は、ヴィー…」
ぱちゅんぱちゅんと尻を打つ音に混ざって、香油と腸液と精液の入り混じった水音が部屋に響き渡る。グポグポと抜き差しされる彼の肉棒に快感しか感じない。
彼の背に手を回して、必死に縋る。みっともないと思うほど口は半開きで、飲み込みきれなかった唾液が口端からだらしなく垂れている。
足は犬のように彼の眼前に曝け出して、アリスティドのモノからはダラリと精液が漏れて、自身の腹を汚している。
最中はいつもこうだ。激しいほどのキスで酸素の足りなくなった脳みそが前後不覚になった辺りから、何が何やら分からないうちに全て脱がされ、あれよあれよという間に彼が中に侵入してくる。
最初はヴィクトールのデカすぎるモノがキツすぎてギチギチだった後孔も、まだ一週間という期日で既に美味しそうに咥えてしまうほどには開発されてしまった。
「リスティの中、柔らかくてあったかい。なのに、こうやって…」
ヴィクトールの剛直が奥にぱちゅん、と突き入れられたと思うと、ずるー…とゆっくり引き出される。奥まで突かれて脳天に刺激を与えられたのに、ゆっくりと抜かれるとゾワゾワと背中から腰にかけて快感に疼いてしまう。
「あぁ~…っ、それ、だめぇ…!」
「ゆっくり出そうとすると、リスティの入り口が締まって凄く気持ちいい」
「あ、やだ、ヴィー…もっとぉ…!」
本当に抜けてしまいそうで、アリスティドは懇願するように強請る。ヴィクトールで全身を満たして欲しい。ずっと中に居て欲しくて、離さないで欲しい。快感のせいで目尻から生理的な涙が流れていく。
そんなアリスティドを彼は獣欲に塗れた瞳で見下ろしながら、舌を出して唇を舐めていた。
「お望みとあらば」
「ヴィー…っ!ちゅーしてぇ…んっ、ん、んぅ…」
ばちゅばちゅと激しく音を立てて中を穿たれながら、アリスティドの口内をヴィクトールの厚くて長い舌がくちゅくちゅと唾液と共に絡みついてくる。呼吸しずらくて苦しいのに、離して欲しくないとばかりに、ヴィクトールの腰に足を巻き付け、首に回した腕の力を少し強める。
何度も何度も揺さぶられ、アリスティドの中肉はかき乱されて、ずっと良い所を当て擦られる。
「ん゛っ、んん゛…っ!ん゛!~~~っ!!ん゛っ!!」
キスをしながら達する。瞼の裏でチカチカと星が光っている。達したせいで体がびくびくとして、ヴィクトールは気づいているはずなのに中を苛むことを止めてくれない。
アリスティドのモノからはもう精液は出てこず、まるで女になったような快感に襲われた。そうしてまた何度も穿たれている内に良い所をゴリ、と当てられてまた星が舞う。
「っ、は…リスティ。完全に中イキを覚えたみたいで優秀だな」
そりゃ毎日毎日こんなに濃いセックスをしていたら覚えるというものだ。優秀なのはアリスティドではなく、男でも関係なく鳴かせられるヴィクトールの方ではないか、と足りない知識で考える。
イき過ぎてもう逆に辛いが、まだヴィクトールの剛直は硬さを保ったままだ。彼は微笑んではいるが、少し辛そうにしていた。
アリスティドの両手を彼の両手で恋人のように絡ませられ、先ほどより早いペースで中を抉られる。ヴィクトールのモノがギチ、と孔を広げるように大きくなっていくのを感じた。お互いの力が手に篭り、深く繋がる。
「あっ、ん、ヴィー…僕の中に、出して…っ!」
「っ…!リスティ…!」
大きくグラインドさせ最奥まで穿たれた先で爆ぜている感覚に、アリスティドは歓びを感じていた。息切れを起こしている彼の重みを受け止め、アリスティドが揺蕩い始めてしまう。薄らする意識の中、顔中にキスを落とされて心地よい。
「おやすみ、リスティ」
夢のような一夜に幸福を感じながら、アリスティドは完全に瞼を落としていった。
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