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40,スムージー
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大豆を使ったスイーツの試作品を作るのに夢中になっている内にあっという間に2週間が経ち、屋敷へ帰ることになった。
3人で大豆スイーツのレシピを考えたりしていると馬車での移動もあっという間だ。
ルーファンで珍しいお花や種も購入したので、屋敷に戻ってからやりたい事が増えてしまった。
◆
ルーファンから帰ってきた私はそのすぐ後に、マガン領へ製油工場やハーブ農園、ミツロウの工場視察へ行った。
大体、月1回のペースで視察している。
今回も特に問題もなく、生産は順調そのもの。本当に良かった。元よりルークお兄様とアレックス叔父様がいるから安心して任せられる。
平和な日々も束の間、その後はお母様の9回目の法事式典がありそれが終わればまた学園生活が始まる。
後期は生徒会の仕事があるので、忙しくなりそうだ。
その前に私にはやりたいことがある。
それはミキサー(のようなもの)を手に入れること。
スムージーを作りたいのだ!
いい加減豆乳に蜂蜜を入れるだけの味付けに飽きてきた。
空いた時間を見つけて、ハックの工房へ向かう。
「あのね、こういうものがほしいの。」
容器の底に刃を設置して魔力を注ぐとその刃が回転し、中にいれたものを粉砕する魔道具が欲しいということを、シンプルに図を書いて説明する。
「なんだ、これならすぐにできるだろう。また難題がやってきたのかと思って構えてしまったよ。」
「それでも作ってしまうハックは本当に凄いわよね。」
「どっちかっていうと、エリナリーゼ様の発想力の方が凄いですよ。」
いや私のはほら、前世の知識だから。
罪悪感が…
「まぁでもすぐに作れるなら助かるわ。2つ欲しいのだけど、どのくらいかかりそう?」
「2週間もあればできますよ。ところでこれは何に使うのですか?」
「ん?ふふっ。じゃあ出来上がったら作ってあげるわ。」
「楽しみにしてますね。」
あっという間に2週間経ち、再びハックの工房へ向かった。
「わざわざ来ていただいてすみません。」
「待ち遠しかったから来ちゃったわ。出来上がっているかしら?」
「はい。こちらです。」
おぉ!ミキサーっぽい!
「すごいわ、ちゃんと要望通りね!ちょっと試してみても?」
「もちろんです。」
調理場に移動して中を綺麗に洗ってもらい、マリーに食材を入れてもらう。
今日持ってきたのは、豆乳、リンゴ、バナナ、小松菜だ。
小さめにカットしてミキサーの中に入れる。魔力を流して粉砕すればスムージーの完成である。
見た感じはそれっぽくて自然と顔が綻ぶ。
「ちょっと飲んでみるわね。」
飲んでみると前世でよく飲んだスムージーと同じ味がした。
「うん、美味しいわ。
はい、ハック。マリーも飲んでみて?」
コップに注いで渡す。
恐る恐る飲んだ二人だったが、一口飲むと
「「美味しい!!」」
と綺麗にハモる。
「でしょ?」
「青野菜とフルーツってこんなに合うんですね。青臭さもなくなって本当に美味しいです。」
「うん、これは美味いな。いくらでも飲めてしまいそうだ。」
「健康にも、美容にもいいの。もしかしたらまた作ってもらう機会があるかもしれないわ。その時はまた宜しくね?」
そう言い残してハックの工房を後にした。
「お嬢様のその発想力はどこからくるのですか?」
「え?何言ってるのよ。」
「いや、本当に凄いなと思って。さっきの飲み物もとっても美味しかったですし。豆乳のまま飲むとあんまり美味しくなかったのに。普通レシピを考えるのも時間のかかることだと思うんです。」
まぁそれは…アレだからね。
「合理的に栄養素を摂ろうと思った結果よ。」
「どういう意味でしょう?」
「メインの豆乳はタンパク質が多く含まれているでしょ?ビタミンとミネラルは果物で、小松菜では鉄分を取りたかったの。特に女性は貧血気味な人も多いでしょう?一杯で必要な栄養素を採れるなんて合理的じゃない。」
「確かにお嬢様は食が細いですし、一杯で栄養素をこんなに摂れるなら安心ですね。」
「でしょ?それにさっきも言ったけど、美容にもいいと思うのよね。だからとりあえず続けてみるわ。」
屋敷に帰ると、調理場へ向かった。
「ジフ、お願いがあるの。」
「お嬢様、どうされました?」
「これから毎朝作ってもらいたいものがあるのよ。」
そう言い、ミキサーを出して先程と同じように作ってみせる。
「これは?」
「ちょっと飲んでみて?」
私もまた飲む。うん、やっぱり美味しいわね。
「美味しい!どんな味かと思ったら…。全然青臭さがなくてリンゴの酸味とバナナの甘みが絶妙ですね。」
「でしょ?あのね、私これを毎朝飲みたいの。作ってくれる?」
「かしこまりました。」
「ありがとう。助かるわ。あ、今作った材料じゃなくてもあるもので作ってくれて大丈夫だからね。ジフの思うがままにやってくれると嬉しいわ。」
こうして私のスムージー生活が始まった。
朝にスムージーを飲むようになってから1ヶ月経った今は、身体の調子がとてもいい。肌もキレイになってきたように思う。
「お嬢様、最近益々キレイになられましたね。私もスムージーを飲むようになって少し肌の調子がいいと感じるんです。」
マリーはそう言いながら私の髪の毛を整えてくれている。
アンナとマリーにも効果を検証するために一緒に飲んでもらっているのだ。
「そう?それは良かったわ。今度レシピを変えて作ってみましょう?」
「他にはどんなレシピがあるのですか?」
「沢山あるわね。というかどんな組み合わせもやってみたらいいんじゃないかしら?私はただ好きな果物と鉄分の含まれた野菜を組み合わせたけど、可能性は無限だと思うわ。」
「なるほど、では私も何か考えておきますね。」
「えぇ、じゃあ明日はマリー考案のレシピでお願いしようかしら?」
「はい!お任せ下さい。」
マリー達に見送られて今日も学園へ向かう。
3人で大豆スイーツのレシピを考えたりしていると馬車での移動もあっという間だ。
ルーファンで珍しいお花や種も購入したので、屋敷に戻ってからやりたい事が増えてしまった。
◆
ルーファンから帰ってきた私はそのすぐ後に、マガン領へ製油工場やハーブ農園、ミツロウの工場視察へ行った。
大体、月1回のペースで視察している。
今回も特に問題もなく、生産は順調そのもの。本当に良かった。元よりルークお兄様とアレックス叔父様がいるから安心して任せられる。
平和な日々も束の間、その後はお母様の9回目の法事式典がありそれが終わればまた学園生活が始まる。
後期は生徒会の仕事があるので、忙しくなりそうだ。
その前に私にはやりたいことがある。
それはミキサー(のようなもの)を手に入れること。
スムージーを作りたいのだ!
いい加減豆乳に蜂蜜を入れるだけの味付けに飽きてきた。
空いた時間を見つけて、ハックの工房へ向かう。
「あのね、こういうものがほしいの。」
容器の底に刃を設置して魔力を注ぐとその刃が回転し、中にいれたものを粉砕する魔道具が欲しいということを、シンプルに図を書いて説明する。
「なんだ、これならすぐにできるだろう。また難題がやってきたのかと思って構えてしまったよ。」
「それでも作ってしまうハックは本当に凄いわよね。」
「どっちかっていうと、エリナリーゼ様の発想力の方が凄いですよ。」
いや私のはほら、前世の知識だから。
罪悪感が…
「まぁでもすぐに作れるなら助かるわ。2つ欲しいのだけど、どのくらいかかりそう?」
「2週間もあればできますよ。ところでこれは何に使うのですか?」
「ん?ふふっ。じゃあ出来上がったら作ってあげるわ。」
「楽しみにしてますね。」
あっという間に2週間経ち、再びハックの工房へ向かった。
「わざわざ来ていただいてすみません。」
「待ち遠しかったから来ちゃったわ。出来上がっているかしら?」
「はい。こちらです。」
おぉ!ミキサーっぽい!
「すごいわ、ちゃんと要望通りね!ちょっと試してみても?」
「もちろんです。」
調理場に移動して中を綺麗に洗ってもらい、マリーに食材を入れてもらう。
今日持ってきたのは、豆乳、リンゴ、バナナ、小松菜だ。
小さめにカットしてミキサーの中に入れる。魔力を流して粉砕すればスムージーの完成である。
見た感じはそれっぽくて自然と顔が綻ぶ。
「ちょっと飲んでみるわね。」
飲んでみると前世でよく飲んだスムージーと同じ味がした。
「うん、美味しいわ。
はい、ハック。マリーも飲んでみて?」
コップに注いで渡す。
恐る恐る飲んだ二人だったが、一口飲むと
「「美味しい!!」」
と綺麗にハモる。
「でしょ?」
「青野菜とフルーツってこんなに合うんですね。青臭さもなくなって本当に美味しいです。」
「うん、これは美味いな。いくらでも飲めてしまいそうだ。」
「健康にも、美容にもいいの。もしかしたらまた作ってもらう機会があるかもしれないわ。その時はまた宜しくね?」
そう言い残してハックの工房を後にした。
「お嬢様のその発想力はどこからくるのですか?」
「え?何言ってるのよ。」
「いや、本当に凄いなと思って。さっきの飲み物もとっても美味しかったですし。豆乳のまま飲むとあんまり美味しくなかったのに。普通レシピを考えるのも時間のかかることだと思うんです。」
まぁそれは…アレだからね。
「合理的に栄養素を摂ろうと思った結果よ。」
「どういう意味でしょう?」
「メインの豆乳はタンパク質が多く含まれているでしょ?ビタミンとミネラルは果物で、小松菜では鉄分を取りたかったの。特に女性は貧血気味な人も多いでしょう?一杯で必要な栄養素を採れるなんて合理的じゃない。」
「確かにお嬢様は食が細いですし、一杯で栄養素をこんなに摂れるなら安心ですね。」
「でしょ?それにさっきも言ったけど、美容にもいいと思うのよね。だからとりあえず続けてみるわ。」
屋敷に帰ると、調理場へ向かった。
「ジフ、お願いがあるの。」
「お嬢様、どうされました?」
「これから毎朝作ってもらいたいものがあるのよ。」
そう言い、ミキサーを出して先程と同じように作ってみせる。
「これは?」
「ちょっと飲んでみて?」
私もまた飲む。うん、やっぱり美味しいわね。
「美味しい!どんな味かと思ったら…。全然青臭さがなくてリンゴの酸味とバナナの甘みが絶妙ですね。」
「でしょ?あのね、私これを毎朝飲みたいの。作ってくれる?」
「かしこまりました。」
「ありがとう。助かるわ。あ、今作った材料じゃなくてもあるもので作ってくれて大丈夫だからね。ジフの思うがままにやってくれると嬉しいわ。」
こうして私のスムージー生活が始まった。
朝にスムージーを飲むようになってから1ヶ月経った今は、身体の調子がとてもいい。肌もキレイになってきたように思う。
「お嬢様、最近益々キレイになられましたね。私もスムージーを飲むようになって少し肌の調子がいいと感じるんです。」
マリーはそう言いながら私の髪の毛を整えてくれている。
アンナとマリーにも効果を検証するために一緒に飲んでもらっているのだ。
「そう?それは良かったわ。今度レシピを変えて作ってみましょう?」
「他にはどんなレシピがあるのですか?」
「沢山あるわね。というかどんな組み合わせもやってみたらいいんじゃないかしら?私はただ好きな果物と鉄分の含まれた野菜を組み合わせたけど、可能性は無限だと思うわ。」
「なるほど、では私も何か考えておきますね。」
「えぇ、じゃあ明日はマリー考案のレシピでお願いしようかしら?」
「はい!お任せ下さい。」
マリー達に見送られて今日も学園へ向かう。
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