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5,一撃必殺の技
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翌日もシドの授業が終わるとあの森へ向かった。
この時間は人通りも多いので、目立たないように隠密を使って正門付近の脇道に降り立ち、正門から出る。…面倒くさい。
「お嬢ちゃん、今日はどこへ行くのかな?」
子供が一人で外に出るのは心配なのだろう。私の姿を見つけた昨日の騎士さんがすかさず聞いてきた。
「この周辺を見ておきたいの。2時間で戻るわ。」
そう言うと少し心配そうな顔をしながらも気を付けて、と見送ってくれた。
騎士さんの死角に入るとまたすぐに飛翔魔法を使う。2時間はあっという間だ。早く魔法の練習をしたい!とはやる気持ちであの場所へ向かう。
その場所へ着くと、既に誰かがいるようだった。森の中で開けている場所だから休憩するのにちょうどよい場所なのだろう。
でも困ったな、私はどこに行こうかな。
周りを見渡すと奥に小ぶりな山が見える。グリッドマウンテンだ。
「うん、行ってみよう」
高く飛び山頂まで行くと、彩り豊かな花が心地よさそうに風に揺られていて、その周りには木々も生い茂っている。
ここにはきっとあまり人が来ないんだろう、と感じさせた。
山頂に降り立ち、辺りを見渡す。
生い茂った木々が魔物の存在を隠しているかのようだ。
気配を探ると確かにいる、魔物が三匹。
私は一人口角を上げて、魔物の襲来を待つ。昨日森にいた魔物よりも強そうな気配だ。
少し待っても出てこないので、こちらから行くとしよう。
「フリーズ!」
氷魔法を放つ。先日から練習しているこの魔法は瞬時に対象を凍らせる魔法だ。フリーズを使えるようになっただけでも自分を褒めてやりたい。いや、まだ完璧ではないのだけれども。完璧にするためにここに来ているのだ。昨日も沢山練習したけれど、まだ命中率は半分といったところだ。
私の放ったフリーズで魔物がこっちへ向かって突進してくる。
マウンテンベアだ。
私は飛翔魔法で空に浮きながらフリーズを何度か放ち、8度目のフリーズでやっとマウンテンベアを倒すことができた。魔物の姿はなくなり代わりに魔石が現れる。その魔石を拾いながら私は独りごちた。
「やっぱり全然威力が足りないわね。」
シドとの授業では実践は行わない。故に対象は無機物なのである。使えるようになることが目的なので、魔法の威力そのものに拘るつもりはないが、やっと使えるようになった魔法を、色々試してみたくなったのだ。
そんな事を考えていると、二匹の大蜘蛛の魔物が姿を現した。
攻撃を仕掛けられる前にフリーズを放つ、放つ、放つ!とりあえず放ちまくり、10回以上放ち漸く倒すことができた。
魔石を拾うと、マウンテンベアの魔石より少し小ぶりだった。
私は一人で強い魔物の魔石を手に入れたという充実感で一杯だった。
いつもより多く魔力を使ったため、少し気怠いがその気怠ささえ心地よく感じていた。
ここは昨日の場所よりも練習に向いている。
満足した私は魔力量が100を切るまで氷魔法の練習をして、少し休憩した後屋敷へ戻った。
◆
歴史や地理は覚えることがとにかく多い。
この国の歴史や地理関係など、知っておかなければいけないことは多いのだ。
授業を受けた後はいつも復習を欠かさない。まだ8歳児なのでスポンジのように吸収できるので、暗記力もチートなのである。
とはいえ、地頭はあまり良い方ではないので基本的には努力派だ。
勉強が一通り終わればすぐに食事の時間となる。
お父様は今遠征に行っているので私一人なのがとても寂しいが、仕方ない。
ちなみにお兄様達は全寮制の王立学園へ通っていて、長期休暇の時しか会えない。
食事を簡単に済ませると、魔力がギリギリになるまで防御魔法の練習をする。息をするように自分の周りに防御結界を張り日常生活を送ることが目標だ。
何せ私は弱いのだから。
魔力量を増やす為に毎日欠かさずに行っている大切な日課でもある。
その後、ゆっくり入浴をする。
この時間が一日の中で一番至福だ。
入浴後は植物の本を読んでいると、いつの間にか眠ってしまっていた。
時間が足りない。
眠くならない魔法とかないかな?
◆
それから毎日、シドの授業を終えてからはグリッドマウンテンへ行き氷魔法の練習をしている。
1ヶ月くらいフリーズ連打をし続けて、今では百発百中だ。
実践的に使用することで格段に上達したと思う。これにはシドも驚いていた。
調子に乗った私は中級の氷魔法であるフリーズランスを習っている。
「確かに中級のフリーズランスの方が威力はありますが、それはフリーズと同じ魔力を消費すれば、の話です。
例えば、10の魔力で打つフリーズと、1の魔力で打つフリーズランスは当然フリーズの方が威力があるのです。初級であっても一つの技を極めるというのは非常に重要なのですよ。
お嬢は今ウインドカッターなんか息をするようにできるでしょ?意識的に魔力を込めて打てばかなりの威力になりますよ?」
シドはそう言って中級を教えるのを躊躇っていたようだったが、少し強引に教えてもらったのだ。
確かにフリーズランスは難しいけど、イメージをしっかり持てば出来ないこともない。
しかし魔物にはなかなか当たらないので、魔力を多く込めてフリーズを放つことにした。
「フリーズ!!」
するとどうだろう、マウンテンベアを倒す時はいつも3回以上は放っていたのに、何と一撃で倒すことができたのだ。
「えっ、私すごくない?!」
想像以上の出来事にテンションが上がった私は、どのくらいの魔力を込めれば一撃で倒せるのか、実験をしてみることにした。
数日の実験でわかったのは、今まで魔力を1しか使ってなかったとすると、
マウンテンベアは4倍の魔力、大蜘蛛は3倍の魔力を使うと一撃で倒せることがわかった。溜めの時間が少し長いのが難点だが、私としては大満足だった。
休憩がてら空に浮き山の周りを見回すと、例の場所がここからよく見えることがわかった。
「お母様…」
今も消えていないこの想いに胸が締め付けられる。
いつの間にか私は大好きだった前世の歌を口ずさんでいた。
なんだか無性にピアノが弾きたくなってきたな。…そうだ、採譜をしてみよう。
屋敷へ戻りすぐにでも弾きたいところだったが、まずは授業だ。
集中して授業を受けた後、早速ピアノを弾きながら楽譜を書いていく。
食事も入浴も簡単に済ませて、ずっとピアノを引き続けた。
夢中になるとそればかりのめり込んでしまうのは、私の悪い癖だ。気がつけば時刻は21時になろうとしていた。
さすがにこれ以上弾くのは迷惑になると考えて、遮音結界を張る。
メロディは完全に全部覚えているので楽譜はほぼ完成したが、歌詞がサビしか思い出せない。
うーん、こうなったら自分で作詞してみよう。
その日は歌詞を考えている内に眠ってしまったようだ。
この時間は人通りも多いので、目立たないように隠密を使って正門付近の脇道に降り立ち、正門から出る。…面倒くさい。
「お嬢ちゃん、今日はどこへ行くのかな?」
子供が一人で外に出るのは心配なのだろう。私の姿を見つけた昨日の騎士さんがすかさず聞いてきた。
「この周辺を見ておきたいの。2時間で戻るわ。」
そう言うと少し心配そうな顔をしながらも気を付けて、と見送ってくれた。
騎士さんの死角に入るとまたすぐに飛翔魔法を使う。2時間はあっという間だ。早く魔法の練習をしたい!とはやる気持ちであの場所へ向かう。
その場所へ着くと、既に誰かがいるようだった。森の中で開けている場所だから休憩するのにちょうどよい場所なのだろう。
でも困ったな、私はどこに行こうかな。
周りを見渡すと奥に小ぶりな山が見える。グリッドマウンテンだ。
「うん、行ってみよう」
高く飛び山頂まで行くと、彩り豊かな花が心地よさそうに風に揺られていて、その周りには木々も生い茂っている。
ここにはきっとあまり人が来ないんだろう、と感じさせた。
山頂に降り立ち、辺りを見渡す。
生い茂った木々が魔物の存在を隠しているかのようだ。
気配を探ると確かにいる、魔物が三匹。
私は一人口角を上げて、魔物の襲来を待つ。昨日森にいた魔物よりも強そうな気配だ。
少し待っても出てこないので、こちらから行くとしよう。
「フリーズ!」
氷魔法を放つ。先日から練習しているこの魔法は瞬時に対象を凍らせる魔法だ。フリーズを使えるようになっただけでも自分を褒めてやりたい。いや、まだ完璧ではないのだけれども。完璧にするためにここに来ているのだ。昨日も沢山練習したけれど、まだ命中率は半分といったところだ。
私の放ったフリーズで魔物がこっちへ向かって突進してくる。
マウンテンベアだ。
私は飛翔魔法で空に浮きながらフリーズを何度か放ち、8度目のフリーズでやっとマウンテンベアを倒すことができた。魔物の姿はなくなり代わりに魔石が現れる。その魔石を拾いながら私は独りごちた。
「やっぱり全然威力が足りないわね。」
シドとの授業では実践は行わない。故に対象は無機物なのである。使えるようになることが目的なので、魔法の威力そのものに拘るつもりはないが、やっと使えるようになった魔法を、色々試してみたくなったのだ。
そんな事を考えていると、二匹の大蜘蛛の魔物が姿を現した。
攻撃を仕掛けられる前にフリーズを放つ、放つ、放つ!とりあえず放ちまくり、10回以上放ち漸く倒すことができた。
魔石を拾うと、マウンテンベアの魔石より少し小ぶりだった。
私は一人で強い魔物の魔石を手に入れたという充実感で一杯だった。
いつもより多く魔力を使ったため、少し気怠いがその気怠ささえ心地よく感じていた。
ここは昨日の場所よりも練習に向いている。
満足した私は魔力量が100を切るまで氷魔法の練習をして、少し休憩した後屋敷へ戻った。
◆
歴史や地理は覚えることがとにかく多い。
この国の歴史や地理関係など、知っておかなければいけないことは多いのだ。
授業を受けた後はいつも復習を欠かさない。まだ8歳児なのでスポンジのように吸収できるので、暗記力もチートなのである。
とはいえ、地頭はあまり良い方ではないので基本的には努力派だ。
勉強が一通り終わればすぐに食事の時間となる。
お父様は今遠征に行っているので私一人なのがとても寂しいが、仕方ない。
ちなみにお兄様達は全寮制の王立学園へ通っていて、長期休暇の時しか会えない。
食事を簡単に済ませると、魔力がギリギリになるまで防御魔法の練習をする。息をするように自分の周りに防御結界を張り日常生活を送ることが目標だ。
何せ私は弱いのだから。
魔力量を増やす為に毎日欠かさずに行っている大切な日課でもある。
その後、ゆっくり入浴をする。
この時間が一日の中で一番至福だ。
入浴後は植物の本を読んでいると、いつの間にか眠ってしまっていた。
時間が足りない。
眠くならない魔法とかないかな?
◆
それから毎日、シドの授業を終えてからはグリッドマウンテンへ行き氷魔法の練習をしている。
1ヶ月くらいフリーズ連打をし続けて、今では百発百中だ。
実践的に使用することで格段に上達したと思う。これにはシドも驚いていた。
調子に乗った私は中級の氷魔法であるフリーズランスを習っている。
「確かに中級のフリーズランスの方が威力はありますが、それはフリーズと同じ魔力を消費すれば、の話です。
例えば、10の魔力で打つフリーズと、1の魔力で打つフリーズランスは当然フリーズの方が威力があるのです。初級であっても一つの技を極めるというのは非常に重要なのですよ。
お嬢は今ウインドカッターなんか息をするようにできるでしょ?意識的に魔力を込めて打てばかなりの威力になりますよ?」
シドはそう言って中級を教えるのを躊躇っていたようだったが、少し強引に教えてもらったのだ。
確かにフリーズランスは難しいけど、イメージをしっかり持てば出来ないこともない。
しかし魔物にはなかなか当たらないので、魔力を多く込めてフリーズを放つことにした。
「フリーズ!!」
するとどうだろう、マウンテンベアを倒す時はいつも3回以上は放っていたのに、何と一撃で倒すことができたのだ。
「えっ、私すごくない?!」
想像以上の出来事にテンションが上がった私は、どのくらいの魔力を込めれば一撃で倒せるのか、実験をしてみることにした。
数日の実験でわかったのは、今まで魔力を1しか使ってなかったとすると、
マウンテンベアは4倍の魔力、大蜘蛛は3倍の魔力を使うと一撃で倒せることがわかった。溜めの時間が少し長いのが難点だが、私としては大満足だった。
休憩がてら空に浮き山の周りを見回すと、例の場所がここからよく見えることがわかった。
「お母様…」
今も消えていないこの想いに胸が締め付けられる。
いつの間にか私は大好きだった前世の歌を口ずさんでいた。
なんだか無性にピアノが弾きたくなってきたな。…そうだ、採譜をしてみよう。
屋敷へ戻りすぐにでも弾きたいところだったが、まずは授業だ。
集中して授業を受けた後、早速ピアノを弾きながら楽譜を書いていく。
食事も入浴も簡単に済ませて、ずっとピアノを引き続けた。
夢中になるとそればかりのめり込んでしまうのは、私の悪い癖だ。気がつけば時刻は21時になろうとしていた。
さすがにこれ以上弾くのは迷惑になると考えて、遮音結界を張る。
メロディは完全に全部覚えているので楽譜はほぼ完成したが、歌詞がサビしか思い出せない。
うーん、こうなったら自分で作詞してみよう。
その日は歌詞を考えている内に眠ってしまったようだ。
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