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鉄と火花と
第15話『忍法猿飛』
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野良着の佐助が、新発田城下の外れで縄を結っている。一畳に納まるほどの小さい機織りで紡いでいるのは真田紐であった。濃緑の忍び装束と同じ色合いの、平たい紐である。
傍らには幾本ものそれが積み重なっており、幾本は背後で染料が乾くのを待つよう干されている。
この真田紐は、城下の姑たちが手作りしたものを譲って貰ったものが多い。染め直している分はいうを待たない。
足りない分は、長さを吟味しながら佐助自らが織っている。
「佐助、捗っておるか」
「おぬしか」
手を止めず、ヨモギバライの訪問を受ける。戸口から浮かない顔をのぞかせる彼に、佐助は物言いたげな視線を受け手やっと作業を止める。
「好い話がひとつと、悪い話がたんまりあるのだが」
「聞こう」
「伯父御らが小千谷で討ち死にした。相手は柳生宗章」
「な。――」
さすがに息をのむ。
ヨモギバライの伯父は、旧漆手衆を束ねる長老である。「伯父御ら」というからには、年長老組が悉くという意味であろう。それが討ち死に。
その相手は――。
「柳生宗章」
「死んではおらなんだ」
「やはりとどめを刺しておればよかった」
猿飛を破られ、自失となっていたのが悔やまれる。
「昌幸さまはこれで事実上、上の漆手衆を失ったことになる。偵役の爺様しか残っておらんからな」
「信繁さまの配下である我らが出ると」
「出るほかはない」
「ふふ、そうか。生きておったか。柳生宗章」
好い話、というのはそれか。と、佐助は苦笑する。
機織りを続ける。
「甲冑着込んで死んだ。忍者が術を使えぬようになったら終わりだ」
「死に花を咲かせたかったのか、はたまた剣術屋ごとき押し込めば勝てると思ったか」
「その両方であろうよ。大殿さまも同じ考えであったろうな」
「侮ってくれていたほうが戦いやすいものよ」
ヨモギバライが風呂敷を寄越す。ひとつではない、四つだ。かなり多い。
「こっちが小、こっちが大、こっちが中身、あっちが中身の中身」
「助かる」
「芋虫でも作るのか」
「手と尾だよ」
佐助は風呂敷を引き寄せるとにやりと笑う。
「して、悪い話がたんまりというのは」
「それを作るのに銭がかかった」
「たんまりか」
「たんまりだ」
それはもう、悪い話だった。
漆手衆、その雄々しき年長者らが壊滅したとの報は上杉景勝と真田昌幸を愕然とさせた。忍者は死ぬのも仕事である。しかし、肉体衰え満足な術が行使できぬとはいえ、甲冑武者が雑兵ひとり仕留められぬとは思ってもいなかったのだ。
そして柳生宗章を討つよう命じられたのが、真田信繁である。
煙草入れのような四角い顔がひしゃげるようにしかめられている。
「馬を曳け」
信繁は新発田へと向かう。
馬は疾駆けであるが、酒樽はぴしゃりと揺れぬ。中の酒も凪いでいるだろう。気持ちと同じく、凍り付いているのかもしれない。
新発田までの馬場は八つ。馬を替え、一刻も早く着かねばならない。
(難しい話か)
ふと思う。
秀吉は参内に於いて何かを企むだろう。治部は御意のままだろう。裏には本阿弥光徳がいるやもしれない――かつての闇宰相・千利休のように。
大殿は参内とその先にある何かを潰す心積もりである。殿は御意のままだろう。裏にはこの信繁がいる――しかし総ては真田の意地のために。
(難しい話が嫌いな男が、難しい話を切り拓くやもしれぬ)
一期一振の偽物、いくら作ろうと参内を果たした秀吉が、光徳が、これを擦り上げ形を変え世に出した瞬間、総ては凡百の来歴を露わにされた取るに足らぬよくできた偽物と成り果てる。
そこまでは信繁も知らぬ。
(名物は人を化生させる。お藤は囲ってはならぬ。自由であらねばならぬ。贋作者として生きてはならぬ。戦国の世にはいてはならぬ)
ましてや、泰平の世にも。
昼も夜もなかった。
信繁はもう六度馬を替えている。新発田はもうすぐだった。
その時分、そろそろであろうとは思っていた。
「治部か、太閤か、はたまた。――」
信繁の行く手に騎馬がひとつ。顔をさらしている。若い。
「ご無礼。柳生宗矩にござる」
「柳生。――」
なんたる佇まいだ。
ほぼ同時に馬を下りあい、互いにそう思った。
彼我の距離、およそ五間。
「兄上がお世話になっているようで」
「そうか、徳川もか」
「いや。――」
宗矩は信繁の側で――なんということだろう、信繁も気付かぬうちに接近しているではないか。抜き撃ちできる距離、には、やや遠い。
「兄とも、このように共に戦ったとか」
「何をしにきた。ともあれそっちに五人、こっちに五人だ」
「こちらの五人はすでに討ち申した。そちらの五人も。――」
山林から、断末魔じみた呻き。
「今しがた」
「兄とは別の遣い手だな。柳生宗矩、何をしに」
「徳川に来ませんか」
「貴殿、私より兄上に会いにきたのではあるまいな」
「やはり真田信繁ですな」
信繁のいう兄上とは、真田信之のことである。この信之が徳川の与力大名になるのは翌年のことである。裏で動いていたのは本田正信と柳生宗矩であったとされている。
「泰平の世に必要です」
「どこまで先を見てるのか」
ふと笑う。
「難しい話は苦手でな」
「兄上と同じようなことを」
宗矩も笑う。
間合いがいつの間にか離れている。
「言っておきますが、後続を討ったのは私ではありません。信繁どの、好い配下をお持ちですな」
馬上に身をうつした宗矩は、そのまま南へと向かう。
「佐助、通してやれ」
「かたじけない」
信繁が南の林野に告げると、宗矩は鐙から足を外して去っていく。
入れ替わりに現れたのは、濃緑の忍び装束の佐助であった。「殿」と控えると、佐助は総てを知っている様子で、さらに平伏する。
「よい、佐助。面を上げよ。今のが柳生宗矩、あの男の弟だそうだ」
「あれが。――」
「徳川、太閤亡き後を見据えているのは確かだが、どうもその先を見ているような気もする。どこまでだ。……泰平の世。まさかな」
「追い、仕留めますか」
「猿飛は完成したのか」
ひとつ頷く。
完成したのだ。
「ならば手の内を見せるのはやめておこう。して、こうして私に顔を見せてきたのは、お願いでもあるのかね」
「は。――」
平伏したまま、佐助はいう。
「柳生宗章が始末、是非に」
「大殿らが配下を月岡に向かわせておる。率いるのは私だ。漆手衆とはいえ、死地に入れば殺されよう。諦めろ」
と突き放そうとするが、「とはいいがたいか」と四角い顔をほころばせる。
「本来なら、お主にはお藤を守り越後を去って欲しいのだが。佐助、柴田が意地は捨てられぬか」
「殿。捨てられませぬ」
「不器用な奴。よいか、柳生宗章はお藤を連れて越後を去ろうとするだろう。それを打てるのは、谷川岳となる。ゆくならそこへ向かえ。そして祈れ、ふたりが無事であることを。そして意地を果たせ。あちらも、意地を通すだろう」
「柳生の意地でございましょうか」
「刀匠の意地だ」
信繁は騎乗する。向かうは北だ。
遺された佐助は面を上げられずにいる。
(刀匠の意地)
お藤の意地。
そこでやっと立ち上がり、林野へと戻る。
「通しちまったが、よかったのか」
ヨモギバライである。宗矩のことをいっている。彼はいつつの死体を集めながら佐助を待っていたのだ。
「殿が、指示だ」
「左様か。――」
死体は何れも首を切り裂かれていた。見上げるような表情のまま、首を切られていた。新しき忍法『猿飛』の犠牲になった者たちだ。
「で、こいつら何者だ。どう考えても、治部の手ではあるまい」
「恐らくは前田の手の者。北にも五人、死んでおるそうだ。柳生宗矩、あやつの弟が斬ったと見る」
「徳川か」
「如何様」
身ぐるみを剥ぎ、手がかりなしと踏むや、ふたりは奥谷に死体をうち捨てる。手には戦利品だ。質はどうであれ、鉄は貴重だ。北にも同じくらい転がっているだろう。
「新『猿飛』。研鑽せねばな。こやつらほど簡単には殺せまい」
佐助に、ヨモギバライは首肯した。
この先を宗章が切り抜ける。そう確信してのものであった。
傍らには幾本ものそれが積み重なっており、幾本は背後で染料が乾くのを待つよう干されている。
この真田紐は、城下の姑たちが手作りしたものを譲って貰ったものが多い。染め直している分はいうを待たない。
足りない分は、長さを吟味しながら佐助自らが織っている。
「佐助、捗っておるか」
「おぬしか」
手を止めず、ヨモギバライの訪問を受ける。戸口から浮かない顔をのぞかせる彼に、佐助は物言いたげな視線を受け手やっと作業を止める。
「好い話がひとつと、悪い話がたんまりあるのだが」
「聞こう」
「伯父御らが小千谷で討ち死にした。相手は柳生宗章」
「な。――」
さすがに息をのむ。
ヨモギバライの伯父は、旧漆手衆を束ねる長老である。「伯父御ら」というからには、年長老組が悉くという意味であろう。それが討ち死に。
その相手は――。
「柳生宗章」
「死んではおらなんだ」
「やはりとどめを刺しておればよかった」
猿飛を破られ、自失となっていたのが悔やまれる。
「昌幸さまはこれで事実上、上の漆手衆を失ったことになる。偵役の爺様しか残っておらんからな」
「信繁さまの配下である我らが出ると」
「出るほかはない」
「ふふ、そうか。生きておったか。柳生宗章」
好い話、というのはそれか。と、佐助は苦笑する。
機織りを続ける。
「甲冑着込んで死んだ。忍者が術を使えぬようになったら終わりだ」
「死に花を咲かせたかったのか、はたまた剣術屋ごとき押し込めば勝てると思ったか」
「その両方であろうよ。大殿さまも同じ考えであったろうな」
「侮ってくれていたほうが戦いやすいものよ」
ヨモギバライが風呂敷を寄越す。ひとつではない、四つだ。かなり多い。
「こっちが小、こっちが大、こっちが中身、あっちが中身の中身」
「助かる」
「芋虫でも作るのか」
「手と尾だよ」
佐助は風呂敷を引き寄せるとにやりと笑う。
「して、悪い話がたんまりというのは」
「それを作るのに銭がかかった」
「たんまりか」
「たんまりだ」
それはもう、悪い話だった。
漆手衆、その雄々しき年長者らが壊滅したとの報は上杉景勝と真田昌幸を愕然とさせた。忍者は死ぬのも仕事である。しかし、肉体衰え満足な術が行使できぬとはいえ、甲冑武者が雑兵ひとり仕留められぬとは思ってもいなかったのだ。
そして柳生宗章を討つよう命じられたのが、真田信繁である。
煙草入れのような四角い顔がひしゃげるようにしかめられている。
「馬を曳け」
信繁は新発田へと向かう。
馬は疾駆けであるが、酒樽はぴしゃりと揺れぬ。中の酒も凪いでいるだろう。気持ちと同じく、凍り付いているのかもしれない。
新発田までの馬場は八つ。馬を替え、一刻も早く着かねばならない。
(難しい話か)
ふと思う。
秀吉は参内に於いて何かを企むだろう。治部は御意のままだろう。裏には本阿弥光徳がいるやもしれない――かつての闇宰相・千利休のように。
大殿は参内とその先にある何かを潰す心積もりである。殿は御意のままだろう。裏にはこの信繁がいる――しかし総ては真田の意地のために。
(難しい話が嫌いな男が、難しい話を切り拓くやもしれぬ)
一期一振の偽物、いくら作ろうと参内を果たした秀吉が、光徳が、これを擦り上げ形を変え世に出した瞬間、総ては凡百の来歴を露わにされた取るに足らぬよくできた偽物と成り果てる。
そこまでは信繁も知らぬ。
(名物は人を化生させる。お藤は囲ってはならぬ。自由であらねばならぬ。贋作者として生きてはならぬ。戦国の世にはいてはならぬ)
ましてや、泰平の世にも。
昼も夜もなかった。
信繁はもう六度馬を替えている。新発田はもうすぐだった。
その時分、そろそろであろうとは思っていた。
「治部か、太閤か、はたまた。――」
信繁の行く手に騎馬がひとつ。顔をさらしている。若い。
「ご無礼。柳生宗矩にござる」
「柳生。――」
なんたる佇まいだ。
ほぼ同時に馬を下りあい、互いにそう思った。
彼我の距離、およそ五間。
「兄上がお世話になっているようで」
「そうか、徳川もか」
「いや。――」
宗矩は信繁の側で――なんということだろう、信繁も気付かぬうちに接近しているではないか。抜き撃ちできる距離、には、やや遠い。
「兄とも、このように共に戦ったとか」
「何をしにきた。ともあれそっちに五人、こっちに五人だ」
「こちらの五人はすでに討ち申した。そちらの五人も。――」
山林から、断末魔じみた呻き。
「今しがた」
「兄とは別の遣い手だな。柳生宗矩、何をしに」
「徳川に来ませんか」
「貴殿、私より兄上に会いにきたのではあるまいな」
「やはり真田信繁ですな」
信繁のいう兄上とは、真田信之のことである。この信之が徳川の与力大名になるのは翌年のことである。裏で動いていたのは本田正信と柳生宗矩であったとされている。
「泰平の世に必要です」
「どこまで先を見てるのか」
ふと笑う。
「難しい話は苦手でな」
「兄上と同じようなことを」
宗矩も笑う。
間合いがいつの間にか離れている。
「言っておきますが、後続を討ったのは私ではありません。信繁どの、好い配下をお持ちですな」
馬上に身をうつした宗矩は、そのまま南へと向かう。
「佐助、通してやれ」
「かたじけない」
信繁が南の林野に告げると、宗矩は鐙から足を外して去っていく。
入れ替わりに現れたのは、濃緑の忍び装束の佐助であった。「殿」と控えると、佐助は総てを知っている様子で、さらに平伏する。
「よい、佐助。面を上げよ。今のが柳生宗矩、あの男の弟だそうだ」
「あれが。――」
「徳川、太閤亡き後を見据えているのは確かだが、どうもその先を見ているような気もする。どこまでだ。……泰平の世。まさかな」
「追い、仕留めますか」
「猿飛は完成したのか」
ひとつ頷く。
完成したのだ。
「ならば手の内を見せるのはやめておこう。して、こうして私に顔を見せてきたのは、お願いでもあるのかね」
「は。――」
平伏したまま、佐助はいう。
「柳生宗章が始末、是非に」
「大殿らが配下を月岡に向かわせておる。率いるのは私だ。漆手衆とはいえ、死地に入れば殺されよう。諦めろ」
と突き放そうとするが、「とはいいがたいか」と四角い顔をほころばせる。
「本来なら、お主にはお藤を守り越後を去って欲しいのだが。佐助、柴田が意地は捨てられぬか」
「殿。捨てられませぬ」
「不器用な奴。よいか、柳生宗章はお藤を連れて越後を去ろうとするだろう。それを打てるのは、谷川岳となる。ゆくならそこへ向かえ。そして祈れ、ふたりが無事であることを。そして意地を果たせ。あちらも、意地を通すだろう」
「柳生の意地でございましょうか」
「刀匠の意地だ」
信繁は騎乗する。向かうは北だ。
遺された佐助は面を上げられずにいる。
(刀匠の意地)
お藤の意地。
そこでやっと立ち上がり、林野へと戻る。
「通しちまったが、よかったのか」
ヨモギバライである。宗矩のことをいっている。彼はいつつの死体を集めながら佐助を待っていたのだ。
「殿が、指示だ」
「左様か。――」
死体は何れも首を切り裂かれていた。見上げるような表情のまま、首を切られていた。新しき忍法『猿飛』の犠牲になった者たちだ。
「で、こいつら何者だ。どう考えても、治部の手ではあるまい」
「恐らくは前田の手の者。北にも五人、死んでおるそうだ。柳生宗矩、あやつの弟が斬ったと見る」
「徳川か」
「如何様」
身ぐるみを剥ぎ、手がかりなしと踏むや、ふたりは奥谷に死体をうち捨てる。手には戦利品だ。質はどうであれ、鉄は貴重だ。北にも同じくらい転がっているだろう。
「新『猿飛』。研鑽せねばな。こやつらほど簡単には殺せまい」
佐助に、ヨモギバライは首肯した。
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